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霧の寝台

ガチ×ノンケ専門の官能小説 主なジャンル:GL BL NTR 催眠 調教 監禁 男の娘 女装

Part.65 【 腐女子の葛藤 】



催眠により絶頂を迎えた真里は、
朦朧(もうろう)とした状態で横たわっていた。

小早川は再びソファーに腰を据えると、
真里の周囲を洗浄するよう黒服達に命じる。
テキパキと作業を行う様は実に慣れたもので、彼らがこれまで幾度となく、この作業を行っていることを伺わせた。

一通りの後始末を終え、小早川は催眠を解くことにする。
もちろん催眠中の記憶は消し、行為による結果のみを残しての解除だ。

真里は催眠を解かれ、ぼーっと目を覚ます。
彼女はしばらく朧気(おぼろげ)な表情でいたが、ここがどこであるかを思い出すと、ハッと起き上がった。


「あっ! ……えっ? うそっ!?」


そして自身が何も衣類を身に付けていないことに気づく。慌てて太ももを閉じ、両腕で胸を隠した。


(まさか眠っている間に)


顔色が一気に青ざめる。
身体は小刻みに震え出し、悔しさで目に涙を溜め始めた。

初めての相手は誠と決めていたのに、それがこんな奴らに奪われてしまうなんて……真里は葉巻を吸い、ニヤつく小早川を睨みつけた。


「けだもの! こんなことするなんて……絶対、絶対、許さないんだからっ!」


小早川は全く動じず、ふーっと煙を吐き出し冷静に応えた。


「えーっと、あなた何か勘違いしてない? 
こんなことって言うけど、アタシが何したって言うのヨ?」

「ふざけないでっ! 私を眠らせた後に、あんなことやこんなことをしたんでしょ! エロ同人誌みたいにっ!」

「脱がせたのだけは認めるワ。でもそれ以外は何もしてないワヨ?」

「絶対、嘘っ! レイプしたに決まってる!」


真里は、顔を真っ赤にして怒鳴った。
そんな彼女に小早川は、さも白けた様子で答える。


「フゥー……自意識過剰ネ。あなたなんか、ここじゃ需要ないわヨ? 誰か彼女とセックスしたい人いる? この女生意気だから犯して良いわヨ」


真里は小早川の言葉にたじろいだ。
彼女は黒服の誰かが襲ってくると警戒したのだが、呼びかけに応じる者は誰もいなかった。


「あなたどうかしら?」


小早川が隣の黒服に問いかける。


「いえ、勘弁してください」

「あなたは?」


さらに隣の黒服に問う。


「俺も御免です。小早川さんがどうしてもというのなら我慢しますけど」

「あらそう。でもこんなこと強制できないわネ」


その後も別の黒服に同じ質問をしていったのだが、どの男も心底嫌がっている様子であった。


「ほーら、みんな嫌だって! 
こんな汚らしくてクソ生意気な女、やりたい男なんていないわヨネ」

「じゃ……じゃあなんで裸にしたんですか?」

「今に分かるワ」


小早川は立ち上がると、眠っている誠の傍に寄り、しゃがんで何かを囁いた。

すると誠は目を覚ました。
上半身を起こし辺りを見回し、すぐに自身と真里が裸であることに気が付く。


「真里さん、その姿……」

「誠くん……」


真里はひどく怯えて悲しそうな顔をしていた。
身体の大事な部分を隠し、周りの男達への羞恥と恐怖で震えている。
彼女のそんな姿を見て、誠の中で怒りの感情が沸き起こった。


「彼女に何をした!? 彼女には手を出さないって言ったじゃないか!」


誠は小早川に訴えた。
小早川は少し演技が掛かっているものの、申し訳なさそうに返事をした。


「勘違いさせちゃって、ごめんなさいネ。
服は脱がせているけど、約束通り彼女に乱暴はしてないワ」

「約束通りって……服を脱がせただけでも十分破ってるじゃないか! 早く彼女に服を返すんだ!」

「あらそう。てっきり彼女を傷つけたりレイプしたりしないってことだと思ってたワ。でも服はまだ返せないわネ。あなた達が帰る時に汚れていたら嫌でしょ?」

「汚れるって、どういう……」

「ふふふ、どういうことでしょうネ?
安心しなさい、二人とも終電までには帰してあげるワ。服もその時、返してアゲル」

「!!」


外にいた時は絶対に逃さないという意思で接してきた彼らが、なぜ今更自分から帰すと言い出すのか。
誠には彼女の意図が全く掴めなかった。

ホールの中を見回すも、時計らしきものは見当たらず、終電までの時間は分からない。何をされるのか不安ではあったが、ひとまず真里に容態を尋ねることにした。


「真里さん、大丈夫?」


真里は改めて自分の身体を確認した。
もし本当に犯されたのだったら、男の精子をこの身に受けているはず。
だが膣内に男の体液を受けたような感覚はない。

それにレイプしたなら、わざわざ否定する必要はないはずだ。

拉致、監禁、猥褻。

これだけでも彼らは十分罪を犯している。
今更強姦のみを否認しても意味がない。

真里は微妙な気持ちだったが、とりあえず小早川が言うことを信じることにした。


「はい……たぶん、まだ何もされてないと思います」

「そっか……良かった」


誠は最悪の事態に陥っていなかったことを安堵した。
そんな彼に小早川は言う。


「誠くん、アタシは約束を守っているワ。
だから、次はあなたが約束を守る番ヨ?」

「約束?」


すると鮫島がようやく出番が来たとばかりに立ち上がり、こう言った。


「おまえが俺たちのすることに一切抵抗しないなら、彼女には手を出さないという約束だ」


鮫島は床に座る誠を無理やり立ち上がらせると、抱き締め、そのままキスをした。


「んんっ!?」

「えっ!?」


信じられない出来事に、誠と真里は同時に肩をビクッとさせ目を丸くする。


「んんー!! んんんーー!!」


誠は鮫島のキスから必死に逃れようとした。
しかし二人の力の差はあまりにもかけ離れている。鮫島はお構い無しに、ディープキスを続けた。

唇に舌を差し込み、口内を蹂躙しようとする。
誠は、そんな彼の舌の動きに噛みついて抵抗した。

鮫島は予想していたように、舌に力を込めると、誠の噛み締める力など物ともせず、唇からそれを引き抜く。


「ぷっ……はぁーーはぁーーーはぁーーはぁーー」


誠は、ようやく解放されて荒い息を吐いた。
突然の出来事に心臓をバクバクさせている。

真里もその様子を見つめ、茫然としていた。
まさか恋人が自分の目の前で他人に……しかも男性に唇を奪われるなんて

真里はその行為を目の当たりにして、
ただただ信じられないという気持ちでいっぱいだった。

そしてさらに


(ジュン……)


彼女は自らの身体の異変に気づいた。
それは今まで幾度となく経験してきた感覚、膣壁から愛液が分泌される感覚だ。


(まさか、そんな……)


真里は誠と同じように心臓が高鳴り始めていた。二人のキスを見て、まさか体が興奮しているとでもいうのだろうか 

彼女はその思いを必死に否定した。


(そんなことないっ! 誠くんがあんなひどいことされて、そんな出鱈目(でたらめ)なことで感じるはずないじゃない!!)


真里は息をハァハァと吐きながら、再び誠の方を向いた。


「はぁ……はぁ……急に……何するんだっ!?」


誠は息が整うのも待たずに、鮫島に訴えた。


「おめーこそ、何をするんだ?
今、俺の舌を噛んだよな? それがどういうことか分かってるのか?」


鮫島はドスの効いた声で言う。
誠の目をしっかりと捉え、殺意を込めて睨みつけた。


その眼に誠は怯んでしまった。
彼はこれまで生きていて、殺意を持って睨まれた経験など一度もない。

それに鮫島と誠の構図は、まさに虎と小動物の関係。

鍛え上げられた鮫島の肉体と精神に比べ、
誠のそれは、恭子の催眠術によって限界まで弱められてしまったもの

誠は恐怖で動くことができなかった。


そんな二人を仲裁するように小早川が声をかける。


「もぉーう、サメちゃん。初めてなんだから大目に見てあげましょうヨ? 
誠くん、アタシ達の言っていること、まだ理解していないみたいだしー? 
一言、二言で会話を済ませちゃうアタシ達も悪かったと思うのヨネ。
だ・か・ら、もう一度だけチャンスを与えてあげて?」

「ふんっ!」


そう言い、鮫島は睨みつけるのを止める。
彼の威圧から解放されて、誠はその場にしな垂れてしまう。

そんな誠に間髪入れずに小早川が説明を始めた。


「さっそく約束を破ってダメじゃなーい? 
誠くん、アタシ達に抵抗しないって約束したわヨネ? 
もし、約束を破ったらどうなるか分かっているのかしら?」


小早川はそう言うと、指をパチンと鳴らし黒服達に合図を送る。
すると彼らは即座に真里を囲み始めた。


「えっ?」


またまた突然の事態に、真里と誠は同時に声をあげる。
黒服に囲まれる真里を見て、慌てて誠は叫んだ。


「やめろーー!!」


黒服が真里の身体に触れるギリギリのところで小早川が再度指を鳴らす。
黒服達は動きを止め、まるで動画の逆再生のように元の位置に戻っていった。


「理解できたかしら? 誠くん?」

「…………」


誠は十分理解した。
もし抵抗すれば、真里が危険に晒されてしまうと……


「おい、誠。俺はそんなに甘くねーからな。次、抵抗したら女のことは諦めるんだな」


誠は脅され硬直していた。


「返事しろっ! おめー!」

「は、はい……」


誠は鮫島に圧倒されてしまっていた。
それに加え、真里を人質にされている状態。

彼は従うしかなかった。


あまりにも絶望的な状況。

誠が可哀そうで見ていられなくなった真里は、俯き涙を浮かべていた。
だが小早川は、そんな彼女の様子など、どうでも良いように無情な言葉を言い放つ。


「あなたもヨ。真里ちゃん。
もし逃げ出そうとしたり、アタシ達のすることを邪魔したりしたら
その時は、もっとひどいことを誠くんにしちゃうかもヨ?」

「うっ……うっう……」

「だから、アタシ達を怒らせないようにネ? お返事は?」

「ひっぐっ……は、はい……」


小早川は、真里の背中に回り、しゃがんで話を続けた。


「真里ちゃん、さっそくだけど、アタシの言うこと聞いてくれるかしら?」

「……なんですか?」

「あなたにネ、彼ら二人の行為をずっと見ていて欲しいの」

「………」


真里は答えない。あまりにも残酷なその光景を直視しろと言うのか。
小早川の要望は、到底受け入れられるようなものではなかった。


「あーら? さっそくかしら? 
じゃあ黒服達にも鮫島と一緒に誠くんを犯すように言うわネ」

「待って!!」

「もちろんイヤよネー? じゃーあ、アタシのお願い聞いてくれるかしら?」

「……わかりました」


誠がこれ以上悲惨な目に遭うのは耐えられない。

もちろん彼がこれから受ける屈辱を見るのも耐えられないものであったが、
それでも、できるだけその苦痛を和らげてあげたいと思った。


鮫島が誠に顔を寄せ始める。
誠は顔を背けたいと思ったが、そんなことをしたら真里が危ない。

ただ目を閉じて、ひたすらこの屈辱が終わることを願った。

鮫島の唇が誠のそれに触れる。
女とは違う、男の堅い唇の感触。
目を閉じることによって、余計その感触を敏感に受け取ってしまった。

しかし目を開けることはできない。ただでさえ嫌なこの行為。
目を開けて相手の顔を直視してしまっては、とても耐えきれそうになかった。

女にはない男特有の身体の匂い。
肌に触れる筋肉質な腕、男性から受ける抱擁。

どれも初めての体験であった。

これまで誠は男性に興味はあっても、
身体で相手を選ぶ性格ではなかったため、誰とも付き合ってはこなかった。

だが今はそういった付き合うという段階を省いて、性行為に及ぼうとしている。

なおかつ、恭子から掛けられた『男性器の逞しい男性を好きになる』という暗示が、ここで効果を発揮しようとしていた。


「んんっ! んんっ……ふっ……んーー! んんんん!」


鮫島の舌が再び誠の口内を蹂躙する。
抵抗できず、ひたすら男の舌や息、唾液の味を感じ続けるしかなかった。

それに加えて鮫島の舌技は、男を知り尽くしているのか、感じるポイントを的確に責め続けていた。


「んんっんっ……んふっ……んんっんんーー!」


真里の前で感じている姿など見せたくない。
そう思うものの、舌技の巧みさに喘ぎ声を上げずにはいられなかった。

そして、もちろんそれは真里の耳にも届いていた。


(誠くん……あんな男にキスされて……)


真里は泣きながら二人の行為を凝視していた。

彼女の下半身は、じわじわと熱を帯びていき、まるで水の波紋のように周囲の太ももやお腹にぞわぞわとした感覚を広げていた。


(やだ……誠くんがひどい目に遭ってるのに、身体がこんな……)


元々、腐女子の真里は、
これまで何度もBL妄想で自慰に耽ってきた。

ただでさえ真里の官能を刺激するものが、現実で目の前で行われている。

運の悪いことに、嫌がる誠が、逞しい男性に無理やり犯されるというシチュエーションは、今の彼女にとって天敵であった。

相思相愛な、例えばテトとカールのような関係も良いのだが、
男が男に無理やり組み伏せられるという状態が実に良いのだ。

そう……

誠という最高の受け役。
逞しい竿役の男性。
そして優男(やさおとこ)が無理やり男同士の快感を植え付けられるというシチュエーション。

これら3つの組み合わせは、BLで真里が最も好む組み合わせだったのだ。


(うぅぅ……私、私、最低だよ。
あぁぁだめぇ、気持ちよくなっちゃだめぇ、やめて、今だけ……今だけ……腐女子をやめさせてぇぇぇぇぇ!!)


触ってもいないのにクリトリスが勃起を始める。うねる膣、両乳首も勃起を始めた。

真里の全身が最高のおかずを与えられて喜んでいる。まさにカーニバル状態だ。


(ふぅぅぅぅ……はぁぁぁああ
耐えて私、耐えて……これ以上発情しないで……)


小早川の気配を背中に感じる。
真里が二人の行為を見ているかどうかチェックしているのだ。

ここで目を背けたら、誠がもっとひどい目に遭わせられてしまう。
真里はじっと二人の様子を見つめ、己の中に燃え上がる腐女子の欲情に耐えなければならなかった。


ちゅぽんっ………


二人のキスがようやく終わりを迎える。
ゆっくりと鮫島の舌が誠の唇より抜けていく。


(はぁっ!?)


真里はそこで見てしまった。
鮫島の舌を追いかけるように、誠の舌が唇から出てきてしまったことに。

バチバチ! バチンッッッ!!!

脳に雷が突き抜けたかのような衝撃が走る。


(あああああぁぁぁぁ!!!)


真里は身体に一切刺激を与えず、絶頂してしまいそうになった。
いっそのこと、ここで気絶してしまえたらどんなに良かったことか……

彼女は、必死に秘部に触れたくなる欲求を抑えつけた。
誠がレイプされるシーンを見ながらオナニーなど絶対にするものか。

もちろん触れば最高の快感を得られることは分かっている。
しかしそのような行為は、畜生にも劣るものと真里は考えていた。


まるで恋人を抱くように誠を抱きしめる鮫島。
誠も必死に耐えていたものの、その顔はすっかり上気してしまっていた。


(くっ……真里さんの目の前でこんな男にキスされて感じてしまうなんて……
僕の身体は一体どうなってるんだ?)


誠の身体は、恭子から与えられた催眠の効果により火照ってしまっていた。
それに加えて彼が興奮してしまう理由がもう一つあった。


それは小早川から掛けられた催眠術だ。
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