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霧の寝台

ガチ×ノンケ専門の官能小説 主なジャンル:GL BL NTR 催眠 調教 監禁 男の娘 女装

Part.79 【 BL同人誌の使い方◇◆ 】

寂れた町の古びたアパートの一室。

誠は全裸で仰向けになり、
膝を立てて両側に広げながらBL本を読んでいた。
脚の間にはうつ伏せになった真里がいる。

彼女は彼のペニスを真剣な眼差しで見つめながら、
勃起するその時を静かに待ち望んでいた。

そして少し離れたところには幽霊の姿。
二人の行為をなんとも引いた目で見守っていた。


(おいおい……なんか始めちゃったよ……。
彼氏にBL本読ませて勃起したちんぽを舐めるだなんて、
真里がここまでクレイジーな女だとは思わなかったよ……)


幽子は真里の提案にドン引きしていた。
真里も大概であったが、それを受けてしまうホモの彼氏にも冷ややかな目を向けていた。



アパートの周辺は車の交通量が少なく、
誠が同人誌を捲(めく)る音しか聞こえない。

その音を聞き、漫画の内容を思い浮かべる真里。

重度の腐女子である彼女には、
お気に入りの同人誌のどのページにどんな絵が描かれているか、正確に想起できる特殊能力が備わっていた。

誠が現在読んでいる8ページ目は、
ちょうどヒロインとテトがセックスしている場面である。

ヒロインが一生懸命テトの身体を慰めるのだが、気持ちよくさせることができず、心を折られてしまうシーンだ。


(まるで、私と誠くんみたい……
女の私は誠くんを勃起させることができなかったのに、
BL本は、いとも簡単に勃起させてしまった。
この漫画のヒロインは心を折られてしまったけど、
私は絶対に諦めない。
誠くんと赤ちゃんを作って幸せな家庭を築くんだ!)


そんな真里を見て、幽子は意外そうな顔をする。


(そうか、そういう理由があったんだ。
この子、やってることはおかしいけど、考えてることは真面目なんだな。彼も本気で真里のこと好きみたいだし、変な奴ら同士、気が合うのかもね)


幽霊の幽子は人の心を読むことができる。
常時聞こえている訳ではないが、
意識すれば本音を探ることは可能だ。

しかし彼女の活動範囲は上下両隣の部屋までに限られ、
真里が外にいる間に起きた出来事については把握できない。

だが、これまでの会話や心の声で、二人の関係がどんなものなのか大体把握できるようになってきていた。


(うーむ、この二人は本当に恨みにくいな……
訳分からないし、可哀そうな部分もあるし、
変なところ真剣だから、見ていて面白いしね)


男はBL同人誌を読みふけり、
女はペニスが勃起する瞬間をじっと待つ。

こんなセックスを真剣に取り組むカップルはそうはいない。

二人を別れさせるよりも、
その成り行きを見守る方が面白いと幽子は感じていた。



むくむく……むくむくむく……

そうこうしているうちに誠のペニスが勃起力を取り戻す。

彼が現在読んでいるのは12ページ目。
テトがカールに押し倒され、
性奴隷として扱ってやると宣言されたシーンだ。

壁ドンならぬ床ドン状態の二人であるが、
テトに自分を重ね合わせた誠は、カールに組伏せられていると思い、勃起してしまっていた。



ページはさらに捲られ16ページ目……

カールはテトの両手首を紐で縛りつけていた。
同じように両足首も縛ると、左右に開かせ固定した。

ヒロインには一切勃起しなかったテトのちんちんは、
カールに責められると分かっただけで勃起していた。

カールは冷笑を浮かべると、
焦らすように息を吹きかけ、テトのちんちんに指先を這わせていった。


(3……2……1……今だ!)


真里は心の中で数を数え、
誠のペニスにフッと息を吹きかけ指先を這わせた。


「あぅ!?……うぅぅ……んっ♡」


読むタイミングとほぼ同時に息を吹き掛けられ誠は驚く。

真里は、誠のこれまでのページを捲る速さから、
本を読むスピードを計測し、ちょうどカールがテトのペニスに息を吹き掛けるタイミングで、息を吹き掛けたのだ。

これにより、誠はさらに同人誌の世界に没頭しやすくなる。
ペニスに感じる指先の感触。実際は真里が触っているのだが、カールが触っているものと容易に誤認することができた。



18ページ目……

カールはテトのペニスの先端から透明な我慢汁が出てることに気づき、それを指先で掬う。
そして勃起して敏感になったテトの両乳首に練り込んだ。


現実では真里がタイミングを見計らっている。

幸運なことに誠のペニスの先端からは、
テトと同じように我慢汁が出ていた。
真里はそれを掬うと、誠の両乳首へと練り込んだ。


「はぁっ……♡ んっ……ふぅ♡ 気持ちいぃ……カール♡」


誠がカールの名を呼ぶ。
すっかりテトに成り切っているようだ。

だが、テトと違って誠にはおっぱいがある。
マンガのテト以上に、誠には大きな快感が与えられていた。


(ホント、女みたいな声で喘ぐな、この人。
おっぱいもあるみたいだし、昔ニューハーフだったのかな?)


誠の身体は、幽子が生前付き合っていた男性とは全く異なる形をしていた。

華奢な身体つきに白い肌、
女性のようなムチムチ感があり、ちんちんも小さい。
体毛もなく、おまけに小ぶりだが形の良いおっぱいまで付いている。

男なのに女という不思議な身体つきであったが、
嫌悪感を抱くことはなく、むしろ清潔で美しいとさえ思った。



20ページ目……

カールは人差し指を使い、
テトの乳輪から勃起した乳首の先端へと線を引く。

力を伴わないフェザータッチ。まるで羽毛でさわさわと撫でるように繊細な刺激を与えていく。
それだけで、テトの起立したペニスと前立腺は、ピクピクと反応してしまった。

真里も同じようにフェザータッチを始める。


「んっ……くっふ………♡」


あまりにも繊細な快感により、
誠は真里の指先から逃げるように身体を捩(よじ)らせていた。

このような繊細な触り方は、男性よりも女性の方が得意なことが多く、真里の細くてしなやかな指は、まさに適任といった感じであった。



22ページ目……

いよいよ、カールがテトのペニスを責める。
舌先で亀頭の付け根の部分を優しく上下に撫で上げながら、唾液で濡らした指をアナルに添えて愛撫する。

同時にここでカールのテトへの想いが語られることになる。

ヒロインの力を持ってしても解かれることのなかった発情の呪い。このまま永遠に呪いが解けないのであれば、いっその事二人で失踪しようかとカールは考えていた。

テトのこんな姿を自分以外に晒したくない。
テトには恨まれるかもしれないが、
そうして彼のことを一生守り続けようとカールは誓うのであった。


(誠くんは勃起不全が治りかけている。
けど、もしここでイカせることができなかったら、また元の状態に戻ってしまうかもしれない。
ようやく掴んだ射精への足掛かり、無駄にはできない。
今度こそ絶対にイカせてみせる!)


真里は初めて誠と肌を合わせた時のことを思い出していた。

急激な誠の性自認の変化。自分とのキスで嘔吐(えず)きそうになる姿は、見ていて辛いものがあった。

だが女性を受け付けない身体になりながらも、誠は自分を彼女と認めてくれた。

何度も何度もセックスを繰り返し、キスにも抱擁にもフェラチオにも慣れ、ようやくここまで来た。

夢見てきた誠との結婚生活。
二人の子供と幸せに過ごせる日々。

それは勃起した誠のおちんちんを中に挿れ、
射精してもらうことで叶う。

真里は気合を入れると、
カールと同じように亀頭の付け根部分を上下に舐め始めた。


レロレロ……ピチャッ……ピチャッ……

「んっ………んんっ♡」


反応は上々だ。
間髪入れず、指に唾液を付けてアナルを愛撫する。


「あぁぁぁっ!! いいぃっ!!!♡」

(えっ!!?)


誠の反応に真里は驚く。誠はこれまで聞いたことがないほど、激しく声を上げていた。ペニスはさらに勢いを増し、ギンギンに硬くなってる。


(誠くん……まさか、お尻が弱点なの……?)


真里はこれまで何度も誠のお尻を犯したいと思っていた。
しかしアナルセックスは一般的な性行為から大きく外れてしまうため、彼女は自分の希望を伝えられずにいた。

今回はたまたま漫画にアナルを責める描写があり、仕方なくといった流れであったが、これにより真里は誠の弱点を見つけることができたのだ。

そしてその彼女の反応であるが……

(うへへへへへへ!! マジッ!? マジッ!? マジッ!?
誠くん、お尻が弱点なの!? ウハーーーーー!!♡
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!!!!
アァーーーヤバイ!! チンコ欲しい!!
誠くんのアナルおまんこにおちんぽじゅぼじゅぼして喘がしたいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!)

…………フィーバーなのであった。


だが真里はすぐに冷静になった。

今は誠を射精させることが先決だ。
この最後になるかもしれないチャンスを無駄にはできない。

真里は改めて気持ちを引き締めることにした。



24ページ目……

ゆっくりとアナルに指を沈みこませ、
テトの前立腺を撫でながら、ペニスを口に含むカール。

舌の裏を使って、最愛の棒に愛撫を加えていく。
ペニスに負担を与えない優しい舐め方。
これによりテトはカールの本当の想いに気づくことになる。

たまたまであるが、この舐め方は、忍の糸状乳頭(しじょうにゅうとう)の周りに膜を張る方法に似ていた。
舌の裏で舐めれば、舌のザラザラ部分がペニスに負担をかけることはない。あとは技術力の問題である。


これまで真里は様々な舐め方を実践してきたが、
忍の技術に比べて、真里のそれは拙いものであった。

自分の身体でどうすると気持ち良いか感じれる忍に対して、
真里は誠の反応を見て判断するしかない。

それに真里は誠しか知らないが、
忍は何人もの男性と経験してきている。

二人の技量は、まさに月とスッポンであった。

だが忍と違い、真里と誠はお互いに愛し合っている。

同人誌の中でも、カールのテトへの愛の深さが表現されており、
そのことにかけては真里はいっさい忍に負けていなかった。



真里は改めて誠のアナルに注目する。

色素沈着していないその穴は、まるで誰かに手入れをされているかのように清潔で、女性の性器のように縦割れしていた。

普段から誠以外のアナルを見慣れている訳でもない真里が、その縦割れの形に疑問を持つことはなかった。

真里はなるべく誠の身体に負担を与えないよう、唾液を指に絡めると、アナルへの挿入を開始した。

ズブッ…………

「んっ♡」

誠のアナルは真里の指をすんなりと受け入れた。
指の第一間接、第二間接を抜け、根本まですっぽりと。
忍の巨根に慣れてしまった菊門は、どこか物足りなさを感じているようだった。


「はぁ……♡ はぅ……♡ あぅ……♡」


指を入れられたことにより、誠の吐息が熱を帯びる。
ここまでは良い調子だ。

だが油断してはならない。
真里はこれから鬼門とも言えるペニスに挑むのだ。

先ほどの萎えたペニスが思い浮かぶ。

今はギンギンに勃起しているが、少しでも舐め方を間違えれば、また元のふにゃちんに戻ってしまうかもしれない。

真里は緊張のためか、
通常よりも速いペースで呼吸をしていた。


「はぁ…………はぁ…………あむっ…………れろぉ…………」


歯が誠の性器に触れないよう注意しながら、
舌の裏筋を使って刺激していく。

幸運なことに、テトと違って誠のペニスは小さく
真里の小さな舌でも十分包み込めるほどの大きさだった。

真里は目を閉じて、
前立腺の位置をイメージすると、肉壁を指先で撫で始めた。


「あぁ……そこぉ……♡ 気持ち……良いところ……♡」


誠の身体にメスの快感が生じ始める。

宙に浮かぶようなふんわりとした感覚。
前立腺から生み出された快感により、誠は背中を反らせて身悶えした。


(あ……なに……これ……なんだかお尻の奥が……
触れられているところが冷たい……)


実際に前立腺付近の温度が下がっているわけではない。
ツーンとした刺激が前立腺を中心に広がり、
それが心地よさに変わっているのだ。

これはメスイキの前兆。
前立腺を犯されることによって起きる男の娘特有の生理現象であった。

ペニスの先端からは、多くの愛液が生み出され、真里の口内を満たし始めている。

摩擦力が減った真里の舌は、
効果的に亀頭を刺激できるようになっていた。

前立腺のツーンとした冷たい感覚が、亀頭からも発生し始める。


(あぁっ…はぁ♡ 気持ちいぃ……お尻もおちんちんも……ひんやりして……なんかどこかに飛んでいきそうな感じ……)


ビクビク……ビクビクビク………
真里の口内で、誠のペニスがかつてない反応を始める。


(この反応って、もしかして……!!)


真里の心臓の鼓動が大きくなる。
彼女は焦る気持ちを抑え、冷静にフェラチオを継続した。

速過ぎず、遅過ぎず、強過ぎず、弱過ぎず

誠のペニスを確実に絶頂に導くためには、
今のペースを続けることだ。

調子に乗って速度を上げたり、舐める力を強めるのは、
天国への階段を登り続ける誠を阻害することになる。

階段を踏み外し、落ちてしまわぬよう、
真里は着実に快感を与え続けることにした。


チュプ……レロ……レロ……レロ……レロ……レロ……レロ……

「はぁぁあんっ♡ はぁっすごいっ♡ イキそう……♡」


ゆっくりと……実にゆっくりと……誠は絶頂の階段を登っていく。

鮫島が与えるような激しく爆発するような快感ではなく、
じわじわとじわじわと蓄積されていくタイプの快感だ。


「ふっ……ふっ……ふぅぅんんっ♡ もうダメ……もうダメぇ♡」


アナルの伸縮が始まり、真里の指をきつく締めあげる。
これぞ、絶頂寸前のアナルの動きだ……。


(イッて、誠くん……私の舌と指で……射精して………)


真里は祈った。

教会の十字架の前で、修道女が神に祈るように、
跪(ひざまつ)きペニスを口に含み、
入念にフェラチオをしながら祈り続けた。


(愛してます、誠くん。この世の誰もよりも………
だから全身全霊の愛を込めて、あなたにフェラチオをします。
私の舌で、イってください……)


教会のシャンデリアが眩(まばゆ)い光を放つ。
祈る真里の身体を光明が優しく包み込み、
愛の女神アフロディーテの祝福を与える。


「んんっ! んんんっ!!
イクっ♡ イクっ♡ あっ、あっ……!♡
イっちゃう……イっちゃう♡ イっちゃう!!
イ……………ちゃぅぅぅぅぅぅぅっっっ!!♡♡♡」


ビク………………ビクビクっ!!
ビクビクビクビクビクビクビクビクビクビクビク!!!!


誠の身体が大きく跳ね、激しく痙攣する。
それと同時に………………


びゅうっ! びゅっ!! びゅっ!!


口に、誠の精子が噴き出される。
真里は大きく目を見開いた。


(やったっ!! 出たっ!!!)


「あぁっ♡ あぁぁっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」


余程、強く絶頂してしまったのか、
誠は痙攣し嬌声を上げていた。


(誠くん、こんなに激しく……私の口でイッてくれたんだ……)


真里はペニスから口を離し、アナルから指を引き抜くと、
身体を起こして、誠にキスをした。


ちゅ……♡


その後、真里は何も言わず、彼の息が落ち着くのを待った。

口には、まだ精液が残っている。
精液は苦いものとネットに書いてあったが、
誠のそれは無味無臭であった。

飲むか、一旦吐いて膣に入れるか、どちらにするか迷ったが、
子宮に入れるには処女膜を破らなければならないということを思い出し、飲み込むことを決めた。


ゴクン………

誠の精液が喉を通る。
サラサラとした液体で、特に飲みにくいとは感じなかった。

喉から先の感覚は分からなかったが、誠の精液がお腹の中にあると考えると、幸せで身体が温かくなる気がした。



※※※



「誠くん、ついにイクことができましたね」

「う……うん……♡」


真里の言葉に誠は恥ずかしそうに頷く。
その反応は控えめで可愛いらしいものであった。


「さっきの同人誌、気に入って貰えましたか?」

「うん……♡ 真里さんが漫画と同じタイミングで触って来るからびっくりしちゃった」

「ふふふ……私のお気に入りの本ですから、当然ですよ♡」


カルテト本は26ページまで読み終えていたが、
実はここまでで全体の半分ほどである。

この後、カールとテトはお互いの性器を舐め合ったり、カールのものをテトのお尻に差し込むシーンになるのだが、真里には挿れるものがないので、実際に対応できるのはここまでと言える。


「でも、私だけ気持ち良くしてもらって悪いから、真里さんにも」

「ううん、誠くんの気持ちは嬉しいですけど、また元に戻ると困るので、しばらくは私に攻めをやらせてください」

「えっ、でも……」

「せっかく上手くイケたんです。
今は自分が気持ちよくなることだけを考えてください。
誠くんが私を攻めるのは、安定して勃起できるようになってからでお願いします。そしてその時は……中に挿れてくださいね♡」


本当は真里も誠に攻めて欲しかった。
撫でられたり舐められたり突っ込んでもらいたかった。

だがいつ誠が勃起不全に戻るか分からず、
そんな不安な状態で攻めてもらう気にはなれなかった。

どっちにしても不安な状態では気持ち良くなれない。
まずは今回と同じシチュエーションで何度もエッチして、完全に勃起と射精に慣らしてから攻めてもらおう。

それが真里の考えであった。

二人はそれから次はどの同人誌でするかなど、簡単におしゃべりしてから眠りについた。

これ以降、真里と誠はBL同人誌を使ってセックスを繰り返すことになる。

誠は同人誌無しで勃起をすることは難しかったが、
ようやく安定して勃起と射精ができるようになり、
あとは膣内での射精を果たすのみとなったのであった。



※※※



(ホント、面白い二人だな、どっちも変態だけど。
私もこういう人達と出会えてたら、自殺しなかったかもな。
とりあえず邪魔するのはやめとくか、なんか気の毒だし)


真里の部屋の地縛霊。桑原幽子。
嫉妬に狂う怨霊であった彼女は、大分落ち着きを取り戻そうとしていた。

しかし自分を裏切った男性への恨みは消えず、
彼女が成仏を迎えるのは、まだまだ先の話となるのであった。
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