ペロペロペロ……ぬちゃ……くちゅぅぅぅ……ちゅっちゅっ……レロレロレロォ……
生々しい水の音が聞こえ、ぼんやりと目を覚ます。
恭子は、背筋と腰にゾクゾクとした痺れと、
左右に広げられた両足の間に、優しい圧迫感と暖かい吐息を感じていた。
いつの間にか男の朝立ちのように、尖り切ってしまったクリトリス。
ぐっしょりと濡れぼそり、ピクピクと震えているのがわかる。
カーテンの隙間から朝日が差し込み、
そこを猫のようにペロペロと舐める影を照らし出す。
「ん……はぁ……またなの……直美」
その声を聞き、耳をピクンとさせ、顔を上げる直美。
トロンとした艶めかしい表情。愛する人の女芯を味わった唇は厭らしく濡れていた。
いつからこうされていたのだろうか?
既に恭子の身体は、この悪戯な子猫の舌先から生み出される甘い快感に支配されようとしていた。
口元をペロンと舐め、直美が返事をする。
「キョウちゃんおはよー♪やっと起きたんだねっ!」
「おはよう……じゃない……わよ…………はぁ……はぁ……」
抗議をしながらも、すっかりと火照ってしまった身体。
抵抗する意思はあれども、既に身体が更なる刺激を求めてしまっている。
直美はその反応に満足すると、身体を左右に揺らしながら、恭子の控えめに膨らむ胸へと向けて前進を始めた。
既に恭子のシャツのボタンは全て外され、
透き通るように白い素肌が外気に晒されていた。
直美の乳首の先端が、ツツツーっと露わになった恭子の皮膚をなぞる。
その僅かな刺激さえも、恭子の官能を高めるには十分であった。
直美は、覆いかぶさるような姿勢で、目的の場所へと到着すると、
ほんのりとピンク色に染まる桃の果実を、唾液をしっかり絡めて味わい始めた。
ちゅる……ちゅうぅ……レロレロレロレロ……あむあむ……ちゅぅぅぅぅ
「んん……んふっ、はあぅっ……あ……はぁぁんっ!!」
唇と舌の裏筋で、中心にある突起にたっぷりと甘美な刺激が与えられる。
同時に優しく触れる手。
ほんのりと感じる人肌の温かさと、ふわふわと揉まれる嬉しさで、
抵抗していた恭子の気持ちも、次第にほころび始めてしまう。
「ふふふ……キョウちゃん、お顔とろっとろだよ♡」
「あぁんっ、だめぇ……こんな朝から……んんんっ!!」
直美は、素直になる魔法をかけるように、ツンデレな音を発する唇に、触手のようにうごめく舌先を挿入した。
「んちゅっ……ぢゅっぢゅっ、あむっあむっ……れろ~ちゅぅぅぅぅぅぅ、ちゅっ♡ちゅっ♡ちゅっ♡」
じっくりこってりと口内を嘗め回され、思わず自らも舌を差し出してしまう恭子。
直美は、それを唇で甘噛みをし、優しく吸い寄せる。
じゅるぅぅぅぅぅぅ――――――
「んんぅっ……んんんんっ……」
音を立てて溜まった唾液を吸い取られると、
それだけで直美に支配されているような背徳感を感じてしまう。
起きてすぐに受ける刺激に、徐々に恭子の意識が回復してくる。
「キョウちゃん、どお? 目が覚めてきた?」
「うん……はぁはぁ……覚めたから……もう十分……ぁん……覚めた……からぁ……」
「じゃあ、もっと気持ちよくしてあげるね♡」
そう言い直美は、お互いの下半身の硬く尖り切った突起を重ね合わせ、恭子の背中と腰に手を回し抱き上げる。
そして軽快なリズムで腰を振ると、くちゃくちゃと濡れぼそった性感の塊同士を叩き合わせた。
パンッ――パンッ――パンッ――パンッ――パンパンッ――パンパンッ――
「あっ! あぁぁぁぁぁ♡はぁっ! あぁぁっ♡ふぁぁっ♡はぁぁっ♡あっ♡あっ♡あぁん♡」
髪を振り乱し、恋人から与えられる刺激に歓喜の声を上げる恭子。
そんな声を、自らの口内で味わってみたくなった直美は、
恭子の後頭部に手を回すと、しっかりと唇同士を結合させた。
「あむっ……ンフッ♡フンッ♡ンンッ♡ンンッーー♡フンッーー♡♡ンンンンッ♡」
口の中で恭子の喘ぎ声が振動する。
その刺激が愛おしくて、恭子の髪を撫であげる。
恋人から与えられる優しい愛撫に、
恭子の抵抗の気持ちは消え失せ、ひたすら与えられる愛を全身で受け取っていた。
そうしてじっくりと唇を合わせながらも、腰の動きは続けていく。
ある種男のように力強い腰の動きで、正確に秘貝同士を捏ねくり合わせる。
逞しくピンと張った直美のクリトリスは、女らしく控えめな恭子のそれをしっかりと捉え愛撫していた。
髪を撫であげ、舌を絡ませ、時折尖った乳首同士でキスしながらも、同時にクリトリス同士も捏ねくり合わせる。まさに運動センス抜群の直美ならではの動きであった。
「ンンンンッ♡♡ウン♡♡ウンッ♡ンンンッ♡♡」
恭子の喘ぎ声の変化を捉え、唇を離す直美。
「かわいい声♡ イキそう? キョウちゃん、イキそうなのぉ?♡」
「あっ……はぁんっ♡そう……もお、ダメなのぉ♡イっちゃうの♡♡貴女が……上手すぎて……ハァっ♡もうダメなのぉ♡♡」
次から次へと与えられる快感で、すっかり出来上がってしまった恭子。
目を潤ませ、直美に向かってもっともっとと愛撫を求める。
普段は凛としてスマートな彼女が、甘えた声を出すのが嬉しくて、直美はつい意地悪を言いたくなってしまった。
「へ~~~~そんなにダメなんだぁ……ふふふ……♡
あたしがここで止めちゃったら、キョウちゃんどうなっちゃうのかな~?♡」
腰の動きをゆるやかにして、ニヤニヤと恭子を見つめる直美。
「あぁんっ……だめぇ……ここで止められちゃったら、わたし……おかしくなっちゃう……
もっと……もっと貴女の全身で、私のことをイカせてぇ……お願い♡」
普段は出さないような甘えた声で懇願する恭子。
「すっかり素直になっちゃったね♡キョウちゃんは激しいのが好きなのかなぁ?♡」
「うんっ……直美の激しいの……もっとちょうだい♡」
「わかった! 愛するキョウちゃんの為だもの。
もっと速度上げてあげるね~~~♡♡♡えいえいえいえい♡♡♡」
自らを求めてくれるのが嬉しくて、愛する恭子がもっと喜ぶ姿が見たくて、直美は全力で腰を打ち付けた。
パンパンパンパン!! ――グリュグリュグリュグリュ――パンパンパンッ! パパンッ! パパンッ! パパパンッ!!
「あぁあああああああ♡♡いくぅぅぅぅぅぅ♡♡♡いっくぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ビクビクビクビクッ!!!! ビクンッビクンッ!!!!!!!!!!!! ―――――――
あまりにも巧みな直美の腰使いにより、激しい声を上げて恭子は限界を迎えた。
何もかも満たされた幸せな表情。すっかり翻弄されてしまった身体は赤く染まり、
また一段、直美からの刺激を素直に受け取れる身体へと変化させられてしまった。
※※※
ジャーーーーーーーー
シャワーから噴出される水の音が浴室内に響き渡る。
少し不機嫌そうな恭子と、今日もしてやったりといった直美。
二人は並んで一つのシャワーを使いあっていた。
「いくらエッチが好きでも、毎朝こんなことされていたら身体が持たないわよ……」
「だって~~キョウちゃんの隣で寝てたら我慢できるわけないじゃん」
「じゃあこれからは別々に寝る?」
「それはもっとヤダー!」
「直美がこのまま、毎日エッチするって言うなら、私も少し考えなければいけないわね……」
「え~……わかった……じゃあ週七回から六回に減らす……」
「そこは五回にしなさい……」
「そこまでは譲れないよ! キョウちゃんとのエッチ、週二回も我慢するなんてあたしには耐えられないっ」
「朝だけでしょ。夜は毎日してるじゃない……」
「え~……もしかして、キョウちゃん……あたしとのエッチ飽きちゃったの……?」
直美が悲しそうな表情で尋ねる。
恭子はその表情に弱く、直美もそれがわかっていて、敢えてそういう顔をしていた。
とはいえ、元はと言えば、
直美がここまで女同士のエッチにハマってしまったのは、恭子の催眠術が原因なのだ。
直美が恭子の家に泊まりに来るたびに、女同士のエッチへの依存心を高めていき、
女性に性的な欲求を持つように変えていった。
それが行き過ぎたために、
現在の直美は、男以上に女性への性的欲求が高くなってしまっていた。
その結果、毎日エッチをするようになってしまったのだ。
元々身体的な能力は、直美の方が圧倒的に優れていたため、
今では、完全に直美が攻めで、恭子が受けの状態である。
恭子は、催眠術をかけた側にも関わらず、連日直美から受ける激しいセックスにより、少し触られただけで、ドキドキして股間を濡らすようになってしまっていた。
恭子の身体を知り尽くした直美は、恭子の身も心も掌握してしまっていたのである。
「ううん……そういうわけじゃないんだけど……」
「じゃあ……あたしとのエッチ……どう思うの?」
「……直美とのエッチは激しくて……優しくて……温かくて……いつも気を失いそうになるくらい気持ちいいわ…」
直美はシャワーを壁に掛けると、恭子の背中に腕を回した。
顔を近づけ、じっと恭子の眼を見つめる。
「へぇ~、気を失いそうなくらい気持ちいいんだ~♡そんなに良いんだったら、六回でも良いよね?」
「ろ……六回は……少しおおい……んんっ」
恭子の唇を直美の唇が塞ぐ。
んんっ……ちゅっ……ちゅぱ……ちゅぅぅぅ……んんんっ……ちゅぱ
「気持ち良いんでしょ……? 六回で良いよね? キョウちゃん♡」
「はぁ……んんっ……六回で……いぃわ……♡」
つい甘えた声で返事をしてしまう。キスだけでメロメロにされてしまう恭子であった。
(うぅ……まさか、私が直美にここまでされてしまうなんて思わなかったわ……)
とは言え、こうして毎日直美から求められるのは、
今まで孤独だった恭子からすると、十分幸せな日々なのであった。
※※※
ジューーーーーー……
朝御飯のチャーハンを作る恭子。
材料は前の日に作った八宝菜の余りの野菜を使っていた。
「直美―、お塩取ってくれるかしら? 味の素もお願いね。
あと、お皿もテーブルの上に並べて、時間あまりないからスープは適当にインスタントのを選んでね」
「もう、キョウちゃんばっかり料理作って、あたしにも作らせてよー」
「あのね……ここに引っ越してきてから、もうお鍋五個もダメにしちゃったでしょ……
直美は、しばらくお料理禁止よ。ただでさえ近所にボヤ騒ぎで迷惑かけているんだから、少し自重しなきゃダメよ」
「しばらくってどのくらい~?」
「ん~とね、半年くらいかな?」
「え~! ちょっと長くない~?」
「そうねぇ~じゃあ一週間でいいわ」
「ん~~~~~~そのくらいだったらいっか」
渋々、納得する直美。
最初に敢えて長い期間を示して、後から本命の期間を言う。
エッチでは苦戦をしていたが、普段の直美の扱い方にはそれなりに慣れていた、
直美は料理下手ではあるが、
恭子は基本的に、直美の手料理を食べたいとは思っていたので、
そこまで長い間禁止にすることは考えていなかった。
美味しかろうとまずかろうと、直美の手料理であれば大歓迎なのだ。
ただし、食べられるものであればだが……
※※※
それから二人は大学へ向かい、
午前の講義を終え、所属するサークルへと向かっていた。
そこへ、二人を見つけた髪の長い可愛らしい服を纏った女性が、走り寄りながら声をかけてきた。
「あっ! キヨちゃん、ナオちゃん、おはよ~!」
「あ、マコちゃん、おはよ~!」
マコちゃんと呼ばれた女性。
バッチりメイクをしたこの女性はなんと“誠”だった。
大学に入った誠は、それから数か月して女装で過ごすようになっていた。
恭子の協力もあり、直美には無事女装と性的指向の変化を受け入れてもらっていた。
最初は驚いていた直美だったが、彼女自身も男性より女性の方が好きになっていたこともあり、
むしろ女性の誠の方が一緒にいて落ち着くと言うようになり、
今では、三人仲良く和気藹々と過ごすようになっていた。
「ねぇ、マコちゃん。大学に入って結構経つけど、そろそろ良い人見つかったんじゃない?」
「う~ん……途中までは良いんだけど……やっぱり男ってバレると引かれちゃうんだよね……」
恭子の問いに、少し俯き加減に答える誠。
あまり上手くはいっていない様子だ。
「そっか~じゃあ私の方でも、良い人いたら紹介するわね。もちろん、男もOKって人を探すわ♡」
「ありがと~キヨちゃん♡ ところで、そういう二人は相変わらずラブラブなの?」
誠がお返しに質問をする。
「えへへ~~言わなくてもわかるでしょ~♡」
恭子の代わりに直美が返事をする。
「キョウちゃんったら、あたしにメロメロでね! 今日も朝からおっぱいとクリちゃんを、んぐぐぐぐっ……」
両手で恭子が直美の口を塞ぐ。
「だから、そういうことは公共の場で言わないのっ!」
顔を赤らめ、注意する。
「羨ましい……わたしも早く二人みたいに付き合える人が見つかるといいな~♡」
にこやかな表情で言う誠。もうすっかり二人の関係を認めている様子だ。
三人はワイワイと雑談をしながら部室へと向かっていた。
※※※※※※※※※
と、まぁ……これが私の今の生活の様子。
あれから私たちは同じ大学に入り、
新しく設立した服飾系のサークルで、自分たちで服をデザインしたりしている。
出来た服は、私やマコちゃんががモデルとなり、企業の展示スペースなどを借りて公開している。
最近は徐々に注目を浴びるようになり、
企業関係者から、名刺を渡されるようにもなってきた。
実際に展示場に来たお客さんに、服が売れることも多くなり、商売の方は上々だ。
あの後も、マコちゃんに退行催眠を続けた私は、直美との出会いから卒業に至るまでの記憶を改変した。
マコちゃんには、直美は元から同性愛に興味があったと思わせている。
そして、二人が付き合ったのは、単なる気まぐれで、
いつ友達に戻っても良いような、軽い関係だったということにした。
そのため、直美が私と付き合うようになっても自然の流れだと感じてくれたようだ。
そうして無事、二人の関係を認めさせたところでマコちゃんを開放した。
それから数日間は、女性の心を植え付けられ戸惑うこともあったようだけど、
日が経つにつれて、新しい自分に溶け込んでいき、今では自他ともに認める女性へと変身した。
まだ男性器は取っていないけど、誰か良い人が見つかって、
本格的に付き合うことになったら取ることを決めるかもしれない。
その時は良いお医者さんを紹介してあげようと思う。
自分と直美はというと、
他のサークルメンバーにも、二人の関係を受け入れてもらって、毛嫌いする人は誰もいない。
相変わらず直美には振り回されることが多いが、いつも一緒で夢のような日々を過ごしている。
これまでの人生で、今が一番幸せな時だと思う。
そしてこれからも、その時々が人生で最高の時であればと思う。
しかし、ふと思うことがある。
今の直美もマコちゃんも、いわば作られた人格で、
私は本当の意味では、大事な友達を二人とも失ってしまったのではないかと……
その事実を忘れている時だけ、私は幸せでいられる……
これまでも、そしてこれからも、その事実は私のことを苦しめ続けるだろう……
催眠によって作られた幸せ。
もしかすると、催眠によって一番作り替えられてしまったのは、
私なのかもしれない……