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霧の寝台

ガチ×ノンケ専門の官能小説 主なジャンル:GL BL NTR 催眠 調教 監禁 男の娘 女装

Part.69 【 絆 】


薄暗いホールの真ん中で真里は泣いていた。

腐女子の趣味をバラされたショックと、
最愛の人が犯される姿を見て興奮してしまい、彼女の心は自虐と絶望で満たされていた。
小早川は、そんな彼女を嘲(あざけ)り笑いながら、
鮫島に次なる指示を出す。


「その女と向かい合わせになるよう、誠ちゃんの向きを変えてちょうだい」


鮫島は四つん這いになる誠を軽々と抱き上げると、指示通り動かし始めた。その間も熱い肉棒が、誠の腸内を掻き乱す。


「ふぁっ♡ ぁぁぁ!♡」


男の熱い塊に腸壁を抉(えぐ)られ喘ぐ誠。

鍛えられた男の腕の中で、彼の華奢な身体はビクビクと打ち震えていた。
勃つことを忘れた彼の小陰茎(しょういんけい)からは、
前立腺への刺激で産み出されたオカマ汁が、ポタポタと零れ落ちていた。

誠は真里の真向かいに立たされ、再び四つん這いの姿勢にされる。
顔を隠すこともせず、快感で蕩けきった雌の表情を余すことなく彼女に向けていた。


「おい誠、さっさとそいつに別れを言え。
お前も早くこれを動かして欲しいだろう?
終わったら、好きなだけ掘ってやるから早くしろ」


誠の白いお尻を軽く叩きながら鮫島が言う。
差し込んだ肉竿を早く出し入れしたいのか、急かすように言っていた。


「誠ちゃん、焦らなくてもいいのヨ? 
彼女に言いたいこと、じっくり伝えてあげて♡
もう思い残すことがないようにネ、うふふふふ♡」


ノンケの男が女と別れ、自分たちの仲間となる。
小早川にとって、こうして女から男を奪うのは、
何事にも代えがたい悦楽のひとときであった。

その時間は長ければ長いほど良い。

男が女を口汚く罵れば罵るほど、
女の心が傷つけば傷つくほど、彼の心は癒される。

女性が人権を剥奪(はくだつ)され、卵子を生成する道具として扱われる社会になるまで、彼の復讐は続くであろう。

この絶世の美少年、桐越誠はそのための強力な武器となる。これほどの美少年をニューハーフにできれば、今よりも楽にノンケの男性を籠絡(ろうらく)できるようになるだろう。

そのためにも、この二人は何としてでも別れさせなければならない。
配偶者や彼女がいる男性は、催眠の継続性が低く、
ニューハーフ嬢として働かせても、途中で暗示が切れてしまうのだ。

しかし恋人の存在がなくなれば、催眠の深化は留まることを知らなくなる。

いずれは催眠と素の状態が逆転し、
催眠を解いても、従順なニューハーフ嬢として働くようになるのだ。

そう……今この場で黒服として働く元ノンケの男達のように。






誠を堕とすには、先ほどの真里の行動が重要となってくる。

彼女は、誠が身代わりに犯されたにも関わらず、
その自己犠牲の精神を踏みにじるかのように、興奮して股を濡らしてしまっていた。

そのため誠が真里を軽蔑している可能性は高い。

それに加え、誠の女性への性的欲求は、既に完全に消えてしまっている。
性欲が湧かないのであれば、彼にとって彼女はもはや必要のない人物であるはずだ。

催眠により、今の誠は本音を口にすることしかできなくなっている。

いったい彼はどんな罵声を浴びせ、別れを告げるのだろうか? 別れを告げられた彼女の反応は?

これから起こる愛憎劇に、小早川は心を躍(おど)らせていた。


「真里さん……んんっ♡」


甘い吐息を漏らしながら、話を始める誠。


「うっ、うっう……ごめんなさい、誠くん」


真里は泣きながら誠に謝罪した。
彼女にとって、彼は世界で一番大切な人。
そんな人をこんな状況でも淫らな目で見てしまい、彼女はひどく後悔していた

そんな真里に誠は言う。


「真里さん……わたしが犯されて興奮していたって本当なの?」

「う、うん……本当。
誠くんが男の人に犯されて……興奮しちゃったの。
私、本当は……男の人同士のエッチを見て、興奮しちゃう変態なの……」


もう隠し立てはしない。
罪を誤魔化して、これ以上彼を裏切りたくはなかった。真里は、これまでひた隠しにしてきた腐女子の性(さが)を、全て打ち明けるつもりであった。

彼女の暴露に戸惑いながらも、誠は質問を続ける。


「……満足した? わたしが犯されるのを見て、真里さんは満足したの?」


それを聞き小早川は、誠が真里を問い詰めていくつもりなのだと感じた。


(ふふふ……良い調子ね。ああやって追い詰めていくのネ。まっ、自分が大変な目に遭っているのに、興奮されたら誰だって怒るわよネ)


これまで引き裂いてきたカップルと同じだ。
別れを切り出させる前に喧嘩を始める者もいたが、流れとしてはこちらの方が断然良い。殴り合いに発展したら、騒がしいし興醒めでもあるからだ。


「ううん……満足しなかった」

「どうして?」

「触らなかったから……誠くんが襲われているのに、自慰することなんてできなかったから……」


ここですかさず小早川の野次が飛ぶ。


「触らなくても、おまんこ濡らしてたら同じことでしょ? 何、自分はさも頑張りましたよって感じ、出してるの?

そんなこと言っても、アンタが不謹慎なことを考えてたのは変わらないワ。
本当に愛してるんだったら、そもそも発情すらしないわヨ!

ホント、女って自己擁護が多くてヤーネー! 
なんだって人のせいにするし、いつだって自分は悪くないって言うし、ホント嫌になっちゃうワ。誠ちゃんもそう思うでしょ?」


一切の自己弁護を許さない。
小早川は般若のような顔で真里を睨みつけていた。


「うっうっ……ごべん……なさぁいぃ……ん、んぐっ……ご、ご……ごべん……なざいぃぃぃ」


真里は両手で顔を覆うと、再び床にひれ伏してしまった。
小さくなった背中は、罪悪感に打ちひしがれ、小刻みに震えている。
この広いホールを、しばらく彼女の泣き声だけが木霊していた……。


「……」


誠は何も言わず、ただ悲しい目つきで真里を見つめていた。

彼が何を考えているのか?

おそらく長い付き合いのある直美であれば、
彼の今の心情を察することができたであろう。

誠は一旦目を閉じて、
心の中で彼女にかける言葉を決めると口を開いた。


「いいよ、真里さん」

「…………」


誠の声を聞き、泣き止む真里。


「……え?」


彼女は誠の言葉の意味が分からず、聞き直した。


「だから……私が犯されるのを見てオナニーして♡ 真里さんがそれで気持ち良くなってくれたら、私も嬉しい。私……真里さんのこと大好き……だから、いっぱい触って気持ちよくなって!」

「……誠くん!」


なんと誠は真里を非難するどころか、
その性癖を認め、彼女が自慰するのを許可してしまったのだ。

どちらにしても、ここから逃げ出すことはできない。そうであれば、彼女を苦しめているものを、できるだけ取り除いてあげたいと彼は思ったのだ。

誠は、四つん這いで床についた両腕に力を込めると、鮫島のものが差し込まれたお尻を動かし始めた。


「あっあぁん!♡ 気持ちいぃ!!♡♡」


そして快感に喘ぐ女のように、嬌声を上げた。
真里にこの想いが伝わるように、彼女の目をしっかり見据えて、誠は叫んだ。

想定外の出来事に鮫島は驚く。
まさか誠の方から腰を動かしてくるとは……。


(くっ、しかもこの締め付け……さっきとは大違いだ!!)


誠はお尻の筋肉を締めて、
鮫島の肉棒を貪(むさぼ)るように腰を動かしていた。


「はぁっ♡ いぃのぉ!♡ 真里さぁん!
わたしのお尻……おちんちんが入って……
はぁあん!♡ すっごく気持ちいいっ!!♡」


その光景を見て、真里の中で何かが弾けた。
男の象徴をその身に受け、女の性に歓び喘ぐ誠。
しかも誠は、それを自分を喜ばせるためにしてくれている。

言葉で表現できないほどの喜びと感動。
そしてこれまで感じたことのない安らかな快感が真里を襲った。


「あぁぁん!!♡♡」


既に許容量を超え、愛液を垂れ流すだけとなった蜜壺に、彼女は指の一本一本をうねる触手のような動きで這わせた。


「ああぁっ! 気持ちいい! はぁ♡
すっごく気持ちいいっ!! 誠くぅん♡♡」

「もっと! もっと良くなって、真里さん♡
あぁん♡ 私もおまんこ気持ちいぃっ♡♡」


慈愛に満ちた眼差しで微笑む誠。
そんな彼の優しい瞳に包まれて、安心して快感を堪能する真里。

二人の動きはすっかりシンクロし、
まるで激しく交尾する動物のような動きになっていた。


(なんてことなの……信じられないわ……)


小早川は度肝を抜かれていた。
これまでのカップルは、一方的に男が女を罵るか、女が応戦して罵り合いに発展するかのどちらかであった。
誠のように、彼女の変態性を受け入れ、自分をオカズに自慰を許可する者など一人もいなかったのである。

だが、このまま彼らを満足させてはならない。
慌てた小早川は鮫島に指示を出した。


「サメちゃん! すぐに止めさせなさい!!
誠ちゃんを抑えるのヨ!!」

「ぐっ、だめだ……こいつのケツ、気持ち良すぎて理性が……」


肉棒に与えられる未知の快感。
それは、これまで数々の男の尻を犯してきた鮫島にでさえ、理性を忘れさせるほどの魔力を秘めていた。本気を出した誠のアナルは、まさに名器中の名器だったのである。


「誠くぅん!! すきぃいい!! 愛してるっ!
あっあぁん♡ 気持ちぃいいよぉぉおお!!!」

「私も! 真里さんのこと愛してるっ♡」


愛を叫び合う二人。
もっと奥に、もっと奥に、鮫島の抵抗が弱まっていることを良いことに、誠は肉棒の根本まで、お尻でちゅうちゅうと吸いついていった。
さらに腰をくねらせ、前立腺を舌のように扱い、それを嘗め回す。

自分が男と淫らに交わるほど、真里は気持ちよくなってくれる
彼女が気持ち良くなってくれるのが嬉しくて、
彼女をもっと喜ばせたくて、誠は積極的に行為に徹していた。


「はぁん♡ 誠くんっ、おちんぽ突っ込まれるってどんな感じなの?」

「うんっ! ああぁっ♡♡ すごく……熱くて、硬くて、蕩けちゃいそうなのぉ♡♡」

「ふぁっ♡ すごぉい♡♡」


娼婦のような怪しい目つきで、見せつけるように言う誠に、真里は大いに興奮した。


ここで鮫島が大きく叫ぶ。


「うおおおおおおおおお!!!!」


既に彼は目がイってしまっていた。
アナルから押し寄せる快楽の波に飲み込まれ、理性を失ってしまったのだ。彼は自らの肉棒を美味しそうに頬張る誠の尻を掴むと、一気に腰を動かした! 


「サメちゃんっ! 待ちなさいっ!!」

「うおおおおおおおおおおおお!!! 
俺の本気の突きをおおおおおおおっ!
喰らいやがれぇえええええ!!!!!」


小早川の静止も聞かず、鮫島は本気で誠を犯し始めてしまった。


「ちょっと、あんた達っ! 見てないで、鮫島を止めなさい!!」

「はいっ!」


黒服達が一斉に止めに入る。
しかし高速で打ち出される鮫島の拳によって、
彼らは次々と吹き飛ばされてしまった。

顎を砕かれる者。
目が有らぬ方を向き意識を失う者。

まさに一撃必殺。

誰一人、彼の拳を受けて立ち上がれる者はいなかった。


「だめだ、今の鮫島さんに近づくのは危険過ぎる」


怯える黒服達。
既に半数以上がノックアウトされてしまっていた。


「くっそ……あんのバカ!」


そこで小早川は思いつく。
鮫島が止められないのなら、他を止めれば良いのだと。


「あの女を捕まえなさいっ! すぐに自慰を止めさせるのヨ!」


慌てていた小早川は、つい大きく叫んでしまった。
その声を聞き、誠は真里に言った。


「真里さん、私の身体の下に隠れて!」

「はいっ!♡」


真里は四つん這いになる誠の身体の下に足を入れると、仰向けになるように滑り込んだ。


「くっ! なんてとこに逃げ込むの! 早くそいつを引きずり出しなさい!」


黒服が真里を掴もうと手を伸ばす。
しかし、誠が両腕で真里の肩をがっちり抑えているため、上手くいかない。

それでもなお、黒服は真里を引っ張り上げようとするのだが……。


「邪魔すんじゃねーー!!」


誠の腰の動きが鈍り、快感が弱まったことにキレた鮫島が、黒服の袖を掴み強烈な頭突きをくらわせた。
その場に倒れる黒服。もちろんピクリともしない。
既に鮫島は誠の尻から与えられる快楽の虜になり、邪魔する者を全て排除するようになっていたのだ。


「あのヤロー!!」


ギリっと据わった目で鮫島を睨みつける小早川。そんな彼に黒服の一人が進言する。


「小早川さん、鮫島さんに催眠を掛けて眠らせるのはどうですか?」

「それができればとっくにやってるわヨ!
あいつは、どういう訳か催眠が全然効かないの! でなければ、素っ裸でその辺うろつかせたりしないワ!」


ギリギリと歯切りをして悔しがる小早川。
だがこれ以上、戦力を失いたくはない。
彼は一旦鮫島を止めるのを諦め、静観することを決めた。


再び腰をグラインドさせる誠。
彼が見下ろす目線の先には真里がいる。
彼女はすっかり欲情した目付きで、誠が男に犯される姿に見入っていた。


「誠くん……すごいエッチ♡
男の人に犯されてエロカワイイ♡ はぁ♡ はぁっ♡」

「もぉ、カワイイだなんて……恥ずかしいよ♡」


鼻先が触れる距離で笑い合う二人。
彼らは鼻がぶつからないように顔をずらすと、唇を合わせた。


「ンンッ! ンフー♡ ンッ♡ ンッ♡」


接吻を交わしながらも、鮫島の剛直が誠の前立腺を押し潰す。そのあまりの快感で、誠は淫らな吐息を彼女の口に吐いてしまった。

そんな彼の息をうっとりとした表情で受け入れる真里。誠が男の肉棒を受入れ吐く息は、なんとも淫靡で甘い香りがした。
そのまま見つめ合いながら、舌を絡ませ合い愛情を表現する二人。

催眠の影響もあり、
誠にとってこの行為自体は性感を伴わないものであったが、真里と触れ合いたいという気持ちは変わらなかった。

いくら催眠を受けようとも、どれだけ男性への欲求を高められようとも、誠の真里へ愛は変わらなかったのだ。





ここで突き方を変える鮫島。
さすがノンケ堕としのエキスパートなだけあり、
実に飽きさせない巧みな動きをしている。


「ぁんっ♡ 鮫島さん。それ、すごいのっ!♡」


新しい刺激が与えられ、快感でアヘり出す誠。

彼のペニクリから溢れる液は、ちょうど真向かいにある真里の女性器にポタポタと垂れていた。
真里は誠の愛液を指で掬うと、そのまま割れ目に擦り付けた。


「あぁ……マコちゃんの女の子の液、私のと混ざってる♡」

「あっ♡ ンッ♡ マコ……ちゃん?」


真里が初めて誠のことをマコちゃんと呼んだ。
これは誠が女の子だった頃に、サークルのメンバーが使っていた呼び名だ。
真里だけはこれまで一度も誠をそう呼んだことはなかった。


「もう私には……はぁはぁ♡
マコちゃんのこと……女の子にしか見えません。
こんなに可愛くてっ♡ はぁん♡
エッチな声出してぇ、んんっ♡
男の人のおちんぽ突っ込まれて喘ぐなんて……
もう完全に女の子ですよ♡」

「うん、そうなの……はぁッ♡ はぁッ♡
おちんぽにぃ……目覚めちゃってぇ♡
あぁんっ! 女の子になっちゃったの♡」

「ふふふ、かわいい♡ この小ぶりなオッパイも。ピンク色のぷるんとした乳首も。
撫で肩なところも、華奢なところも、つるつるした肌も♡ もちろん性格も含めて全部大好きです。愛してます♡」

「わたしも……真里さんのこと全部好き♡ 愛してる!」


再び口付けを交わす誠と真里。
様々な人に、あらゆる加工を受けてきた二人であったが、彼らの心のピースは、再びぴったりと当てはまったのだ。

真里は誠の愛液がもっと欲しくて、
彼のペニクリを牛の乳しぼりのように握った。
鮫島に突かれていることもあり、次々と新しい液が絞り出される。

ねっとりとした愛液がたっぷりと割れ目に付着し、
興奮した真里は、誠の背中を両腕で、誠の腰を両足でがっしり抱きしめ、腰を上げて直接そこをペニクリに密着させた。


「マコちゃんのクリちゃん擦れて気持ちイイッ♡」

「あぁ……真里さぁん♡」


まるで女同士の貝合わせのように、お互いのクリを接触させる二人。

その光景を見て、小早川は激怒した。


「あのクソ女! 誠ちゃんのおちんちんはアタシのものヨ! ぶっ殺してやる!」


目を血走らせて殴りかかろうとする彼を、黒服達は必死になって止めた。
ここでリーダである小早川が鮫島に潰されてしまったら、大変な事態に陥ってしまう。

そんなオカマの心情などお構いなしに、二人はさらに愛を深めていく。


「ねぇ、真里さん……」

「なぁに?♡ マコちゃん♡」

「わたし、もっと激しいのが欲しいの……」

「うふ♡ 私もマコちゃんがもっと激しく犯される姿、見てみたいです♡」


阿吽(あうん)の呼吸と言うものか、
二人は同時に同じことを思い浮かべていた。
誠は身体をよじり鮫島の方を向くと誘惑を始めた。


「ねぇ、鮫島さん……私にキスして♡
キスしながらあなたの逞しいおちんぽ、わたしのお尻オマンコに入れて♡」


鮫島の目に映る誠の姿。

男にも女にも見える中性的な顔立ちに、
赤く火照りすっかり色欲に塗れてしまった肌。
男も女も魅了してしまう美貌。

そして直接男性器を刺激するような淫乱な声。

鮫島はまるで操られるかのように、
男根を引き抜くと、誠の身体を裏返した。

真里はその動きに合わせ、誠の背中にぴったりと張り付くと、後ろから腕を回し、彼の両足を広げて持ち上げた。

ちょうど母親が小さな子供をシーシーさせるような姿勢である。

鮫島は、発射寸前の大砲を再び菊門に差し込むと、誠の身体を強く抱きしめキスをした。そして誠も、彼の背中に細くしなやかな腕を回すと、それに応じた。


ちゅうぅぅぅぅぅ!!! 
ちゅっちゅぷ、ちゅぷちゅぷ、ちゅぶ♡♡


男同士のキス。
お互いに積極的に舌を絡め合い、
男の舌、男の唾液、男の息を確かめ合う。
真里の目の前で、これでもかと濃厚な男同士の性交が繰り広げられる。

鮫島の動きに合わせ、
支えている誠の身体を揺らす真里。
ジュポジュポと逞しい男性器が、誠のお尻に突き刺さるたび、彼女も大きな快感を得た。

まさに生粋(きっすい)の腐女子。
全身がBLを求め、誠のホモ化を望んでいる。

そして彼女はそれが二人を別(わか)つものでないと理解したことにより、心から快感を受け入れられるようになったのだ。


「そう……もっと! もっとキスして! 
あふぅ♡ そうそうそうそうそう♡
ふぁ♡ あ……イク……イ……イク……!!
イっちゃう! マコちゃんのホモセックス見て……イっちゃううう!!
イッ………ちゃぁぁぁぁあううううう!♡♡♡」


ビクビクビクビクビクビクビクビクッ!!! 
ビクンッ! ビクンッ! ビクンッ!! 


体を大きく反らせて潮を噴く真里。
触ってもいない彼女の女性器は、
男同士のセックスを見ただけでイってしまった。

誠は背中で激しく痙攣する真里に気づき、
彼女が絶頂に達したことを理解した。


「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


鮫島が一段と激しく突き入れる。
目にも止まらぬ速さで、ジャブを撃ち出すように奥の奥を突くと、一気にそれを膨張させ、特大の砲弾を発射した。


ドクドクドクドクドクドクドクドクドクッ!!! 


誠の中に特濃の精子が大量に注ぎ込まれる。
お尻の許容量を超えるそれは、アナルのヒダの僅かな隙間から噴出した。

そのあまりの激しさに、誠は大きく叫ぶ。


「あぁあああああああああっ!!
熱いっ! すごく熱いいいいぃ!!
イっちゃう!♡ わたしも……はぁん!♡
イッちゃうううううううううう!!♡♡♡」


ビクビクビクビクビクビクビクビクビクッ!!! 
ビクビクンッ♡ ビクンッ♡ ビクンッ♡


真里と鮫島に続いて、誠も絶頂に達してしまった。

彼は、己の体内に満たされる男の体液の熱さと、
男に抱擁されることによって得られる女としての快感、そして最愛の真里がイったことへの喜びで絶頂を迎えたのだ。



※※※



「…………」


意識を失い倒れる二人を見つめる小早川。

彼は何も言うことができなかった。

誠への催眠はたしかに成功していた。
誠の性の対象は完全に女から男に移ったはずだ。

なのに、どうして誠は真里のことを愛していると言ったのだろうか? 

彼は先ほど起きた出来事を未だに信じられずにいた。


「あの、小早川さん……」

「……なにヨ?」

「こんな時にすみません。まもなく終電の時間が近づいてますが、いかがしましょうか?」

「いかがって……帰すしかないでしょ!! 
このまま帰さなかったら、誰にどう疑われるか分かったもんじゃないワ! 
さっさと洗って服を着せなさい!!」

「ははっ! かしこまりました!」


黒服達が一斉に動き出す。

小早川はあまりの悔しさに震えていた。
本当は二人ともぶん殴ってやりたい気持ちでいっぱいであった。

だが、誠は大事な商売道具になる身だ。
傷を付けるわけにはいかない。
女の方も、背後にどんな交友関係があるか分からない以上、安易に手を出すのは考えものだった。


「ふーすっきりしたぜー」


実に呑気な顔をして、鮫島がやってくる。
彼はシャワーを浴びて身体を洗ってきたのか、バスローブに身を包み、笑顔すら見せていた。

この男が、快楽に負けなければこんなことにならなかったのに……


「よく平気な顔していられるわネ? あんたは、あの二人に都合の良いオナニーの道具として使われたのヨ? 何とも思わないの?」

「俺は気持ち良ければ何でもいい。あれはあれで気持ち良かったぜ」

「ホントにセックスのことしか考えてないのネ……」

「へっへっへ、そうだな。だが、別にこれが最後ってわけじゃないんだし、そこまで気にすることでもないだろ?」


鮫島は今回のことをあまり気にしていない様子であった。

たしかに失敗はしてしまったが、既に催眠は掛け終えてある。いつでも好きな時に呼び出し、彼らを調教することは可能だ。


「……たしかにそうネ。いくらでも時間はあるワ。
あの二人には時間を掛けて、じっくりと復讐してやる。このアタシの顔に泥を塗ったことを、絶対後悔させてやるんだから!」



※※※


その後、二人は健忘催眠を掛けられ、拉致された場所近くの喫茶店で起こされることとなった。


「お客さん。起きてください。閉店の時間ですよ!」

「んっ?」

「すみません、店を閉めたいのですが……」

「あっ! すみません、なんか眠っちゃっていたみたいで……真里さん起きて」

「はぇ? あぇ? ここは? 
あっ、そっか! 話してるうちに寝ちゃったんだ」


喫茶店で揃って眠るというなんとも不自然な状況であったが、催眠でそう思い込まされている二人は、特に気にならない様子であった。


「あっ! もうすぐ終電だよ! 急いで真里さん」

「ハイ!」


お金を支払い、駅に向かって走る二人。

小早川は、その様子を高層ビルの窓辺からギロギロと睨みつけていた。
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