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霧の寝台

ガチ×ノンケ専門の官能小説 主なジャンル:GL BL NTR 催眠 調教 監禁 男の娘 女装

Part.64 【 二人目の催眠術師 】



壁一面が水槽となったホール内。
全体的に薄暗く、中央のステージだけが明るく照らされていた。

そのステージの中央に裸で眠る二人の男女。
強大な魔の手に、成す術もなく意識を奪われてしまった被害者たちである。

彼らの行く末は、真っ赤なソファーに座る冷たい目つきの女性に委ねられていた。


「しかし、この子も綺麗な身体してるわネ。
サメちゃん、たまにはこういうのを相手するのも良いんじゃない?」


横たわる真里を見て小早川が言った。

霧吹きで謎の液体を吹きかけられた後、
真里も誠同様、浴衣を脱がされ素肌を晒していた。

艶のある髪。シミ一つない白く透き通った肌。
顔の造形も純和風の整った顔立ちをしており、
男なら誰でも喜んでお相手したくなるような美女である。

しかし鮫島は……


「興味ねーな。どうでもいい女だ」


さもどうでもいいように返事をする。
その言葉の通り、彼の男性器は未だに勃起をしていなかった。
決して不能という訳ではない。彼は本当に真里に興味がないのだ。

鮫島は用意された椅子に腰かけ、片手にビールグラスを握っていた。
黒服の一人がクーラーボックスからビール瓶を取り出し、グラスに注ぎ始める。


「まぁ誠ちゃんに比べたら、月とスッポンだから当然よネ。
おちんちんはお毛毛生えてないし、お肌も赤ちゃんみたいだし、これでホルモン打ってないなんて、とても信じられないワ」

「男に生まれてきたのが間違いみてーな奴だよなー」


返事をしながらビールを飲む鮫島
誠を見つめる彼の目は、どことなく熱を帯びているようにも見えた。
真里に対して全く反応しなかった一物も、少しだけ大きくなっているようだ。


「ホントそうネ。
きっと誠ちゃんはニューハーフになるために生まれてきたんだと思うワ❤」


小早川の言葉に、黒服達からドッと笑いが沸き起こる。そのようにして、しばらく彼らの雑談は続いていた。



それから十分後。
時計を確認し、立ち上がる小早川。


「それじゃあ、そろそろ始めようかしら?
薬も十分効いてきた頃でしょ。誰か彼女のことを支えてちょうだい」


黒服の一人が真里に歩み寄り、彼女の上半身を持ち上げる。

小早川は階段を降りて真里の傍に寄ると、指で彼女の瞼(まぶた)を開き、ペン型のライトで瞳孔(どうこう)をチェックし始めた。


「十分催眠状態に入っているようネ。始めるわヨ」


小早川は首と肩を鳴らし深呼吸をすると、静かに語り始めた。


「貴女は今、とっても素敵な場所にいるの。
身体がふわふわと浮かんで、まるで天国にいるみたいな心地いい場所」


先ほど真里と会話をしていた時とは全く違う、子供をあやすような優しい声色だ。
その声に反応して、真里の瞼がピクピクと動く。


「アタシの声に従うと、その心地よさがどんどん増していく……ほーら、ゆっくり息を吸って……」


静かに呼吸を始める真里。


「ゆっくり吐いて~
吐くと、心の中の嫌な気持ちがどんどん抜けていくワ……」


真里は暗示に従い、深呼吸を繰り返す。
呼吸を重ねる度に、緊張して硬くなった身体が解(ほぐ)されていった。


「イメージして御覧なさい……空に浮かぶ雲の隙間から光が漏れてるワ。ふわふわと浮いた貴女はその光に沿って天に昇っていくの……
とっても素敵な気分……温かくて……気持ちがいい……」


真里は口を半開きにし、幸せそうな表情を浮かべている。そうして小早川は暗示を繰り返し、催眠状態を深化させていった。


(だいぶ効いてきたワネ。そろそろかしら?)


小早川は黒服に離れるように言うと、
黒服は真里を床に降ろし、元の場所へと戻っていった。

仰向けで眠る真里に、小早川は暗示を続ける。


「貴女の前に、男の人が二人いるワ。
一方は貴女の彼氏の誠くん、もう一方はとても逞しい筋肉質な男の人ヨ」


頭の中に誠ともう一人の男性をイメージする。
普段からBL妄想を嗜(たしな)んでいる真里にとっては、定番とも言えるイメージである。


「よぉーく、聞きなさい……
貴女は、実は男の人同士が仲良くしている姿を見るのが好きなの……
男の人同士でキスしたり、身体を撫で合っている姿を見るのが大好物なのヨ」


その瞬間、真里の身体が一気に硬直する。

「なぜそれを?」と焦っているかのような反応だ。

小早川は、その反応に慣れているのか、冷静に対処する。


「大丈夫、わかっているワ……
そんな気持ちの悪いもの好むはずないって思うのよネ? でも貴女は男の人好きでしょ? 今貴女の目の前にいるのは、どっちも男。
両方とも男だから、ダブルでお得だと思わない? 思うわよネ?」


真里はウンウンとしっかりと頷いた。
小早川の意見に概ね同意のようだ。

それはまるで同じ腐女子仲間に共感するような反応であった。


(あら、意外ネ?
この段階でここまではっきりと頷く女は今までいなかったワ。
大抵の子は思いっきり否定するものなのに
この子、よっぽど頭がトロイ子なのかしら?)


真里が腐女子であることを知らない小早川は、
あまりにも簡単に暗示が効いてしまうことに拍子抜けしていた。

本来なら、ここで否定する相手の感情を宥(なだ)めなくてはならず、
彼女にとって、もっとも苦戦する場面であるはずだったのだが、
真里の様子を見る限り、その必要性は全く感じられなかった。

彼女は試しに次の段階に進んでみることにした。


「ホラ、見て? 貴女の彼氏が、隣の男性にキスされているわ。
もちろん興奮するわよネ?」


小早川の言葉を聞き、真里は頷き軽く息を漏らした。トロンとした目つきで、想像の中の二人の姿にウットリしているようだ。


(やっぱりバカなのネ。
〇✖大生だから警戒していたけど、誠ちゃんもこの子も大したことないわネ)


催眠術は、無理な暗示をかけると、脳が覚醒し催眠状態が解けてしまう性質がある。

だが覚醒しないよう慎重に催眠を掛けていた恭子と違って、
小早川は、覚醒する者を霧吹きで何度も催眠状態に戻らせ、強引に洗脳する方法を使っていた。

いくら覚醒しようとも、誰もここから逃げることはできない。
覚醒のデメリットなど、彼女にとって少し面倒くさい程度の認識しかなかったのである。

しかしこの真里という女性は、覚醒を心配するほど頭の良い人物ではないようだ。
頭が回るほど、覚醒の頻度が高くなることを彼女は知っていた。

覚醒の煩わしさがなくなり、小早川はより大胆な暗示をかけ始めた。


「そう、貴女は男の人同士がキスしている姿が好き。見ているだけで、おまんこが濡れてきちゃう……」


じんわりと股間が熱くなるのを真里は感じていた。
太ももを擦り合わせ、もじもじと動く姿が見て取れる。


「ほら、遠慮せずに乳首を触ってごらんなさい……とっても気持ちいいわヨ?」


小早川に言われた通り、乳首に指を添える真里。
ピリっと刺すような快感が身体を突き抜け、彼女は声を上げた。


「ンッ……」

「男の人同士が過激なことをすればするほど、その気持ち良さは何倍にもなっていく……ほら……貴女の彼氏が、男の人におちんちんを撫でられているワ。とっても過激で気持ちいいわネ?」

「ンンンッ……ンンンンッ……」


真里は乳首を指先で摘み、プニプニと刺激を与えている。あまりの気持ち良さに、身体が震え始めてしまっているようだ。

ニタニタとその様子を眺める小早川。
普段よりかなり早い展開ではあったが、彼女は仕上げに入ることにした。


「じゃあそろそろ、おまんこを触りなさい。
貴女の彼氏が四つん這いになって、男の人にお尻を向けているワ。
逞しい黒光りした男根が、柔らかいお尻に少しずつ入れられていって、奥に進むにつれて、貴女の彼氏は可愛らしい声で鳴いちゃうの……」

「あぁんっ! はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」


自らが生み出した愛液でビショビショに濡れた花園。真里は二本の指で勃起したクリトリスを挟み刺激を与えている。


「男の人が、腰を振り始めたワ。
ぐいぐいとストロークを大きくしていって、その動きに合わせて貴女の彼氏も腰を振っている……

見てご覧なさい……とても幸せそうな顔よネ?
男の人におちんちんをお尻の奥まで突かれて、発情した小動物のようにキャンキャン鳴いている……

おちんちんの先からもエッチな液が飛び出して水たまりみたいになってるワ。
こんな素敵な光景を見たら、直接彼氏とエッチするのなんかどうでも良くなっちゃうんじゃない?」


お好みの妄想を他人から与えられて、嬌声を上げる真里。
彼女は唯一、『彼氏とエッチするのなんかどうでも良くなる』という部分に引っかかりを覚えたが、ここまで発情させられてしまっては、もはや抗うことなどできなかった。


「貴女は、彼氏とエッチするよりも、彼氏が男の人とエッチしている姿を見る方が好き。男同士のエッチを目の当たりにしたら、オナニーがしたくてしたくて、たまらなくなっちゃうのヨ。
さあ、アタシが今から言う言葉を繰り返して……」


小早川はオナニーに没頭する真里の耳元に口を添えると言った。


「私は男の人同士のエッチが好き、男の人とエッチするよりずっと好き」

「私は……男の人同士のエッチが好き……男の人とエッチするよりずっと好き」

「さぁ、もう一度……」

「わ……私は……男の人同士のエッチが好き、男の人とエッチするよりずっと好き!」

「いいわヨ……何度も自分に言い聞かせなさい……」


繰り返し自己催眠を繰り返させられる真里。



「さぁもっとヨ!大きく叫べば叫ぶほど、もっと気持ちよくなれるワ!」

「私わ!! 男の人同士の、エッチがすきぃいいい!! 男の人とぉおお!! エッチするよりぃぃ!! ずっと、好きぃぃ!! あっあっ! あんっ❤」


「次で最後ヨ! 次叫べば、貴女は今まで感じたことのないような気持ち良さを感じられるワ! さぁ思い切りいきなさい!」

「ワタシわああぁぁ!! 男の人同士のぉぉ!! エッチがすきぃぃ❤ 男の人とぉぉぉおお! エッチするよりずっと好きぃぃいい!! あああぁぁぁぁ!!!」


真里は思いっきりグラインドすると、叫びながらイッてしまった。
盛大に潮を辺りにまき散らし、それはそれは大きな絶頂を迎えてしまったのである。



※※※



はぁはぁと荒い呼吸を繰り返す真里に、小早川は更なる暗示を与えた。


「とっても気持ち良かったでしょ?
貴女はこの気持ち良さを忘れることができない。
貴女が何度も繰り返した言葉は、貴女の心の奥底に刻まれてしまったの。
もう二度と剥がれることはないワ……」


真里は小早川の言葉を聞きながら、ぼーっと天井を見上げていた。

元々BL好きな真里にとって、
小早川の暗示はそこまで影響のあるものではなかった。

例えば、催眠を受ける前の真里に、誠とエッチするのと、誠が男とエッチしてる姿を鑑賞するのと、どちらか選ぶように言ったなら、彼女はどういう反応を示しただろうか?

もちろん相手にもよるのだろうが、例えば相手がダンディーな男性であったり、美男子であったなら、建前では前者を選ぶであろうが、本音では後者を選んだであろう。

それくらい真里という女性は重度の腐女子だったのである。


小早川のここでの大きな失敗は、『彼氏とエッチするのなんかどうでも良くなる』という文言で責めずに、『彼氏とエッチするより、彼氏が男の人とエッチしてる姿を見る方が好き』という文言で責めてしまったことである。

これにより、真里の誠への性的欲求は失われずに済んでしまったのだ。


とは言え今回の自慰行為により、真里の身体は激しく高揚してしまっていた。
これがこの後の責め苦に影響を及ぼすことになるのは明らかであった。
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