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霧の寝台

ガチ×ノンケ専門の官能小説 主なジャンル:GL BL NTR 催眠 調教 監禁 男の娘 女装

Part.75 【 北風と太陽◆ 】

何者かの声がする。

不快な響き。悪しき感情。
何かが警鐘を鳴らす。

望まぬ色に染められるような気がして、
誠は目を覚ました。


「…………」


見慣れぬ部屋の光景が映る。
水槽の壁、シャンデリア、150インチ以上はある超大型テレビなど
備え付けられている家具はどれを見ても高級品ばかりだ。

誠は貴族が使うような豪華なベッドの上に寝かせられていた。

ベッドの横には、椅子に座った女性がいる。
派手な身なりをしたその女性は、椅子の手すりに肘を掛け、脚を組んで白けた様子で誠を見ていた。


「やっぱり起きちゃったワ……あの女の記憶を変えるには、まだまだ時間が必要ネ」

「……あなたは? ここはどこなんですか?」

「あらまぁ♡ 素でそんな女らしい話し方になってたの?
そっちはなかなかの調子のようネ♡」


誠の質問に女は答えない。
初対面にも関わらず、彼女は顔馴染みのように振る舞っていた。


(この人、誰だろう……? 全然記憶にないけど、知ってる人かな? それに女の子らしくなったって……何のこと?)


誠の話し方は女性として過ごしていた頃の状態に戻っていたが、催眠の自覚のない彼はそのことに気づいていなかった。

辺りを見回すと、黒いスーツの男達が入口を塞ぐようにして立っていた。
誠はこのよく分からない状況に不安を抱き始めていた。


「そんなに緊張しないで、誠ちゃん♡
今日は、アナタにお友達を紹介しようと思って呼んだの♡
とぉーっても綺麗で、魅力的な子ヨ♡ 誠ちゃんもきっと気に入ると思うワ♡ あの女以上にネ……」


女はそう言うと、入り口の扉を指し示した。
誠が注目したのを確認して、黒服が扉を開ける。

扉の先には、顔を俯かせた美しい女がいた。

女性にしては彫りが深く、
三つ編みのロングヘアを肩から垂らしている。

歳は誠と同じくらいだろうか?

肩出しのブラウスを身に着けており、
すらっとした首筋、肩のラインは実に扇情的であった。

腰には、サラサラとした黒いスカートを履き、
まるで舞踏会に参加するような服装である。

海外映画の世界から飛び出してきたかのような少女は、
少し苦しげな表情を見せながらも、ゆっくりと部屋の中へ入ってきた。


「誠ちゃん、紹介するわネ。この子は忍ちゃんって言うの。誠ちゃんより一つ年下の男の子ヨ♡」

「っ! 男……!?」


驚き後退(あとずさ)る誠。
忍は誠をチラ見すると、顔を赤らめながらスカートを捲り上げた。


「!!!」


綺麗な顔には不釣り合いな突起物。
そこにはギンギンに勃起した巨大な男性器があった。



※※※



誠は目を見開き忍の男性器を見つめている。

下着は履いておらず、剥き出しのまま晒されていた。

誠のペニスとは比較にならないほど立派なそれは、
脈打ちギンギンに震えており、白桃のような綺麗な色をしていた。

それを見て誠の胸が高鳴り始める。


(うっ……な、なんで?)


急な身体の反応に戸惑う誠。

アナルの周りの肉がキュウキュウと伸縮を繰り返し、
前立腺もピクピクとうねり始めていた。

彼はその身体の変化を誤魔化すように声をあげる。


「なんで、私にこんなものを見せるんですか……」

「なんでって、今から彼と恋人同士になってもらうためヨ。アタシのお店で働くには、乙女の心を理解しないといけないの。誠ちゃんも立派なニューハーフになるために、男の人と付き合う経験をしないといけないワ。

そのために最高の彼氏を用意してあげたってワケ♡
今は誠ちゃんが慣れるために女の子の格好をしてもらっているけど、彼、男に戻ったらすごくカッコイイのヨ?

誠ちゃんもきっと、見ているだけで胸がキュンキュンするようになって、彼のことが頭から離れなくなると思うワ♡」


誠の気持ちを無視した勝手な言い分。

この人は一体何を言っているのだろうか?

お店で働くとか、ニューハーフになるとか、
まったく意味が分からなかった。

誠は毅然とした態度で返した。


「お断りします。そもそも私にはお付き合いしている女性がいます。ニューハーフになる気もありません。勝手なことを言わないで下さい」

「あら、ソーウ? アタシの勘違いだったのかしら?
あなた、女の子みたいな綺麗な顔してるから、てっきりアタシ達の仲間かと思ったワ。ごめんなさいネー! オーーホホホホホホホホッ」


この見た目からそっちの人と思われていたようだ。
このような形で連れてこられたのには腹が立ったが、誠は女性の素直な返事に安心した。


「でも、すぐに解放するわけにはいかないワネ。
あなたが本当に男に興味がないと分かったら解放してあげるワ」

「!?」

「うふふ……驚いた顔しちゃって……
うぶな子の中には、本当の自分に気づかない可哀想な子もいるのよネ。本当の自分を知ればもっと幸せになれるのに…………

アタシはそういった可哀想な子達を救済する活動をしてるの。

初めは多少強引でも、目覚めた子達はみんなアタシに感謝するようになるの。こんなに素敵な世界があるなんて知らなかった、教えてくれてありがとうってネ。

あなたが本当に男に興味がないんだったら、すぐに解放してあげるワ。
でも少しでも興味があると分かったら、さっき言った通りニューハーフとして働いてもらうわヨ?」

「一体なんの権限があって、そんなこと言うんですか」

「権限? あるに決まってるでしょ?
あなたは今、アタシ達に拉致されてるのよ。
解放するかどうかはアタシの気分次第なワケ。
まだ解放される見込みがあるだけ良いと思わない?
嫌なら、ずっとここにいても良いのヨ?
アタシはそれでも構わないけど♡」

「どうやって……確かめるつもりですか……?」

「そうネー。今から一時間。そこにいる忍ちゃんとエッチして、最後まで勃起しないでいられたら、男に興味がないと認めてあげるワ」

「そんな……エッチだなんて……嫌です」

「どうするかはアナタ次第ヨ?

エッチして解放される道を進むか、
エッチしないで他の男達にアンアン言わされるか、好きな方を選びなさい。

あら…………どっちにしてもエッチすることになるわネ♡」


実質選択肢はあってないようなものだ。
誠は仕方なく、前者を選んだ。

自分は拉致されている立場。
何をされても仕方ない。

一時間だけ耐えれば良いのであれば、まだマシな方だ。

それに誠には自信があった。
例えどんなに感じさせられても、決して勃起しないと。

恋人の真里に刺激されても、一度も勃起しなかったのだ。
ましてや、今回は好きでもない男性が相手。

誠の勃起不全が、今、逆に役立とうとしていた。


※※※


「じゃあ始めて頂戴。忍ちゃん任せたわヨ♡」

「……はい」


忍は小さな声で力なく返事をする。
伏し目がちに床を見つめ、気の進まない様子で身体を動かす。

誠はそんな忍の様子を疑問に思った。


(なんだろう……この忍って子、あまり乗り気じゃないみたい)


忍が誠の視線に気が付く。
彼は悲し気な目をこちらに向けていた。
それを見て、誠は理解する。


(そっか、この人、無理やりやらされてるんだ……)


忍以外の男性は、全員黒い服を着ている。
どの人も人相が悪く、小早川に協力的だ。
誠は忍も彼らの仲間だと思っていたのだが、彼の態度を見て同じ被害者だと理解した。


「さぁー手始めに忍ちゃん、キスしてあげなさい」

「わかりました」


忍はなるべく感情を込めずに返事をすると、ベッドに上がり誠の真正面に座った。
彼との距離が縮まり、よりいっそう身体を強張らせる誠。

これから好きでもない人とキスをしなければならない。

彼は神妙な面持ちで、忍が近づいてくるのを待っていた。
同時に真里に対して申し訳ないという気持ちが沸いた。

目を閉じて彼を待つ。
だが、いざ唇が触れようとした瞬間。


「ごめんね……こんなことして」


声が聞こえた。
目を開けると、目と鼻の先に忍の顔があった。

彼は精一杯、謝罪の意を込めてこちらを見ていた。

すぐにでもキスをしなければ、どんな叱咤が飛ぶか分からないこの状況で、忍は敢えて一旦止まり、意思を伝えてくれたのだ。


「いいよ……仕方ない……」


誠は許すように返事をした。

この忍という男性は良い人だ。
自分が危険に晒されるかもしれないのに、こちらを気遣ってくれた。

ひどい状況ではあったが、他の人から責められるのに比べたら、ずっとマシだと思った。

忍の目が閉じられる。
今度こそ本当にキスをすると合図を送っているのだ。

フワッと彼の服から香水の匂いがした。
優しい花の香り、女性物の香水の匂いだ。

男だと言われても、女性と認識してしまうほど綺麗なハーフ顔。
ゴシックな服を着ていることもあり、フランス人形のような可愛らしさもあった。

忍の気遣いのおかげで、誠の恐怖心は大きく減っていた。

誠は身体の力を抜くと、目を閉じた。


………………チュ。


ピトっと唇が触れ合う。
真里と比べると少しだけ硬い唇。
調教の記憶を消されている誠にとっては、これが初めての同性とのキスである。

恋人の真里の手前、気持ちが良いとまでは言えなかったが、
何度も繰り返し慣れさせた彼女とのキスと違って、忍とのキスは、なんとも自然な感じがした。

なおも触れあう男性の唇の感触。
吐き気を催すような気持ち悪さもなかった。


「はーい、もう良いわヨ」


小早川の合図で忍が離れる。
小早川はニヤニヤと笑みを浮かべながら誠に尋ねた。


「どーお? 誠ちゃん♡ 忍ちゃんとのキス、気持ちよかったでしょ?」


返事はできない。
これが他の男性なら、はっきりと否定できるのだが、自分の言葉に忍が罪悪感を感じるかもしれないため、黙っていることにした。


「あーら、てっきり否定するのかと思ったけど意外ネ。誠ちゃん、やっぱりアナタ、ホモなのヨ♡
男の子同士でキスしても平気なホモ
良かったわネー忍ちゃん、彼、あなたとのキス、気持ち良かったそうヨ♡」


小早川の言葉に忍は反応しない。
否定すれば厳しい命令を下され、肯定すれば調子に乗ると分かっているからだ。
彼のこの感情を表に出さない態度は、小早川の調教を耐えぬいてきた経験の知恵であった。


「もぉー相変わらずつまんないわネ。まぁいいワ。
じゃあ次はディープキスをしてあげなさい。
熱愛中のカップルのように舌を絡ませあって、うんと激しいのを頼んだわヨ♡」

「……わかりました」


再び忍が近づいてくる。

今度はディープキス。
誠は身構え、それを待った。

忍の手が顎に添えられ、唇と唇がしっかりとくっつく。
熱を持った肉の塊が隙間から入ってきて、自身の舌に絡み付いてくる。


(んんっ……)


その舌の動作に思わず胸が踊ってしまった。

忍の手を煩わせないよう、なるべく抵抗しないようにしていたのだが、なんともあたたかくも親密な気持ちになるディープキスであった。

無理やりさせられているという気持ちを忘れてしまいそうになるほど、優しく穏やかなキス。

これも忍が本当に良い人だからこそ、できるキスなのだろう。

誠は無意識のうちに、彼の舌の動きに合わせて舌を動かしてしまっていた。


チュウ…………ピチャ……ピチャッ……チュ…………

キスが長引くにつれ、
誠の身体はだんだんと熱を帯びてゆく。


(どうしよう……頭がボーっとしてきちゃった……)


誠の目がトロンとしている。
忍とのキスで感じているのだ。


(この人、すごく上手い……)


実に慣れた動きだった。

忍はちょっとした誠の反応を見て、
感じるポイントを探し当てていた。

弱点を攻めるのは不本意であったが、
手を抜けば、小早川にすぐにバレてしまう。
そうなれば、より厳しい命令が下されることを忍は分かっていた。


これまでも忍は小早川の命令で責め役をこなしてきた。

初めは調教済みでホモを自認しているニューハーフを相手にした。

元々は彼女がいたであろう美形のニューハーフ達は、女に興味があったことなどすっかり忘れ、忍との交わりを心から楽しんでいた。

毎日女性ホルモンを服用し、後戻り出来なくなった身体で、忍を誘惑し、ペニスに舌を這わせ、娼婦のような表情でしゃぶりついてきた。

その刺激に耐えきれず勃起してしまうと、熟して男を受け入れる穴へと変わってしまったアナルで、ゴシゴシと竿をしごかれ射精させられてしまった。

彼女達は忍の一物を取り合うように、交代でお尻の穴に入れ、チュウチュウと精液を吸い付いていったのであった。

これにより、忍の男根は男のアナルの味をしっかりと覚え込まされてしまったのである。


しばらくすると、今度はホモの道に進むのを躊躇(ためら)っている子達を紹介された。

女の服を着せられ、化粧を施された彼らは、
ひどく怯え、新しい自分へと変えられてしまう恐怖に、必死で諍(あら)がい続けていた。

小早川は、そんな彼らを犯すよう忍に命じた。

男のアナルの味を知り、そそり立つ忍の淫棒。

いくら静めようと思っても、差し出されたお尻に反応してしまって収まらなかった。

まるで思春期の男の子が初めて女性の裸を前にして悦び勇んでしまうかのような興奮の仕方である。

迷いに迷ったが、結局彼は命令に従い、彼らを犯した。
決して欲望に動かされたわけではない。

犯さなければならなかったのだ。

忍には愛する恋人がいた。

気は強いが、さっぱりとした性格で、
心から分かり合える大切な人だった。

デート中に拉致され、共に催眠を掛けられた彼女。
どこかに監禁されてるわけではなかったが、
いつでも拉致できる状態にされていた。

もし命令に従わなければ、彼女に危害が及んでしまう。

忍は心を無にすると、
怯える彼らがなるべく苦しまないよう、
優しく責め立て、完全なホモセクシャルへと変えてしまったのだ。



※※※



(ふっふっふ…………良い感じ♡
押してダメなら、引いてみろって言うけど、ホントそうネ)


熱いキスを重ねる二人を、小早川は微笑み見守っていた。

彼は忍が調教相手を気遣うのを敢えて黙認していた。

忍は誠と同じく優しい性格である。
正義感が強い性格と言っても良い。

窃盗を見かければ捕まえ、財布が落ちていれば、そのままの状態で交番に届ける。

列車のホームに落ちた老人を危機一髪助けたこともあったし、川で溺れた子供を救助したこともあった。

彼はその容姿同様、性格もイケメンだったのだ。


そんな彼が小早川に捕まり、
ホモの調教師役として、無理やり働かされている。

怯える子をなるべく苦しまないよう優しく責める。

実に忍らしいやり方だが、
それにより、自発的に相手をホモの道に歩ませていたことを忍は知らなかった。

小早川、鮫島の恐怖の調教で心が弱っていた彼らにとって、忍の調教は実に安らぐものであった。

女性よりも美しい女装姿の彼。

忍に調教を受けた者達は、彼と交わることにより、ホモへの嫌悪感と調教への恐怖が和(やわ)らぎ、最後には元カノよりも彼を愛するようになっていたのだ。

調教後の彼らを見て、小早川はその有用性を認識していた。


(忍ちゃんが完全に堕ちれば、その力を思う存分発揮できるようになるんだけど……ま、今は好きにやらせておくしかないわネ)


「はい、良いわヨー。忍ちゃん、一旦離れて」

「チュ…………わかりました」


小早川の指示に従い、離れる忍。

キスの影響で誠はすっかり上気している。
身体はすっかり弛緩し、熱い息を吐いていた。


「ぁ…………はぁ♡ はぁ……はぁ……はぁ……♡」


全身がキスの余韻に浸る。こんな状況にも関わらず、誠の心は多幸感で満たされていた。


「あらあら、忍ちゃんとのキス、ずいぶん良かったようネ? 彼女とのキスより感じちゃったんじゃない?♡」

「はぁはぁ……♡ そんなこと……ありません……♡」


甘い息を吐きながらも否定する。
しかしその様子を見れば、感じていることは誰の目から見ても明らかだった。


「ふーん、そうなの。まぁいいわ。
じゃあ、そろそろ検査させてもらおうかしら?
忍ちゃん、誠ちゃんの下を脱がせて、おちんちんが勃ってないか確認しなさい」

「…………はい」


忍は、未だ荒く息を吐く誠を寝かせると、彼の腰のベルトを外し、ボトムを脱がせた。
誠の履いているボクサーパンツが目に入る。


「………?」


そこで忍はあることに気づいた。
パンツの大事なところにあるべき窪みがないのだ。

ボクサーパンツはトランクスと違い、ぴったりと肌に密着するタイプのパンツだ。

男であれば、必ずと言って良いほど盛り上がる部分、誠にはそれがなかった。

忍は脱がせてみれば分かると思い、パンツを腰から引き抜いた。


「…………小さい」

「ぷっ! ふふふふ……誠ちゃんのおちんちん可愛いでしょ?
良かったわネ、忍ちゃん。久しぶりに女の子のクリトリスを舐めれるわヨ♡」

「………」


小早川の言葉に忍は動じない。
ただ誠の小さなものを見つめるだけだ。


「それにしても、やっぱり勃起してないようネ。
前にあれだけ責めても勃たなかったんだから仕方ないけど……ほら、あなた達、さっさと次の準備をしなさい」

「ははっ!」


黒服達が誠の上着を脱がせにかかる。
彼らは誠の服を皺(しわ)にならないよう畳むと、
大切に檜(ひのき)の箱の中へと入れた。


「さぁ、忍ちゃん、始めなさい」

「………はい」


誠のペニスに両手を添える。

人差し指と親指を使って皮を剥くと、
自らの舌を大きく出し、誠のペニスを乗せた。

そして滑らすように根本まで舌を進め、
口全体を使って包み込んだ。


「んんっ!?」


意外な感触に誠は驚く。
忍の舐め方は、真里とまったく異なる舐め方だったからだ。

真里は吸ったり舐めたりを繰り返し、
舌先で丹念に掃除するように舐めるのだが、

忍はあらかじめ唾液を舌の上に溜めておき、
船が湖面に浮かぶように、誠のペニスを浮かせ、直接舌に触れないよう、唾液で愛撫した。

人間の舌には、糸状乳頭(しじょうにゅうとう)と呼ばれるザラザラした部分がある。

剥き出しになったペニスは敏感に出来ており、
ここに触れることにより、刺激が強すぎて逆に快感を引かせてしまう恐れがあった。

忍は粘着性の高い唾液を間に挟むことによって、糸状乳頭(しじょうにゅうとう)のザラザラの部分に膜を張り、柔らかな愛撫ができるようにしたのだ。


(うぅ何これ……すごく柔らかい……真里さんの舐め方と……全然違う……)


感じたことのない未知の快感。
誠のペニスは忍のフェラチオに不思議な心地よさを感じてしまっていた。

だが、忍のフェラチオはこれだけでは終わらなかった。


すぅーーすぅーーー


忍は、誠のペニスと唇の間に隙間を作り、
新しい空気を送り込み始めていた。

涼しい風が口内に入り込み、中の温度を冷ましていく。


ちゅぷ……ちゅぷ……

「ふぅうん……あぁっ!!」


とても快適だった。

誠のペニスは、ズボンの中に籠った熱で熱くなっていた。

それを忍が冷たい空気を送り込むことによって適温に変え、快適さを与えていたのだ。

忍が意識した温度は33℃。
体温より少し低い温度であるが、これは陰嚢にとって最適な温度であり、精子が活発に動く温度でもあった。

この温度調整と、糸状乳頭(しじょうにゅうとう)への膜のおかげで、誠はこれまで感じたことのない柔らかな快感を感じることができていたのだ。


(ふぁぁあん……気持ちよくて……あぁん♡ 心が溶かされちゃうみたい……)


安らかな表情を浮かべる誠に、
小早川は満足げな笑みを浮かべていた。


(ふふふ、さすがアタシが仕込んだだけあるワ。
誠ちゃんのあの反応を見る限り、完全に舐め方をマスターしたようネ)


ヴィジュアルに問題のある小早川と違って、忍は女装すれば絶世の美女へと変わる。

そんな美女から、このような舐め方をされれば、どんな男でもイチコロだ。

こういう飲み込みの早いところも、
忍によるホモ覚醒の犠牲者が増えた原因の一つであった。


ちゅぱちゅぱ………レロレロ………

「んんっ!!」


追い打ちをかけるように、忍は更なる愛撫を開始する。
今度は舌に乗せたペニスを、揺り籠のように優しく揺らし始めた。


「あぁっ! ダメぇっ! ダメぇぇ!!」


誠が高い声で悲鳴をあげる。
あまりに気持ち良すぎて、怖くなってしまったようだ。

こんなに気持ち良くなってしまったら、この快感が忘れられなくなってしまう。
いつまでもいつまでも忍の口の中に収まっていたいと思ってしまう。

そしてこの快感が行き着く先は……もちろん誠の前立腺だ。

ペニスに与えられた快感は、
その裏側を通り、奥にある前立腺を刺激する。

優しい愛撫により作り上げられた刺激は、
前立腺にメスの快感を目覚めさせていた。


「はぁっ!♡ こんなの……っ♡ ダメぇっ!♡ イッちゃう! イッちゃうぅぅぅぅぅぅぅ!!♡」


ビクビクビクビクビクッッッッッッ!!!

前立腺がビクビクと激しくうねる。
誠は忍のフォラチオを受けてイッてしまったようだ。

力なく横たわる誠を見て小早川は言う。


「どう、忍ちゃん。誠ちゃんは勃起したかしら?」


ペニスから口を離すと、
忍は振り返り首を横に振った。


「ふーむ……これでもダメなのネ。
とりあえず誠ちゃんのペニスを吸いなさい」

「はい」


再び誠のペニスを口に加え、吸い込む。


ぢゅううぅぅ……

「あぁんっ!♡」

誠が可愛らしい悲鳴をあげる。


「飲んじゃダメよ? 口の中を見せなさい」


忍が小早川の方を向き口を開く、
そこには透明な粘液がわずかに残っているだけだった。


「うーん……前はよく見ていなかったけど、
ホント少ないわネ。しかも無色透明じゃない。
この子、無精子症なのかしら? 味はどう?」

「すごく薄いです」

「今までの子と比べてどうかしら?」

「ダントツで一番薄くて、量も少ないです」

「あっそう。
でもまぁ、これはこれで可愛いからいいワ。
あとは勃起さえできれば完璧なんだけど……
とりあえず時間勿体ないから、次、行くわヨ」


小早川が手を叩き、合図を送る。

すぐさま黒服達が、粘着性の高いローションを持ち、忍のペニスに塗り込み始めた。


「シリンジも用意して、誠ちゃんのお尻に突き刺しなさい」

「ははっ!」


別の黒服が奥から注射器の形をしたシリンジと呼ばれる器具を持ってくる。


「忍ちゃん、誠ちゃんのお尻を持ち上げて」

「……はい」


忍は仰向けになった誠の腰に枕を差し込むと、誠の太ももを両側に広げ、お尻を開かせた。


「はぁはぁ……な、なにするの……ヤダ……怖い」


巨大なシリンジを見て、誠の顔が恐怖に歪む。
忍はそんな誠を憐れむような目で見ていた。


「はい、ではお注射開始~♡」


楽しそうに小早川が言う。
黒服は手に持ったシリンジの先端を誠のアナルに差し込むと、ゆっくりと押し子を押した。



「やだっ!そんなの入れな……」

ジュウウウウウウウウウゥゥゥゥ!

「あぅぅぅっ!!あああぁぁぁ!!」


シリンジの中の液体が誠のアナルに注入される。


「うううぅぅぅ!!」


苦しそうな顔で、ローションを受け入れる誠。
忍は彼を再び四つん這いの姿勢にさせると次の指示を待った。


小早川がチョイスしたローション。
実はこれは小早川が所有する製薬会社、小早川製薬によって秘密裏に開発されたローションであった。

このローションには、幸せを司る物質セロトニンによく似た働きを持つ5つの成分が配合されており、快楽物質ドーパミンを大きく分泌させる効果があった。

だがこれは実験段階に置いて、多くの男を廃人に導くほど危険な代物であり、
これでも調整を加えた方であったが、それでも並みの男性の理性を狂わせてしまうほどの媚薬であった。


「中毒者にしたら、売り物にならなくなるから、このローションを使うのは今回だけヨ。
だから今回でキッチリ勃起させなさい。わかったわネ? 忍ちゃん」

「……わかりました」


忍は心の中で誠に謝罪すると、勃起した巨根を近づけていった。



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