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霧の寝台

ガチ×ノンケ専門の官能小説 主なジャンル:GL BL NTR 催眠 調教 監禁 男の娘 女装

Part.70 【 性の不一致 】

執筆:波時すゆあ  校正・アドバイス:皇海



ピン ポン パン ポン♪


《まもなく一番線に、◯✕行きの最終電車が到着します。
危険ですから白線の内側でお待ち下さい》


「ハァハァ……真里さん、一番線だよ。急いで」

「ヒィーフゥー、ハァー……走り……過ぎて……横腹が痛いです……ハァハァ」


真里は喫茶店から駅まで全力で走り、激しく息切れを起こしていた。
高校時代運動部に所属していた誠と違って、真里は漫画研究部だ。あまり運動をしてこなかったこともあり、基礎的な体力が常人より少しだけ劣っていた。


「真里さん、私、先に行って切符買ってくるね」


真里より先行して自販機で切符を購入する誠。
すぐに振り返り、ノロノロと付いてくる真里に寄り添う。


「大丈夫? 真里さん、ほら切符買ったよ」

「ゼェゼェ……もう、私に構わず……ゼェゼェ……誠くんだけでも……ハァハァ……電車に乗って……ください」

「そんな……真里さんだけ置いていける訳ないでしょ。
私の肩に掴まって、さぁ行こ?」


真里をフォローしながらホームへの階段を上り始める。
既に電車は到着しているようだった。


タラタラタラタッター♪ タラタラタラタッター♪

出発を告げる音楽が鳴り始める。


(これはさすがに……間に合わないかな……)


誠が苦い顔をする。
電車も心配だったが、脇腹を抑えて苦しそうにしてる真里を無理に走らせることはできなかった。


タラタラタラ、タタタタ、タンッ♪

《一番線、ドアが閉まります。ご注意下さい》

プシューーーーー!!



ようやく階段を上りきり、電車を目視するも、
既にドアは閉じられた後だった。


「あーー、ダメだったか……」


過ぎ行く列車のテイルランプを、
真里と誠はがっかりした気持ちで見つめていた。


「ハァハァ……電車……行っちゃいましたね」

「そうだね……」


誠は頷き、ため息をついた。


「すみません……ハァハァ……私がノロいばかりに……」

「仕方ないよ。とりあえずそこのベンチで休も?
何か飲みたいものある?」


気分を切り替えるように誠が言う。
二人は自販機で缶ジュースを購入すると、ベンチに腰かけた。


「真里さんのせいじゃないよ。そもそも私がさっきのお店で居眠りなんかしたのがいけなかったんだ……ごめんね、真里さん」


誠が申し訳なさそうに謝る。

彼の記憶では、気絶した真里を介抱するため喫茶店に立ち寄ったことになっていた。
不自然なシチュエーションではあるが、暗示を掛けられている二人には、それがさも自然なことのように思えていた。


「そんなことありません。私こそ寝ちゃって……あれ? 私、いつ寝たんでしたっけ?」


真里は気絶する直前の記憶を思い起こそうとした。
薄暗い川沿いの草の上に誠と二人きり、
その情景が思い浮かぶ。


(たしか誠くんに告白されて……OKして、それから、それから……あっ!!)


ボッ!という音と共に一気に赤面する真里。

誠にキスされたことを思い出したようだ。


「ま、まままま、誠くん。
私たち、あの、その、あの……キ、キキ、キス……しちゃいました?」

「うん……急にごめんね。まさかあんなことになるなんて思わなくて……」

「いーんです、いーーーんですよ。
私、その、あっ、全然平気です!あの、えっと、その、ひゃーーーーー!!!!♡♡」


居ても立ってもいられなくなった真里は誠に抱きついた。
兼ねてからの念願であった誠と付き合えて、かなり舞い上がっているようだ。

誠は応えるように真里の背中に手を添えた。
しかし周りの様子が、少し気になるようだ。

深夜のホームといえど、
人気(ひとけ)が全くない訳ではない。

二人の様子に注目が集まり、向かいのホームの中年の男性などは不機嫌な顔をしていた。
いかにも「家でやれ」と言わんばかりの表情だ。


「誠くん……私たち、ついにカップルになれたんですね……」


感慨深く真里が言う。


「うん……そうだね。
でも真里さん、ここで抱き合うのはちょっと……」

「ダメです。恋人になったんですから、私のことは真里と呼んでください。さん付けだと、あまりに他人行儀です!」


真里は周りの様子が全く見えていない。
彼女の誠に対する愛情表現が激しくなればなるほど、周囲の非モテへのダメージは大きくなってしまう。

現に不機嫌な表情に変わるものが増え続けているのだ。

周囲の様子に慌てた誠は、とりあえず真里を連れてこの場を離れることにした。


「わかった。真里さん、いや真里。
とりあえずここを出よう。ここにいてもしょうがないし、歩きながらどうするか決めようよ」

「はい!わかりました。
誠くんと一緒ならどこにでも行きます♡」


立ち上がる誠にギュッと密着する真里。

本当の恋人同士になれたことで、彼女はさらに過剰なスキンシップをするようになってしまった。

誠への気持ちを隠す必要がなくなり、
完全にラブラブモードへと突入している。

そんな二人のリア充っぷりに、
心を滅多刺しにされた男達の中には、
「ちっくしょー!!」と涙声で叫びながら線路に侵入し、駅員に取り押さえられた者もいたとかいないとか……。


※※※


真夜中の歓楽街に繰り出す二人。

真夜中と言っても、
コンビニやスナックなど深夜営業のお店が多く、
飲み屋帰りのサラリーマンや、お祭り帰りの人の姿も多く見られ、以前住んでいた街と比べてもずっと賑やかである。

駅を出た二人は、ひとまず行き先を決めることにした。


「これからどーしますか?誠くん♡」


真里が満面の笑みで尋ねる。
手は恋人繋ぎをしており、誠以外は何も目に入っていない様子だ。


「このまま歩いて帰ろうと思う。
真里……も一人で帰るのは危険だし、今日はうちに泊まっていきなよ」

「はいっ!♡ お言葉に甘えて、誠くんの家に泊まらせてもらいます! あっでも、着替えが……」


明日は午前中に大学の講義を控えている。
浴衣で出席はできないので、一度帰って着替えなければならなかった。

しかしここから家までは、タクシーを使っても30分以上はかかる。金額にして数千円だ。
少し考えたが、真里は改めて誠の家に泊まることを決めた。


「大丈夫です。明日始発で戻って、すぐに出れば間に合うと思います」

「んーでも、それだと慌ただしいよね。
着替えだったら貸すよ。私もレディースの服持ってるし、フリーサイズのもあるから、真里……が良ければだけど」

「えっー!? 誠くんの服、貸してもらえるんですかっ! 是非、是非お願いします♡」


大好きな誠の服を貸してもらえると聞いて、真里は大喜びだ。


(ハァハァ♡誠くんの匂いが詰まった服を着れるの?
アーー!!ヤバイヤバイ♡
全身、誠くんに包まれちゃったら、
私、正気でいられる自信ないかも♡
いくらでも誠くんの匂いクンカクンカできちゃうじゃん!♡)


いつもながらの変態妄想を真里が繰り広げている中、
誠は真里の新しい呼び名に抵抗を感じていた。

真里の望むまま、呼び捨てにはしてみたが、
『実はすごく呼びにくい』のだ。


それは大学進学後、
直美を呼び捨てにできなくなった時の状況に似ていた。

今でこそ誠と直美は、マコちゃんナオちゃんと呼び合う仲であるが、元々は呼び捨ての仲であったのだ。

もちろんそれは二人の信頼関係の現れでもあったのだが、
誠が女性化したことで、
直美は誠をマコちゃんと呼ぶのが普通になり、
誠も直美をナオちゃんと愛称で呼ぶのが普通になった。

恋人から友達へと立場を変えた二人であるが、
もっと細かく言うと、対等な関係から、
守る側、守られる側に変わったという事情もあった。

直美にとって誠は、可愛らしくて守ってあげたくなる女の子に変わり、誠にとって直美は、
強くて頼りがいのある女性へと変わっていた。

そういった関係上、
誠は直美を呼び捨てにすることはできなくなったのである。


それらの効果をもたらした恭子の催眠術であるが、
最近は徐々に弱まりを見せ始めてきていた。

雪山で勇敢に真里を救護したり、納涼祭で自ら告白をするに至ったのも、その結果である。

しかし不幸にも誠はここで新たな催眠術を受けてしまう。

ほぼ数時間にも及んだBL催眠調教。

小早川から受けた暗示により誠は、

男らしくありたいと思うより、女らしくありたい
女性を守るより、男性に守られたい
女性を愛するより、男性に愛されたい

と感じるようになり、
彼氏としての保護を伴った呼び捨てを、
女性である真里にすることができなくなってしまったのだ。


ネオンが光る歓楽街を歩きながら誠は言う。


「あ、あの、真里……さ。呼び方のことなんだけど」

「はい?」

「やっぱり今まで通り、
"さん"付けして呼んでも良いかな?」

「えっーどうしてですか?」

「ずっとそうして呼んできたってもあるけど、
真里さんを呼び捨てにするのって、まだ慣れなくて……」

「うーん、たしかに慣れないと難しいかもしれませんね……名字から名前に変えるのとは違いますからね。ちょっと試しに私も誠くんのこと、呼び捨てにしてみますね」

「うん」



「誠」



真里は目を閉じて、
呼んだ感覚をじっくりと咀嚼してみた。


「あーなんか少し失礼な感じがしますね。
先輩だから余計そう感じるのかな?」

「失礼というより関係性の問題だと思うよ。
私達、まだ付き合うようになったばかりだし……」

「たしかにそうですね……私、焦りすぎてたかもしれません。誠くんの呼びやすいように呼んでください!」

「ありがとう、真里さん。
でも真里さんが呼び捨てで呼んで欲しいのは分かったから、なるべくそう呼べるように意識してみるね」

「はい!ありがとうございます!」


にっこりと微笑み合う二人。

人の呼び名は関係性や心情によって変わるもの。

そしてそれは、
自分自身への呼び方にも適用されるものである。


二人はこの時、誠が自らの呼称を"僕"から"私"に戻していることに気がつかなかった。



※※※



コツ、コツ、コツ、コツ。

古びた鉄の階段を登り、
"桐越"と表札が貼られたドアを開ける。

ギィーーーーー

部屋の中から、お香の匂いが漂ってきた。


「誠くんの玄関、あいかわらず良い匂いしますね。
これ何の匂いなんですか?」

「あぁこれね、キヨちゃんに貰ったお香の匂いだよ」


誠は下駄箱の上に置いてある箱を指差した。
箱には民俗風の衣装を着た男女のイラストが描かれ、外国語で"ネバール製"と書かれてあった。

恭子が旅行先で買ってきたお香であるが、中身は催眠用のお香に入れ替えてあった。その事実を誠は知らない。


真里は靴を脱ぐとお香を見つめた。


(うーん、なんだろ?
つい最近同じような匂いを嗅いだ気がするんだけど……)


考えてみるが思い当たる節はない。

気になったが、真里は奥へ進んだ誠を追ってリビングへ入った。



「お疲れ様」

「お疲れ様です。何度来ても、やっぱりこの部屋は落ち着きますね!」


真里は荷物をソファーの横に置くと、ベッドに腰かけた。
少し弾力のあるマットレスにほんのりと誠の匂いがして、それだけで良い気持ちだった。

同じようにベッドに腰かける誠。
真里は彼に顔を向けると、改まるように話を始めた。


「ねぇ、誠くん……」

「なぁに? 真里さん」

「私と誠くんって、もう付き合ってるんですよね?」

「……? うん、そうだけど」


誠は不思議そうに答える。

真里は返事を聞くと、
ゆっくりと身体を傾け、そのまま彼の太ももに頭を乗せた。


「彼女だから、こんなことしても良いんですよね?」


上目遣いで確認する。
男からすれば、まるで誘ってるかのような表情だ。

できれば、性的関係を結びたい。
誠と触れ合い、愛し合いたいーーそう真里は思っていた。

しかし奥手な誠のことだ。
軽い男と違って、この程度で襲ってくることはないだろう。

健全な関係を続けて、早くて数か月、もしくは1年以上経って、ようやく身体の関係といったところだ。

真里は、そう何か月も待てる気がしなかった。
根は年中発情している変態女なのだ。

誠のBL妄想を始め、恭子とのレズ妄想、自分がふたなりになって誠を犯す妄想だってしたことがある。

そして小早川から受けた催眠により、
彼女はいつも以上に興奮してしまっていた。


「うんいいよ。
でも、真里さん付き合う前からよくしてたじゃない?」

「んっ? あっ、そういえば……」


たしかに真里が太ももに頭を乗せるのは、今回が初めてではない。お祭りの時も、以前遊びに来た時もしていた。

真里は付き合う前から、
カップルがするようなスキンシップをしていたのだ。


「たしかに、そうですね。
無意識にしていたかもしれません……」


真里の過剰なスキンシップにより、
誠はある程度のことまでなら、当たり前と思うようになっていた。

誠を誘惑するための仕草も、並大抵のことでは意味を成さない。

出鼻を挫かれてしまった真里は、それならばと、
これまでにないスキンシップを決行することにした。

顔をあげ、視線の高さを誠と合わせると、
熱っぽい瞳で見つめた。


「じゃ、じゃあ、今までできなかったこと、してもいいですか?」

「できなかったこと?」

「はいっ! 誠くんにキス……したいです」


言った途端、顔が紅く染まる。

改めて言うと恥ずかしかった。
こんなこと女性から言うことだろうか?

そんなことを頭でぐるぐると思案しながら、
真里は彼の返事を待った。


「う、うん……もちろん良いよ。
私も真里さんにキスしたしね。
でも改めて言われると、なんか恥ずかしいな……」


誠の顔も紅く染まり始める。
彼は狭い肩幅を更に狭くし、恥ずかしさで身を捩(よじ)らせていた。

誠の変化に目を見張る真里。

純な少女のように目をつむりキスを待ち受ける姿は、
まるで彼が半年前の状態に戻ってしまったかのようだった。


(な、なんだろ?
誠くん、女の子に戻っちゃったみたい……。
いや、でもこれも自然な反応っていうか、
誠くんだったらあり得るというか、
元々そうだったと言われれば、妙に納得はできてしまうけど……)


だがお祭りでキスした時とは明確に違う。
あまりにも短時間で変わり過ぎである。

あの時の男らしかった誠はどこにいったのだろうか?

高校時代の真里だったら、
ここで躊躇(ちゅうちょ)していたであろう。

しかし様々な経験を積み、彼女は成長していた。


(ふん…………今さら、こんなことで戸惑う私じゃない。
誠くんが女の子の部分があっても良いじゃない。
カッコいい誠くん。可愛いマコちゃん。
今の私ならそのどちらも愛せる)


既に迷いはなかった。

彼女は誠の肩に手を置くと、
目を閉じて、ゆっくりと口付けを交わした。

誠の唇は想像以上に柔らかく、甘く淫靡な味がした。


(誠くんの唇柔らかい……肩幅も狭くて女の子みたい。
もしこれで女の子の格好をしていたら、本当に女の子とキスしている気分だったろうな……)


ファーストキスの時のような激しさはなかったものの、
女の子同士でキスをするような優しさと柔らかさ、
そしてほんの少しの背徳感が彼女の心を包んでいた。


(気持ちいい……
もしこれがレズなんだったら、私はレズでも構わない)


真里は誠とのセカンドキスを受け入れた。

限りなくレズキスに近い行為ではあったが、
誠への愛が、真里の同性愛への忌避感をうち壊したのだ。

そうしてしばらくして二人の唇は離れた。
頬を紅潮させ、うっとりとした目付きで真里は言う。


「誠くんとのキス、良かったです……」


愛おしい彼、
それはゆっくりと目を開けると言った。


「うん、そうだね…………
あ、お風呂沸かして来なくちゃ。ちょっと行ってくるね」

「えっ? あっ、はい!」



真里は、その反応に驚いた。

てっきりキスの余韻に浸るのかと思っていたのに、
彼は湯を沸かすため、すぐに離れていってしまったのだ。

心に冷たい空気が流れる。
そして、胸が痛むような感じがした。


(誠くん、どうして……?)


お風呂に入らなければ、寝るのが遅くなってしまうのは理解できる。

しかし今は心を通い合わせる方が、ずっと大事なことではないだろうか?

寂しい気持ちはしたが、男と女ではその辺の捉え方が違うのかもしれないと思い、真里は我慢することにした。



※※※



(急にこっちに来ちゃって、真里さん傷ついていないかな……)


蛇口から流れ出るお湯を見つめながら、
誠は彼女のことを心配していた。

誠がお風呂場に来た理由は、
お湯を入れるためではなく、真里から離れるためだった。

唇を抑え、力なく息を吐く。
彼はその場でうずくまり目を閉じていた。


(最初にした時は、こんなこと感じなかったのに……)


実は、誠は真里とのキスで強烈な違和感を感じていた。

それは、まるで『同性とキスしている』かのような違和感。
言い換えれば、『恋愛対象ではない性別とのキス』といったところだ。

愛する人とキスをして、
なぜこのような気持ちになるのか理解できなかった。
自分は男で、女である真里を好きなはずだ。

なのに、なぜ真里を同性として認識してしまったのか?


(違う……もしかして逆なのかな?)


真里を同性、すなわち男性として認識したのではなく、
自分を女性と認識しているから、真里を同性として感じたのではないだろうか?


(まさか……そんな……だって初めてキスした時はこんなこと……)


思いもしなかった。
果たして、本当にそうだろうか?


誠は起き上がり、
その時のことを思い返してみることにした。

あの時、彼女はすぐに気絶してしまった。

異変に気を取られ、キスの感覚をしっかりと受け止めることができていなかったのではないだろうか?

もし真里が気絶していなかったなら、
もっと早く違和感に気づいていたかもしれない……。

だが、だからといって、どうだと言うのか?

「違和感があったので、告白を取り消します」

などと言えるわけがない。



………………………………




誠は自らの性的違和感を解消したつもりだった。

日が経つにつれ、薄れゆく女性としての心。
恭子の催眠が解けてきて、徐々に男性としての自己認識が深まってきていた。

だからこそ告白した。

真里と一緒にいたかったから、
いつまでも守り続けたいと思ったから。

決して生半可な気持ちで告白した訳ではない。


(なのに…………どうして…………)


自分の胸に手を当ててみる。

膨らんだ女性の胸。

最近は少しずつ違和感を抱き始めてきたこの胸の膨らみも、今では無くてはならないもののように感じられた。

今着ている男性物の浴衣だって、すぐに脱いで、久しぶりに可愛い服を着てみたいと思っている。

誠はそこまで考えて、自分の物の考え方が、
完全に女性寄りになっていることに気がついた。


(私は男じゃないの……? 本当は女なの……?)


誠の心は、再び揺れ始めていた。



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