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霧の寝台

ガチ×ノンケ専門の官能小説 主なジャンル:GL BL NTR 催眠 調教 監禁 男の娘 女装

Part.74 【 鈴乃屋 忍◆ 】

古宿(ふるじゅく)区歌舞伎町。
この国で初めてゲイバーが出来た街であり、
ニューハーフビジネスで栄える街でもある。

同性愛者の聖地とも言えるこの場所に、
小早川が経営するニューハーフバーが存在した。

その店の一角、
怪しい雰囲気を持つこの部屋に、複数の男性の姿があった。

格式高いベッドの上には、
四つん這いになり、一物を受け入れる全裸の青年と、
突き入れる鮫島の姿があり、
さらに奥には、ソファーに座り美酒を愉しむ小早川と、
青年が逃亡しないよう入口を塞ぐ黒服達の姿があった。


「うぐ…………あぁ!」

「オラオラ! もっと喘げよ! 声が小せぇーぞ?」


苦渋の表情を浮かべ一物の振動に耐える青年。

中性的であるが、彫りの深い顔立ちをしており、
まるで映画の世界から飛び出てきたかのようなハーフ系の美男子だ。

年齢は真里と同年、身長は誠よりも高く、どこか大人びた雰囲気である。

彼の名は鈴野屋(すずのや) 忍(しのぶ)という。

半年前に、彼女と拉致され、
小早川の催眠の支配下に置かれた被害者だ。


「ずいぶん具合が良くなったもんだ。ここまで開発できれば十分だな」


忍を堀りながら鮫島が言う。


「そうネ、でもここからが本番ヨ。
躰を堕としても、心を堕とさないことには、お客様の前に出せないワ。自ら望むようになるまで掘り続けて頂戴」


小早川の言う通り、忍は感じてはいたものの、
その瞳の奥には、まだまだ抵抗の意志が残っていた。

普通、半年もの間、彼らの調教を受け続けたのなら、
身も心も堕とされているものである。

忍のように抵抗を続けていられる者は、ほとんどいなかった。


「まったく……忍ちゃんには手を焼かせられるわネ。
催眠は効きにくいし、感じにくいし、強情だし、
それに加えて、このクソ女がセットになってるんだから、ホント参っちゃうワ」


テーブルの上の資料を手に取る小早川。

そこには、忍の住所・携帯番号・家族構成などの個人情報が記されてあり、一際重要度の高い項目として、
忍の彼女の写真が載せられていた。


(この女さえいなければ、もっと簡単に堕とせたのに……
忌々しいアバズレめ……いずれ誠ちゃんの女共々、地獄に送ってやるワ)


不快な表情で写真を睨み付ける。

彼は気分を切り替え深呼吸を行うと、
調教中の忍、もとい忍の男性器に注目した。


「うっ……くっ……あぁっ!!」

「オラ、早く素直になれよ。オメーのデカチンのようにな。まったく女にくれてやるには、勿体ねーくれーだ」


そう言い鮫島は忍のペニスを握る。

男の熱い体温を感じ取り、
一段と膨張したそれは鮫島以上の巨根であった。


「ホント、何度見ても素晴らしい竿ネ♡
思わずしゃぶりつきたくなるような大きさと形状。
色素沈着せず真っ白なのも良いところネ♡」


小早川は、うっとりとした表情で忍のペニスを見つめている。

誠の小さくて可愛らしいペニスも、
忍の大きくて真っ白なペニスも、彼のお気に入りであった。

彼は興奮してきたのか、
ベッドに上って、忍のペニスの先を指先で撫で始めた。


「もぉーあんな女のことなんかさっさと忘れて、早くこっちの世界に来なさいヨー。
女なんかじゃ味わえないような気持ち良さをいっぱい味わせてあげるわヨ?」

「そんなもの……いらない」

「ホント、強情ネー。
でも、こうして嫌がっているのも、ある意味貴重よネ。
完全に堕としたら、嫌がる忍ちゃんとできないもの♡
時間はいくらでもあるから、じっくりと堕とさせてもらうわヨ……」


小早川は忍のペニスを両手で優しく包み込むと、ニヤリと笑った。そして口を大きく開け、目の前の巨根にしゃぶりついた。


「や……やめろーーー!!!」

ヂュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウ!!!

「んんんっ!! はあぁぁぁっ!!」

「うふふ、前後を男に愛されるのは気持ちが良いでしょ? もっともっと気持ちよくさせてあげるから♡」


男を知り尽くした巧みな舌技が、
忍の限界まで勃起したペニスに炸裂する。

同時にゲイのエキスパートである鮫島の剛直が、
的確に前立腺を突き立てた。

最高レベルのホモセックスを受けた忍は、
女性とのセックスでは決して辿り着けない高みへと、
一気に登らされてしまった。


「あっ! あっ! あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

ブシューーー! ビュッビュッ! ビュッビュッ!


小早川の口内に忍の精液が勢い良く発射される。

小早川は噴き出された精液を飲み込むと、
忍の巨根の根本から最後の一滴まで全てを吸い尽くした。

それに合わせ、鮫島が濃厚な精液を流し込む。


ドクドクドクドクドクドクドクドク!!

「んんんんんんっっ!!!
あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


お尻の中を熱い精液が駆け巡る感覚。
ノンケの忍にとっては、身の毛もよだつ瞬間だ。

しかし催眠により、
それは全て背徳的な快感へと変えられてしまう。

忍は、逆海老ぞり形に身体を張らせると、
許容量を超える快感に耐えきれなくなり、気を失ってしまった。



※※※



「お疲れ様、サメちゃん」

「へへへ、やっぱ忍は他の奴と一味も二味も違うな」


後始末を黒服達に任せ談笑する二人。
用意された酒に口をつける。忍を犯した後に飲むビールは格別だった。


「ところで忍をどっちにするかそろそろ決まったか?」


ゴクゴクとお腹にビールを流し込み鮫島は言う。


「んー……ニューハーフにしたい気持ちはあったけど、
忍ちゃんはそうしちゃうのが勿体ない気がするのよネ……

男のまま犯したいってお客様も一定数いるし、
ニューハーフのトップは誠ちゃんに任せちゃって、
忍ちゃんは今のまま男好きにさせるのが良いと思うの」


女性らしさに特化した誠と違って、
忍は今もなお男性としての美を備えている。
それを単純にメス化させ、
失わせてしまうのは勿体ないと小早川は考えていた。


「単純に男らしい男を男娼にするのではダメなのか?」

「そう言うのとは全然違うのヨ。
忍ちゃんの良いところは、あの王子様的な美しさにあるの。女だったら、誰でも見惚れてしまうような王子様を物にするって、アタシ達ニューハーフにとってはすごい快感なのヨ」

「分かんねーな」

「これは精神的な問題なの。
物語の主人公を、憎きヒロインから奪い取る。
それを体験させてくれるのが忍ちゃんなのヨ」

「つまり忍には客を取らせねーで、内部だけで使うってのか? まぁ俺はそれでも構わねーけどよ」

「アタシ達の組織は初めの頃に比べてだいぶ大きくなったワ。これからはお金を稼ぐだけじゃなく、組織を良い状態で維持していかなきゃいけないの。
忍ちゃんには、そういう働きをしてもらうことにするワ」


小早川はこれまで何十人もの優秀なニューハーフを、
世に送り出してきた。

そのほとんどが元ノンケの美少年であるのだが、
元ノンケ故(ゆえ)に、仕事に掛かるストレスは真性ホモに比べて遥かに大きかった。

もちろんそれは最初だけで、
慣れてしまえばそこまでではないのだが、
初めのサポートで失敗し、
自殺者を出してしまうこともある。

ストレスを受ける度に催眠で緩和することも可能だが、
何十名といると、さすがに手が回らない。
組織の中で催眠を使えるのは小早川だけだからだ。

客に対して本気で恋をしてしまったり、
ニューハーフ同士で客の取り合いをしたりなどのトラブルも最近は多くなってきている。

それらを解決するためにも忍の存在は重要だった。

忍には思い悩むニューハーフ達のサポート役に回ってもらおうと小早川は考えていた。

忍が相談役に回れば、
現在抱えている問題のほとんどが解決できる。

この王子様的な美貌と逞しい巨根に、
ニューハーフのほとんどが恋をするようになるだろう。

客に対してドライに対応できるようになるのは勿論のこと、本物の女性でもなかなか手の届かない王子様とすることにより女性に対する優越感も得られる。

そうして全体の士気が上がれば、接客の質も上がる。
各店舗の売上が上がれば、
忍に直接客を取らせるより遥かにリターンが高いのだ。

小早川は、ニューハーフ嬢達のホスピタリティとして、
忍に大きな可能性を感じていた。


(でも忍ちゃんには、もう一つ役割があるのヨネ)


不敵な笑みを浮かべて、テーブルの資料を取る小早川。
彼の手には桐越誠の資料が握られていた……。



※※※



〇✖大学、サークルLilyの部室前。


「おはよーナオちゃん」
「直美さん、おはようございますー」

「おはよー真里ちゃんマコちゃん! 今日も一緒なんだね」


ちょうど出入り口で会い、
直美・誠・真里の三人は挨拶を交わしていた。


最近、真里と誠の二人は、
以前にも増して一緒にいることが多くなった。

講義によって別行動もするのだが、帰宅するのは大体同じ時間で、二人の関係が変わったことは、誰の目から見ても明らかであった。

少し遅れて恭子がやってくる。


「おはよう、みんな。
聞いたわよ、真里ちゃんマコちゃん。
二人とも付き合い始めたんですって?
いつも同じ時間に帰るようになったけど、
もしかして同棲でも始めてるのかしら?」


恭子の質問を受け、真里と誠が目を合わせる。
ワンテンポ置いて、真里が返事をした。


「はい、実はそうなんです……同棲はまだですけど」

「えぇー! そうなの!? 付き合ってるの!?」

「声が大きいわよ。直美」


ちょうど開いていた部室の扉。
直美の声に反応し、中にいたメンバー達が注目する。

女性メンバーの中には、
驚いたり青ざめたりしている者もいて、
その者達が秘かに誠を狙っていたことが伺えた。

照れくさそうに誠が言う。


「うん、ちょっと前にね。私の方から告白したんだ」

「へぇ~マコちゃんからなんだ。意外だね」


最近は男性の服を着ていた誠であったが、
今日は男女どちらにも見える格好をしていた。

話し方もなんとなく女性的な印象である。

そんな誠を見て恭子は思う。


(やはり私の予想通り、真里ちゃんはマコちゃんを男に戻して、自分を恋愛対象にさせてから、女性に戻すつもりだったんだわ……ここまで計画通りにできるなんて、すごいわね……)


誠が記憶を取り戻すのを心配していた恭子であったが、
真里がここまで優秀であれば問題はない。

自分は再度催眠をかけることなく、
直美との関係を続けられるだろう。

そう思い、恭子はそっと胸を撫で下ろした。


しかし実際は彼女が考えているようなものではなかった。

誠の変化は真里によるものではなく、
小早川の催眠術によるもの。

恭子がそのことに気づくことはなかった。



※※※



サークル活動を終えた二人は、
帰りのスーパーで夕飯の材料を買っていた。

買い物袋を片手に手を繋いで帰る姿は、まるで新婚夫婦のようである。


「えぇ~!? 誠くん、フォンドヴォー作ることできるんですか?」

「うん、ガス代掛かっちゃうけどね。
子牛の骨や鶏ガラを炒めるところから始めるからすごい時間かかるよ。それに材料もたくさん必要だから、お金も結構かかっちゃうね」

「そうなんですね……そういうのどこで習ったんです?」

「母さんが洋食屋に務めていたことがあって、その時に教えてもらったんだ」

「へぇ~いいですね~~♪ あー誠くんと料理作るの楽しみ~♪ コンソメスープを鶏ガラを煮るところから始めるなんて初めてです!」

「ちょっとだけ作るとガス代勿体ないから、材料多くなっちゃうけどね。でもコンソメは色んな料理に使えるから損ではないと思うよ。しばらく洋食が続いちゃうけどね」

「洋食大好きなので望むところです! ビーフシチュー、ミネストローネ、ローストチキン……クリスマスにぴったりですね!」

「そうだね。クリスマスが近づいたら、フォンドヴォー作りもしてみようか? サークルのみんなでクリスマスパーティーするのも良いかもね。恭子さんすごい料理上手だから、真里さんもびっくりすると思うよ」

「恭子さんも料理するんですか?」

「うん、私よりもずっと上手だよ。
昔、ナオちゃんの誕生会で食べたクリームシチューのパイ包みは絶品だったな~
今までどんなレストランで食べたものより、ずっと美味しかったよ」

「うへ~~~その話聞いただけで涎が出てきてしまいそうです。お腹空いちゃうので、もう止めましょう……我慢できなくなっちゃうから……」

「ははは、そうだね」



何気ない日常の会話。

こうした二人の幸せな時間は、
刻一刻と終わりを迎えようとしていた。



※※※



「ふぅー! 美味しかった~♡ ご馳走様でした!」

「う~ん、ちょっと老酒が効き過ぎてたかも……入れる分量間違えちゃったかな」

「そんなことないですよ! このビーフシチュー、
なんだか大人の味って感じがして、すごく美味しかったです!」


そう言いつつも真里の顔は少し赤い。
老酒のアルコール分で酔っぱらってしまったようだ。


「あの、食器洗い終わったら……
誠くん……んや、マコちゃんのも……味わっていいですか?」

「えっ……?」

「だってぇ~♡ マコちゃんの勃起不全治さないといけないじゃないですか~♡ いっぱい刺激して、大きくできるよう今日も頑張ります」


淫らな目付きで誠を誘う真里。
普段は誠のことを"くん"付けで呼んでいる彼女であったが、エッチなことになると、"ちゃん"付けで呼んでいた。

これは誠が女として扱われると感じる身体であったためだ。

初体験を終えてからというもの、誠の身体は真里を受け入れるようになり、どちらも精神的な充足感を得られていた。

だが問題もあった。

勃起力を失っていた誠のちんちんは、
真里がどれほど刺激しても反応することがなかったのだ。

いずれは二人の子供か欲しい。

そう考えていた二人は、治療という名目で誠のちんちんを舐めるのが日課になっていた。

初めの頃は、性器への刺激に鈍感だった誠も、
日が経つにつれて徐々に感じられるようになってきていた。


「う、うん……♡ とりあえず食器洗おっか」

「はぁ~い♡」


タララ、タッタ、タッターン♪ タララ、タッタ、タタター♪


食器を洗おうと、立ち上がろうとしたその時、
誠のスマホの着信音が鳴る。


「ん? 誰だろう?」


非通知でかかってきた電話だ。
誠は不審に思いながらも、電話に出た。


「はい、もしもし桐越です」

「純白の姫君」


その瞬間、彼の目から生気が消える。
誠はスマホを片手に動かなくなってしまった。


「誠くん、どうしたんですか?」


心配そうに見つめる真里。


ターララ、タッター、ターララタッター♪


続いて真里のスマホの着信音が鳴る。
進撃の小人のオープニングテーマ曲だ。


「もしもし一ノ瀬です」

「腐海に沈む女」


真里の目からも生気が消える。


「真里さん……私……でかけて来るね……」

「はい…洗い物は…済ませておきます……」

「うん……よろしく……」


これから夜の営みを始めようという時に、二人はあっさりとその予定をキャンセルしてしまった。

誠は靴を履き外に出ると、
アパートのすぐ外に停まっていた黒い高級車に乗った。

そして車はそのまま闇夜へと消えていってしまった……。
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