バッッシャン!!
「うひゃーー!!」
水しぶきが掛かり、真里が悲鳴を上げる。
空中に跳んだイルカが水面に落ち、
その衝撃で水しぶきが観客席に飛び散ったのだ。
真里は頭から思い切り水を被り、ビショビショの状態だ。
その日、真里、萌、誠、忍の四人は、
島の外れにある『南の島水族館』に来ていた。
ここは世界の珍しい海洋類を1000種類以上も飼育しており、
全長300m以上もある巨大水族館であった。
定番のイルカショーやアシカショー、白熱のペンギンバトルまで観光客を楽しませる催し物が目白押しだ。
「ひぃえー……ひどい目に遭った……」
「真里は反応遅すぎだよ。イルカが跳んだらすぐにシートでガードしなきゃ。ま、ウケたから良いけど☆彡」
「もうお昼だし、そろそろメシ行こうか。真里ちゃんもお店の人に服、乾かしてもらうと良いよ。マコトちゃんもそれでいいかな?」
「はい、私はそれで良いです。真里さん、上着預けてる間、私のカーディガン羽織りなよ。風邪引いちゃったら困るし」
午前のイルカーショーを終えた四人は、
館内のレストランでランチを取ることにした。
名物の海鮮丼は定価1,000円とは思えないほど、ボリュームと彩りに富んだ、なんとも贅沢な海鮮丼であった。
「えーー!? これで1,000円ってすごくなーい?」
「ねー! すごいよねー雲丹、いくら、海老、ホタテ、光り物から干瓢までなんでも乗ってるよ!」
女性二人が歓声を上げる。
お値段以上の海鮮丼に大満足な御様子だ。
「やっぱり海の近くだから、ここまで出せるのかな?
地元で頼んだら2,000円以上はしそうだね」
「そんぐらいするだろうね。俺、寿司屋のバイトしてたことあるんだけど、賄いで古くなった材料を処理した時くらいかな。こんな海鮮丼見たの」
誠の言葉に忍が相槌を打つ。
専門学校に通う忍は、様々なバイトを経験しており、
その容姿の良さから、モデルのバイトをしたこともあるらしい。
「あっ、マコちゃん見てください。醤油も色んなのがありますよー」
「わーホントだー。雲丹醤油、甘海老醤油、牡蠣醤油……すごいこだわってるお店だね」
受け口が4つある受け皿を手に持ち、感心する誠。
「ちょっと生牡蠣もあるよ! 忍ーー私、生牡蠣食べたーい。真里とマコトちゃんもどお?」
「うお、生牡蠣一つ400円? やっすいな……真里ちゃんとマコトちゃんも遠慮しないで頼みなよ。ここは俺の奢りでいいからさ」
美人三人に囲まれ気を大きくした忍が言う。
「えー!? いいんですかー?
私、生牡蠣すごい好きなんですよ!」
「遠慮しなくて良いの。
マコトちゃんもじゃんじゃん頼んで良いからね♪」
「あ、すいません……じゃあお言葉に甘えて……」
萌からメニュー表を受け取り誠は恐縮する。
彼は複雑な心境だった。
真里はともかく、女性の振りをした自分が本当に忍に奢ってもらって良いのだろうかと少し戸惑っていた。
誠と真里は、普段こういう食事をする際は、
何を注文しても半々で会計をすることにしていた。
真里はこういったお金の支払いにキッチリしており、女性だから男に奢ってもらうのは当然という考えに反対の人物であった。
誠が支払うと伝えても、「私は養ってもらいたくて誠くんと一緒にいる訳ではありません」と言って断ってしまうのだ。
男として、真里の分も払ってあげたいという気持ちはあったのだが、真里の意向で半々で払うことになっていたのだ。
「じゃあ、忍さん。夕食は私とマコちゃんに支払わせくださいね。ここはお願いしまーす!」
「えっ? 夕食も俺が払うから良いよー
こんな美女三人に囲まれて、それだけで俺、役得だからさ」
「それだと私達の肩身が狭くなってしまいます……」
「ダメだよ、忍。真里は昔からこういう事は細かいの。
あんまりしつこく奢ろとすると嫌われちゃうよ?」
結局、夕食は真里と誠が支払うこととなった。
これは真里が誠の気持ちを汲んで、そうしたと言っても良い。誠ならきっと騙しているという気持ちが強くなるだろうと思ってのことだった。
食事を終えた四人は再び水族館巡りを再開した。
萌と真里を先頭に、後から忍と誠が付いて来ているといった感じである。
「ねぇ真里、ちょっとお願いがあるだけど良いかな?」
「んーなになに?」
「ここじゃ話しにくいから、トイレに行かない?」
「うん、良いよー」
二人は誠と忍に一言断ると、お手洗いに向かった。
「はい、では何でしょうか?」
改まって萌に尋ねる真里。
「うん、実は結構深刻な悩みなんだけどさ……」
「えっ? 萌が深刻な悩みだなんて珍しいね」
「忍のことなんだけど……」
先程までの快活な雰囲気から一転、萌は深刻な表情を見せていた。
「え……どうしたの? もしかして浮気とか……?」
「ううん、そういうんじゃない。
忍はあんな感じだけど、割りと一途な方だよ」
「それなら良かった……じゃあどういった悩み?」
「言いにくいんだけどさ……」
萌はそこで忍との性生活について真里に打ち明けた。
最近誘ってもなかなか受け入れてもらえなくなり、どうにかして関係を戻したいというものだった。
「そうなんだ……大変だね……」
真里も誠とのエッチでずいぶん悩まされた方だったので、他人事とは思えなかった。ましてや親友の頼み。
自分ができることなら、なんでもしてあげたいと思った。
「うん、それで真里に協力して欲しいってわけ」
「もちろん良いけど、何をすればいいの?」
「忍の前で私のことを誘惑してくんない?」
「はぁ?」
真里は、首を傾(かし)げた。
なぜそこで萌を誘惑する流れになるのか? 意味不明であった。
「実はね、忍って姫男子なの」
「姫男子?」
「ウチラ、腐女子と双璧を成す存在のことよ。
忍は女同士がエロいことしてるのに興奮する質(たち)なの」
「へぇーーそうなんだ」
「だから、真里にエロいことして欲しいってわけ」
「はぁ?」
「要するに、忍が興奮して私とエッチしたくなるようにして欲しいの。もちろんお礼は弾むよ?
テトの声優さんのサイン入り色紙なんかどうかな?」
「マジ!? 持ってるのーー!!?」
「もっちろん。真里を餌付けするのに、こういったグッズは結構取り揃えていますぜ?」
「餌付けって……ほ、欲しいですぅ……」
「じゃあ、なるべくさりげなくお願いね。お尻触るとか、胸揉むとか、それくらいのことはしてしまって構わないから」
「ふぇっ!? そこまでするのー!?」
「あったり前じゃーん! 声優の○○さんのサイン入り色紙で、オリジナルのテトイラストも描いてあるんだよ?
ま、いらないならいいけどー?」
「します。させてください」
「ありがと、さすが私の親友。
でもマコトちゃんに悪いから、先に断っておいてね」
「う……うん。相談してみるけど、もしダメだったらごめんね……」
「それは仕方ないよ。真里の彼女だもんね?
その場合でも色紙はあげるから安心して」
「は……はは……」
そういえば萌に誤解されているんだったと、今さらながら思い出す。腑に落ちない気持ちではあったが、とりあえず誠に相談することにした。
「ただいまーマコちゃん。ちょっといい?」
真里は手洗いから戻ると、さっそく誠に相談を始めた。
萌も忍が二人に近づかないよう、なるべく遠くの水棲生物を指差し一緒に観賞するようにした。
「という訳で、萌にエロしないといけないんですけど、どう思いますか?」
「私は別に構わないよ。本当にエッチするわけじゃないしね。それに私も萌さんの気持ち、よく分かるし……」
誠は勃起不全で真里に苦労させてしまったことを思い出していた。愛してるのにエッチできないのは、とても辛いこと。
もしかすると忍も自分と同じように、できない事情があるのではと心配をしていた。
「ありがとうございます。結構過激なこともしなくちゃいけないんですけど、私が愛してるのは誠くんだけですので、それだけは忘れないでください!」
「もちろん分かってるよ。
萌さんと忍くん、上手くいくようになると良いね」
そうして真里と萌の『忍をその気にさせてエッチしよう作戦』は開始されたのであった。
※※※
「ねーえ、忍」
「ん?」
「真里のことなんだけどさーちょっと私を見る目が怪しいんだよね」
「怪しいってどういう風に?」
「なんかー誘惑するような感じっていうかー。
エロいって言うかー。私に興味持ってる感じ」
「えぇっ!? まさか……だってマコトちゃんがいるじゃん」
「ウチラが勘違いしていただけで、本当はただの友達みたいだよ? マコトちゃん、普通に男の人が好きなんだってさ」
「へーそうなんだー」
「ねぇ……もし私が真里にエロいことされちゃったらどう思う?」
「それは……」
「嫉妬しちゃう? それとも……」
萌は他の観光客にバレないよう、
忍の股間に手を添えサワサワと触った。
「嬉しかったりする……?」
「んふ……そ、そんなことあるわけ……ないだろ」
「へーそうかなー? 私に女の人とエッチさせた忍なら、興奮すると思ったんだけど?」
「それとこれとは別」
「ふーん? 股間は正直みたいだけどぉ?」
忍の股間は通常よりも少し盛り上がりを見せ始めていた。
「これはお前が触るからだろ……」
「そぉ。なら良いけど」
そう言いつつも萌の表情は少し明るい。
忍が興奮してくれて、内心は嬉しいようだ。
それから彼らは水族館の水中シアターへと移動した。
ここは四人部屋となっており、
中のシートに座り、前後上下左右のスクリーンの映像を眺めながら、深海の旅を体験できるスペースとなっていた。
前の二席に真里と萌が座り、後ろの二席に忍と誠が座る。
機械はすぐに動き始め、六面に海の映像が映し出された。
「おーすごーい。大きなイルカー」
「真里、あそこ見てみなよ。タコもいるよ」
「ホントだ。珊瑚礁も綺麗だね」
身体を密着させる二人。
忍にバレないよう、こそこそと話をする。
(真里、もう少し近づいて、大胆にお願いね)
(うん、わかった)
映像が進み、前方にサメが現れる。
それは彼らを睨み付けると、口を大きく開けて襲いかかってきた。
「ひゃあ!!」
真里が叫び、萌に抱きつく。
オーバーな演技ではあるが、怖かったのは本当だ。
萌は座席の間から、自分達の姿が、忍から見えるかどうか確認した。忍はこちらをチラ見する程度で、まだそこまで関心はないようだ。
(…………萌に抱きついたのはいいけど、ここからどうしよう?)
(ほら真里、ここからどうすんの?)
大胆にと言われたものの、どうすれば良いのか分からない。真里はとりあえず間が空いては良くないと思い、一言添えることにした。
「も、萌……私、こわい」
「大丈夫だよ……真里、ただの映像だからさ」
映像は深海へと進んでいく。
真里はその映像を楽しみながらも、とりあえず次の手を打つことにした。
「暗くなってきちゃった……萌、怖いから抱き締めて」
「真里は怖がりだなーヨシヨシ」
どうも勝手が分からない。
果たして本当にこのシチュエーションが姫男子にとって、
エロく感じるものなのか? 二人には疑問であった。
誠が横目で忍の様子を観察する。
二人が気になってはいるようであるが、
そこまで興奮するほどのものではないようだ。
忍は
レズ好きなので、
もっと生々しいものでなければならないのだろう。
映像は進み、深海の提灯(ちょうちん)アンコウが現れたり、
海底から発生した上昇水流に乗ったりもしたが、
そこから二人は抱き合うばかりで進展はなかった。
(むむむ……このままじゃまずいな……
これじゃあ何もできないまま終わっちゃうぞ)
萌は焦り、真里に目で合図を送った。
もっと大胆にヤレという合図だ。
真里をそれを受けて意を決すると、萌のお尻を撫で始めた。
「ふぁっ!♡ ちょ……真里……」
真里のしなやかな指がお尻に触れ、萌は声をあげる。
さらに真里はお尻の谷間に手を差し込み、アナルを擦った。
これにはさすがの萌も驚く。
まさかそんなところを攻めてくるとは、思ってもいなかったのだろう。
真里は誠とのセックスでアナルを責めることに慣れていた。
なおかつ同人誌でもアナルを責める描写が多かったため、それが彼女のスタンダードとなっていたのだ。
しかし萌は違う。
たしかにBL本でアナルセックスは見慣れていたが、忍とのセックスはヴァギナやバストを使うものがほとんどで、
自らのアナルに与えられる刺激に慣れていなかった。
「あっ……ふぅん♡ ちょ……真里……それはダメ…………」
萌は控えめに抗議の声を上げる。
しかし真里は、それが忍を興奮させるために言っているのだと思い気にも止めなかった。
映像の舞台は海上へと移る。
上昇水流に乗って海上に出た萌達は海賊船の上に降り立った。
海賊はちょうど海賊同士の争いを繰り広げており、四人の周りは戦う海賊だらけであった。
真里のアナル責めはなおも続く。
誠相手に鍛えたアナル責めの技術は彼女に通用したらしく、
次第に余裕の色がなくなり始めていた。
「ま……まり……それ、ホントだめぇ……♡
なんでそんなに……ふぁっ!♡」
先程までと違い、忍は二人の様子をガン見していた。
ちょうど海賊船の上だったこともあり、まるで女海賊真里に萌がレイプされているように映ったのだ。
忍の巨根は大きく膨れ上がり、その存在を誇示していた。
誠はそれを見て、思わず目を背けてしまう。
ズボン越しではあったが、あまりにも立派な一物で、
誠の女としての心を刺激してしまったのだ。
誠の小さなペニスもそれにより反応してしまい。
ショーツの中で、ピクピクと勃起してしまっていた。
(なんで私、忍くんのおちんちんを見て興奮してるのっ……!
これじゃあ変態じゃない)
これまで幾度となく、忍の巨根で愛されてきた誠の身体にとって、それは仕方がないこと。
催眠の記憶のない誠は、忍に釣られて勃起してしまった自分のペニスを情けなく思った。
「……周りに海賊がいっぱいいるよ! 助けて、萌!」
なおも下手な演技を続ける真里であったが、助けて欲しいのはむしろ萌の方であった。
真里からアナル責めを受け続けるうちに、
徐々にだが、未知の快感に気付き始めてしまったのだ。
自身のアナルを愛撫する親友の指先。
忍に凝視されているという倒錯的な快感も合わさり、萌の身体は興奮で震え始めてしまっていた。
しかし、そうするよう真里に指示をしたのは自分である。
今さら真里を強く押し退けることなどできなかった。
だがそのおかげで、忍は大いに興奮することになる。
誠が隣にいる手前、大胆なことはできなかったが、
もしいなければ、こっそりとオナニーをしていたかもしれないほどだ。
この水中シアターが終わるまでの間、
真里以外のメンバーは、全員悶々とした時間を過ごしたのであった。
※※※
シアターも終わり水族館の廊下にてーー
「……真里、あんな技一体どこで覚えたの? 絶対初めてじゃないでしょ?」
「あれは……そのぉ……誠くんに……」
「誠くん!? 真里、告白成功してたの……?」
「うん……今回はたまたま来れなかったけど……
今年の夏くらいから付き合い始めたの……」
「へぇーそうだったんだー! オメデト☆
じゃあ、マコトちゃんが彼女っていうのは?」
「だから友達ー言い間違えただけなの」
「そっか、真里が
レズになったんだと本気にしちゃったよ。どっちも同じ名前なんて、すごい偶然だね」
「うーん、うん、よく言われるかもー」
騙すのは気が引けたが、余計な誤解をさせないためにも、ここで誠の女装は明かさないことにした。
「しかしあんなテク、誠くんに使ったら性格曲がっちゃうよ? あんなのにハマったら女の子になっちゃうかもしれないから止めた方良いって。前立腺への刺激でメス化しちゃう男子、多いんだって」
(既にメス化してます……)
「まぁでもあれだけイケメンなら、女装したらすごい美人になりそうだね。だからって試したらダメだよ?
でないと、そのうち男に取られちゃうかもよ?」
(もう女装してます……)
「でも桐越先輩を好きだった真里なら、それでも良いって言い出しそうだけどね。女装してても、男に掘られてても、それでも彼女でいたいって言い出しそう。腐ってるしね」
(それでも付き合ってます……)
とても理解ある親友の言葉に、黙って相槌を打つ真里。
今の誠を見られたら、また
レズだと誤解を受けるかもしれない。なるべく大きな反応をしないよう気を付けていた。
「真里さーん、ディッピン・トッツ買ってきたよー」
そこでちょうど珍しいデザートを買った誠と忍が戻ってきた。ディッピン・トッツと言って、紙の器の中にサラサラで粒々のアイスが入ったデザートであった。
「話が脱線しちゃったけど、協力してくれてありがとね!
忍、結構興奮してたし、今夜これをネタにエッチ誘ってみる!」
「それなら良かった。頑張ってね、萌」
そうして真里は親友の健闘を祈った。
その後、ディッピン・トッツの不思議な食感に満足した四人は、誠と真里の奢りで南の島チーズフォンデュを食べに行くのであった。
※※※
夜になり部屋に戻った忍と萌は、仲良く入浴し、
ナイトウェアに着替えて窓辺の椅子に座っていた。
「ねぇねぇ忍、今日さ。
水中シアターで真里に抱きつかれたんだけど気づいてた?」
「んっ? あ、ああ……あれね……」
「あの時、真里にいろんなところ触られたんだけど、どう思う?」
「どおって……友達だったら言えば良いんじゃないかな?」
「ふーん、それだけ?」
「そ、それだけだよ……」
萌は立ち上がり、忍の膝の上に軽く腰かけると、誘惑するような目付きで話を続けた。
「忍、興奮してたでしょ?」
「…………」
「私が真里に迫られてるの見て、大きくしちゃってたんじゃない?」
忍の股間をナイトウェア越しに触る。
巨大な一物の硬さが増し、少しずつ起立し始める。
「ねーえ、私が真里に触られて感じちゃったって言ったらどう思う? 我慢できなくなって、真里にもっとして♡ってお願いするようになったら、どうする? その時、忍は私の浮気、許してくれるかなぁ?♡」
「はぁはぁ……何言ってんだよ……お前」
萌は忍のナイトウェアの隙間に手を差し込み、そのまま彼の下着に突っ込むと、完全に勃起してしまった剛直を握りしめた。
「忍ぅ……最近、相手してくれないから……私、真里に触られて感じちゃった……このままじゃ、本当に真里の誘いに乗っちゃうかも……? それでもいいのぉ?♡」
「んんっ……」
彼女は忍の下着をおろし、自らもショーツを脱ぎ捨てると、びしょびしょになった股で、起立した一物を擦った。
萌の女の液が忍の逞しい男性器に付着している。
「ほらぁ、忍がずっと放っておくから、私のここ、真里の愛撫でこんなになっちゃった……早く入れてくれないと、私、本当に
レズになっちゃうかも? 忍のおちんちんで私のことをノーマルに戻して?♡」
「はぁはぁ……萌!」
忍は我慢できなくなり、そのまま萌を抱き上げると、ベッドに優しく下ろした。萌のナイトウェアをはだけさせ、彼女の女の園に向けて、淫棒の照準を定める。
「来て、忍。私のこと、思いっきり愛して!♡」
「愛してるよ、萌。今日は思いっきり……」
トゥルルルル…………トゥルルルル…………
部屋の電話が鳴る。おそらくフロントからだ。
なんとも間の悪いタイミングである。
萌は溜め息を吐き、少し不機嫌そうな顔をしている。
雰囲気をぶち壊されたといった感じだ。
忍は立ち上がり、電話を取りに向かった。
「はい、もしもし」
通話先の声を聞き、忍の目から生気が消える。
忍は受話器をそのまま萌に向けると言った。
「…………萌…………電話」
「えぇ、私? なんだろ、取り次ぎの電話かな?」
受話器を耳に当てる。
「はい、代わりました」
「闇夜に囚われし女」
声を聞き、床に倒れ込む萌。
次の瞬間、部屋のドアが開かれ大勢の黒服達と小早川が入室した。
「この段階でも忍ちゃんのおちんちんを勃起させるだなんて、この女、なかなかやるわネ……
まーた、女に欲情しないよう調教し直さないといけなくなったワ……でもまぁ、根本であるこの女を何とかするんだから、それも必要ないかしら? とりあえずアナタ達、二人を部屋に運びなさい」
「ははっ!」
小早川は、調教部屋に二人を運ぶよう黒服達に伝えると、
悠々と部屋を後にした。