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霧の寝台

ガチ×ノンケ専門の官能小説 主なジャンル:GL BL NTR 催眠 調教 監禁 男の娘 女装

魅惑の寝取らせ Part4

 リコと出会ったのはほんの偶然だった。

大学の帰りになんとなくぼうっと歩いていただけで特に行き先もなく、三限が突然休講になってしまっていたせいで駅に向かうにはまだ陽の位置は高かった。

暇つぶしをしようにも彼女には別段な趣味もなく、また同輩の友人を呼ぼうにも彼女たちはまだ講義の真っ最中だ。

一人で街中をうろうろしていてもキャッチにしつこく付きまとわれるしウインドーショッピングなんて所帯じみたことをするつもりもない。

そしてカフェなどで一服するには彼女はまだ少し幼稚だった。

悠長に珈琲を嗜みながら悦に入っていてもきっと三十分も持ちこたえられない。

それならじっとして立っていたほうがマシだ。

仕方なく葵は人気の少ない路地裏を当てどもなくふらふらと低回していた。

電線とアスファルトだらけで散歩と呼ぶにはあまりにも虚無な景色だったけれどともすれば出不精になりがちな彼女にとってはいい運動だった。

喉が渇いていることを思い出して丁度近くにあったコンビニにでも寄ろうかと遠目に眺めながら思案していると、葵の足がぴたりと止んだ。

 リコだ。コンビニのガラス越しにリコが雑誌を漁りながら立っていた。

かなり距離があるから正確にはリコのような女性、と形容すべき確信の低さながらもなぜか葵はそうと決めつけて駆け出すように道路を跨いでそっちへと向かってしまう。

やがて葵に気付いて雑誌から視線を上げた彼女はぱあっと表情を弾けさせて本を閉じると、こちらも一目散に走り出していた。

「葵ちゃん? どうしたの? こんな時間にこんな場所って」

 コンビニの駐車場に出て来たリコは伸びをしながらまじまじと葵を見遣った。二人の取ってはこれが初めてプライベートで出会った瞬間だった。

「やっぱりリコさんだ……あ、利巧さん? 源氏名は外で使っちゃマズいですよね。北条さんって呼んだほうがいいですか?」

「いいよ、別にリコで。そっちのほうが呼ばれ慣れてるし」

 考えてみれば奇妙な関係だった。

葵とリコの二人は友人でもなければ知人という定義にすらも合致しない。

それは感情的ではなく整然とした風俗嬢と客の関係だった。だからこそ遭遇に興奮して声をかけたあとで簡単な挨拶の会話にすら詰まってしまう。

色々話したいことあるはずなのに息が詰まるように言葉が出てこない。それはリコも同じだった。なんとか息を飲んで無理矢理頭を動かす。

「あ、私……大学の授業が突然休みになっちゃって。それでここら辺ぶらぶらしてて……」

「っていうことは今、暇なの? 時間ある?」

「ああ、はい。まあ」

 余暇の有無を聞いてくるあたりそのリコの口ぶりはどこかへ一緒に出掛けようという誘いの文句のようだった。

誘う友達も居なければただ無聊を託つだけの葵にはそれは好都合だった。

連れだって店を回ったりすればリコのパーソナルな部分、風俗嬢としてではない素の部分も覗けるのではないかと密かに期待していた葵に対して、彼女は神妙な顔をしながら手を取って近づく。

ただ繋いだだけじゃない、それは指を絡める恋人握りだった。手だけじゃなくて顔すらも熱い。

「そっか……」リコは妙な表情をして微笑んでいた。

「じゃあ、ホテル行こ」

 その言葉に葵は愕然として戸惑う。

ホテルって。それはつまりそういうことだ。

あまりにも直接的過ぎて回りくどくない表現にかえって彼女は怯む。

それに今はまだ昼間だ。陽は高く、遠くでは蝉が鳴いているし人の往来もまばらにある。

それなのにどうして、結局出会ってヤることが風俗嬢として相対しているときと同じなんて。

 しかしそのままこくりと頷いてしまったのは他でもない葵自身だった。

その言葉を聞いた瞬間から淫らな想像が止まらなくて、リコのよく知っている一番手近なホテルまで歩くちょっとの距離でさえも我慢できずに期待に自然と膣が濡れてしまっていた。同性愛者ではないはずなのにやっていることは軽薄で性欲しか頭にないレズビアンそのものだ。

違う、そうじゃない。

私は島田晃が好きだしその心は不変だ。

何度も心の中で反芻しながらも到着したラブホテルのエントランスでは握った手を更に強く握り返して甘えたように腕にもたれ掛かっていた。

 喉が更に乾くほど最初からリコは激しかった。

いつものような島田に見せるための前戯ではなく、すべてが葵のための愛撫はシャワーを浴びる時間さえも与えずに立て続けに彼女を襲っていた。部屋に入ってすぐ、鍵を閉める間もなくリコは葵をドアに押し付けながらキスをして舌を絡める。

同時に片手を服の隙間に滑り込ませて下半身を触ると既にそこはぐちょぐちょに濡れてしまっていた。

リコは服を着せたまま葵にドアに手をつかせるとバックの体勢で後ろから指を動かして愛液を掻き出していく。

元々濡れやすい体質な上に、玄関口でイキやすいGスポットばかり強引に愛撫されると葵は声すら止められない。

リコの手つきは男のそれよりもより力強く粗野なのに、どうしようもなく気持ちいい部分ばかりを見透かされているようだった。

やがて腰が砕け立っていられなくなった葵は倒れ込むのもそぞろに、自らの愛液がたっぷりとついたリコの指をフェラチオして掃除をする。

もう彼女は殆ど女性への抵抗感がなくなっているどころか、段々異性へと感じるはずの価値観すらも朧気になっていく。

ベッドにたどり着くまでどれだけ長い時間まぐわっていたのか葵は覚えてなどいられなかった。ただひたすら汗をかいていて、冷房の効いていない蒸し暑い部屋の中で愛液や汗や唾液を混ぜ合いながら身体を密着し合って互いの性器を弄んでいた。

ペニスを使うセックスと女性同士のセックスは根本的に異なる。

だが意味は同じだった。

お互いに真正面に向かい合い、蹲踞のような下品な格好で股を開き陰唇を擦り合わせながら愛液に塗れ勃起した互いのクリトリスを打ち付け合っているとペニスも性別もどうでもよくなる。

その上で乳首や膣への指の挿入があるだけで、島田とヤるときよりも呆気なく果てることが出来た。とにかく、リコといる間は葵はどの神経も尖ったように強烈なのだ。

相手が女性だからこそ女性の気持ちい部分だけを執拗なほどに責めてイかせるだけならばリコは男の何倍も秀でていた。

 倫理ではそれは間違っていることだ。

葵は島田と付き合っていたし、レズではないのに昼間からラブホテルへと易々と連れ込まれて女性同士てセックスをしてしまっている。

便利で都合のいい女になってしまっているこの状況を考えるだけで葵は軽くイってしまいそうだった。友人はまだ真面目に授業をしている最中だろう。

それなのに、こんなにもよがり狂って陰核を擦り合わせながら快楽を得ようとしている自分は明日友達を顔を合わせたときには一体どんな表情をしていればいいというのだろうか。

最早葵は同性を見る目つきが変わって、物色するような視線を友人にすら向けるようになってしまっていた。

そんな些細な懺悔なんて腰を少し上下させ押し付ければ膣と陰核からせりあがる電流のような快感によって全部霧散してしまう。

今の葵とリコは間に金銭すらも介在しない都合のいいセフレの関係だった。

そんな浅はかな繋がりを自覚しながらも余計に葵はリコを求めるように陰部を擦りつけていた。

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