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霧の寝台

ガチ×ノンケ専門の官能小説 主なジャンル:GL BL NTR 催眠 調教 監禁 男の娘 女装

Part.31 【 告白 】


「目を覚ましてキョウちゃん……」


再び目を覚ますように言う直美だったが、
恭子は素直に応じることはできなかった。

直美の突然の懺悔。
そして覚醒を促す行為。

あまりにも展開が急過ぎて、恭子は対応に苦慮していた。

この後、直美はどうするつもりなのだろうか?
目を覚まさせ、全てを話して謝罪するつもりなのか、
それともこのまま何事もなかったかのように終わらせるつもりなのか?

もう既に4年以上の付き合いになるが、
人の心の微妙な変化やニュアンスに敏感な恭子でさえ、
直美の次の行動を予測するのは難しかった。


ましてや、今はこんな状況だ。


(直美は単純だから、
どうにかこちらのペースに飲み込んで、
うやむやなうちに片づけられれば良いんだけど……)


そうは思うものの、できない理由があった。


なぜなら、今二人は上半身裸で、
胸をさらけ出している状態だったからだ。

例え女同士であっても、ベッドの上で裸で目覚めたなら、普通は驚くはずだ。

そのことに触れず、衣服を着て何事もなかったようにしたなら、
いくら単純な直美でもおかしいと思うはずだ。

最悪、恭子が催眠にかかっていなかったことがバレる可能性だってある。
そうなれば、直美との関係は破綻しかねない。

まずは、そのことについて話さなくてはならない。
それによって直美の次の行動がわかるはずだ。

恭子は、ありとあらゆる可能性を考慮して、
全力で直美に立ち向かうことにした。



※※※



「直美………どうして私たち……裸なの?
……説明してもらえるかしら?」


目が覚めてからの恭子の第一声だ。

直美がこの件を、どうするつもりなのか?
まずはそこを見極めなければならない。


「………………」


長い沈黙が続く。

直美はまるで電池の切れた人形のように、無表情だった。
何を言われているのか、わかっていないような、そんな表情にも見える……


(あれ……? あたし、今キョウちゃんに何を言われたんだろう……?
裸って言っていたような……?)


自らの姿と、恭子の姿を確認する。

裸だ……

そしてここはお風呂場ではなく、恭子の部屋の中。

直美は、そこでようやく恭子の言葉の意味を理解した。


(_________________アッ!)


その瞬間、直美は凍り付いてしまった。
パァーっと目を見開き、やってしまったという表情だ。


(ヤバイヤバイヤバイヤバイ………
催眠解く前に服着せるの忘れてた!! どうしよう……どうしよう……)


直美は自分がかけた催眠術の方に意識が行き過ぎてしまい、
自分達が今どんな姿でいるのか、全く気付いていなかったのだ。


「え……えーっと……、こ、ここここれはねっ!
あの……その……えっと……」


急な展開に慌てはためく直美。

「あなたとエッチなことをするため、服を脱がせました」などとはとても言えない。


「キョウちゃんが裸なのは……その……、うんと……ええっとぉ……」


どうしたらよいのか分からず、
困り果てている直美を見て、恭子は少し安心していた。


(良かった……この件を話すわけでも、秘密にするわけでもなく……
本当に…………本当に何も考えてなかったのね……)


恭子にとって、人生最大のピンチであったが、
直美が全く何も考えていなかったおかげで、だいぶ救われる形となった。

直美に明確な意思がないのであれば、主導権を握れる可能性は大いにある。
望んだ方向に持っていくべく、恭子は誘導を始めた。


「はいはい、落ち着いて……
大丈夫、怒ってないから……まずは何があったのか、順番に説明して頂戴」

「う、うん……」


“順番に”と言ったのは、あくまでも何があったのかを“小出し”にさせるためだ。

今回の件はあまりに問題点が多すぎる。
その全てを一度に出されては、いくら恭子でも解決することはできない。

恭子のフォローに少しだけ冷静さを取り戻すことができた直美は、
子供のように首を縦に振ると、たどたどしく事の経緯を話し始めた。



※※※



恭子は直美の説明に軽く相槌を打つだけだったが、
話が誠のことになると口を開いた。


「そう……私は誠くんのことが好きで付き合いたいって答えたのね……」

「ごめん……こんなこと……催眠で聞くなんて間違ってるよね……」

「ううん、そんなことないわ。むしろ定番の質問ってところね」


なるべく直美が思い詰めないように、恭子は言葉を選んだ。

直美が自分でしたことを”大したことじゃない”と思ってくれたら良いのだが、
催眠をかけていた時の様子を思い出す限りでは、そう簡単にはいかないように感じられた。


「でも、どうしてそんな質問したのかしら?
今日は直美の方から催眠をかけたいって言い出したから、
珍しいなと思っていたのよ。
何か聞かなきゃいけない理由があったのよね?」

「キョウちゃんが、この前、誠と抱き合ってるのを見てつい……
それにあたしの知らないところで、二人が会ってるって聞いて、
本当のところはどうなんだろうって……」


(……)


こんな時、第三者だったら、どう思うだろうか?

別れた理由にもよるだろうが、
女は振った相手が誰と付き合おうとも、普通は気にならないものだ。
もし気になるのなら、
それは別れた彼にまだ未練が残っているということになる。

しかし、直美は”誠が恭子に取られてしまう”と思って、
催眠をかけたのではない。
“恭子が誠に取られてしまう”と思ったから、催眠をかけたのだ。

恭子はどうするか迷ったが、
とりあえず何も知らないふりをして会話を続けることにした。


「別れたとは言え、
つい先日まで誠君と付き合っていたんだから、気になるのは当然よね……
ごめんね、直美。ずっと黙ってたりなんかして……

誠くん、直美と別れてから、ずっと落ち込んでたのよ……
直美となんとか寄りを戻したいって……
直美に話したら、きっと気にするだろうと思って黙ってたの。

誠くんと会ってたのも、卒業式の日に抱き締めてたのも、
全て誠くんを励ますためだったの。
特別何かあったわけじゃないわ……」


催眠中に答えたことをもう一度繰り返した。
少々説明足らずなところもあるが、
既に答えを聞いている直美にはこれで十分なはずだ。


「うん……それはもうわかってる……それも催眠で聞いちゃったから……」


直美は、何か思い詰めたような顔をしている。
おそらく恭子に催眠をかけて、自分の好きなようにしようとしたことを、
気にしているのだろう……


「直美が元気がないのは、私が誠くんと付き合いたいって言ったから?
催眠中にどう答えたかわからないけど、きっと直美の勘違いがあると思うの。

ほら! 私ってあんまり男の人に興味なかったじゃない?
もし男の人だったら、誠くんが一番マシって、
そのくらいの軽い気持ちだったのよ。

直美が気にしているのに、誠くんと付き合ったりなんか絶対しないわ」


誠よりも直美の方が大事と、はっきり言ってしまいたいところだが、
一度、誠のことを好きと言ってしまったため、
何を言っても誤魔化しにしか聞こえないだろうと恭子は思った。


「キョウちゃんが誠のことを好きになるのは別に良いの……
あたしはもう誠と元に戻りたいとは思っていないし、
二人が付き合いたいなら、それで良いと思っている。
あたしが気にしているのはもっと別のこと……」


直美は棚のティッシュを取ると、軽く鼻をかんだ。
かんだティッシュをゴミ箱に捨て手で目を拭うと、改めて恭子に向き合った。


「ごめんね、キョウちゃん。
あたし……、催眠かけちゃったの。
キョウちゃんがあたしのことを好きになるようにって……」

「……何言ってるの?私は直美のこと大好きよ。
今さら好きになるように催眠をかける必要なんてないじゃない?」


言ってる意味は本当はわかっている。
直美は、親友ではなく恋人としての恭子を望んでいるのだ。
しかしそこに恭子は触れることはできない。


直美はもちろん首を横に振った。


「ちがう……そういう事じゃないの。
あたしはキョウちゃんのこと、“恋人”として好きなの……
友達としての好きじゃなくって……、愛してるの……」

「……直美」


恭子の心が揺れる。
こんな状況でもなければ、
すぐにでも直美のことを抱きしめて受け入れたであろう。

しかし、それではあまりにも矛盾が生じてしまう。
直美を納得させられるだけの言葉を、恭子はまだ出しきれてはいないのだ。

せっかくの愛の告白を素直に受けとれず、悔しくて思わず唇が震えた。

直美には、恭子のその表情が何を意味するのかわからなった。

親友だと思っていた友人から愛していると言われ、
ショックを受けているのかもしれない。
恭子を異性愛者だと思っている直美には、自然とそう思えた。


「それで……あたしは……
キョウちゃんがあたしのことを愛せるように催眠をかけようとしたの……
キョウちゃんが誠のことが好きなのを知ってて……
それでも諦めきれなくって……」


そこで言葉を詰まらせる。
直美は両手を握りしめ、自身への怒りで身体を震わせている。


「でも途中で気が付いたの……
キョウちゃんの幸せのことを考えていない自分に……
自分のことしか考えられない最低の自分に……!」


自身を責める心が、激しく心臓を動悸させる。
瞳からは、涙が滴り頬を悲しく濡らしていた。
声も絶えだえになりながらも直美は続ける。


「だから……だから……
あたしには、キョウちゃんに好きになってもらう資格なんてないの……
今まで……ううぅぅっ……
キョウちゃんに色んなことで助けてもらって……
いつも一緒にいてもらって……励ましてもらって……
それなのに……それなのに……ごめんね……ごめんね……」


恭子は言葉が出なかった。

直美が言っていることは、
ぴったりそのまま自分に当てはまることだったからだ。


“自分のことしか考えられない最低の自分。”

“好きになってもらう資格なんてない。”


普段から、目を背けている現実に、
無理やり向き合わされた恭子は、身体を動かすことができなかった。


そんな恭子の姿を見て、直美は心を決めた。


「もう二度とキョウちゃんに会わないことにするね……
大学も合格したけど入るの辞める。
せっかくあんなに勉強手伝ってくれたのにごめんね……
さよなら、キョウちゃん……今まで本当にありがとう……」


直美はそう言い、着替えを手に取ると、
ドアを開け一目散に部屋から飛び出した。


(……待って!)


まさに一瞬。
恭子の心の切り替えの早さが功を奏した。

廊下に出て駆け足で階段をかけ降りる直美を、
怪我をすることも厭わず追いかけた。


(ここで追いつかなければ、永遠に直美に会えなくなる気がする)


恭子が階段を降りた時には、
既に直美は靴を履こうとしているところだった。

直美が玄関のドアノブに手をかけたところで、
恭子はなりふり構わず、直美の背中に飛びついた。


「待って!! いかないで!! 直美!!!!」

「離して!! 行かせて!! キョウちゃん!」

「絶対に離さない!! 絶対に行かせないから!!」


追いかけた際にどこかに引っ掛けたのだろうか?
恭子の足からは血が流れ始めていた。

必死に叫ぶ直美の目に、その足が映り込んだ。


「キョウちゃん、怪我してるよ……
早く消毒して包帯巻いた方が良いよ……」

「はぁ……はぁ……
あなたが出ていかないって決めたらそうするわ。
あなたがケガさせたんだから、あなたが治療するのよ。
悪いと思っているんだったら……それくらいのことしてくれても良いでしょ……?」


ともかく今は直美と一言でも多く話をしなくては……
きっかけはなんだっていい、
この怪我が直美を引き留めるものになれば好都合だ。


「うぅ……痛い……
ここまでのことをして……
まさかケガをして苦しんでいる私を放って出て行ったりしないわよね?
直美……うっうっう……
そんな……ひどいこと……ひっぐ……しない……わよね……」


そう言うと恭子は泣き出してしまった。
痛みで泣いているのではない。
これまでの直美の言葉で感極まって泣いてしまったのだ。


「キョウちゃん……」


直美は身体を反転させると、
恭子の太ももと背中に手を回し、ゆっくりと身体を持ち上げた。


「………どこに運ぶといい?」

「……浴室に運んで……消毒しないといけないから…」


そのまま二人は浴室へと足を運んだ。



※※※



ジャーという音が浴室内に鳴り響く。

怪我をしている箇所にシャワーを当てる恭子と、
それを心配そうに見つめる直美。


「……大丈夫? キョウちゃん……」

「ダメ…すごく痛いわ……
早く包帯巻いた方が良さそうね……そこにあるタオル取ってもらえる?」


恭子は直美からタオルを受け取ると、濡れた足を包み、水気を拭き取った。


「このまま私の部屋に運んで……
一人じゃとても2階に上がれそうにないわ」

「うん、わかった」



※※※



直美に抱かれ自室へと向かう恭子。

直美は先ほどに比べて落ち着きを取り戻しているものの、表情は暗いままだ。

直美を引き止めるにはどうしたらいいだろうか?
再び直美に笑顔を取り戻すには?


(大学に入ったらなんて流暢なこと、言ってられない……)


恭子は、直美に伝える言葉を既に決めていた。



※※※



直美は部屋に入り、恭子をベッドに座らせると、
棚に置いてある救急箱から消毒液やガーゼなどを取り出した。


「直美……聞いて欲しいことがあるの」

「……何? キョウちゃん」


負い目があるためか、
恭子の言葉に直美は目を合わせない。
俯き、恭子の足を見つめたままだ。


「初めて会った日のこと、覚えてる?
中学の時、男子更衣室で襲われている私を直美が助けてくれた日のことよ」

「……うん」


直美は首を縦に振る。
消毒液を塗り、ガーゼで傷口を抑えているところだ。


「あの時、私はあなたに憧れたの……
なんて強くて逞しい人なんだろうって……
女の人への褒め言葉としては微妙かもしれないけど、
あの時、本当に心の底からそう思ったの」


包帯を巻きながら聞き耳を立てる直美に恭子は続けた。


「あれから私たちは仲良くなって、よく遊ぶようになって……
それまで、私は本気で友達と思える人は一人もいなかった……
みんな、本音と建て前ばかり……
裏では陰口を言ってて、何度も傷つけられてきたわ……
でもあなただけは裏表なく接してくれた……
私が心から友達と思えたのは、直美、貴女だけなの」


包帯を巻き終え、直美が口を開く、


「でもあたしは、その心から友達って思ってくれる人のことを、
催眠を使って好きなようにしようとしたの……
あたしは……そんな自分が、許せないっ!」


怒気を強めて言い放つ直美。
恭子はベッドから降りると直美に向かい合わせになるように座った。


「痛っ…!」


その瞬間、傷口から痛みが走る。


「キョウちゃん、無理しないで! ベッドに戻って、ほら…」


恭子に寄り添い、抱きかかえようとする直美を制止する。


「……大丈夫。それよりよく聞いて……」


恭子は痛みを我慢しながら、
寄り添う直美の肩に手を置き、じっと見つめた。


「あなたは誰も信じられずに独りだった私の傍にいてくれた……
いつも笑顔で、明るくて……そんなあなたは私の心の支えだった……」


恭子の目に涙が浮かぶ。
目頭を震わせ、鼻を啜る音を出す。


「そんな……そんなあなたが……ひっぐ……
そんなあなたがいなくなるなんて……私は……耐えられない……」

「キョウちゃん……」


そのまま直美を抱きしめる恭子。
耳元に口を添え、訴えかけるように伝えた。


「だからお願い……
二度と姿を見せないなんて言わないで……
これからもずっと傍にいて……私を独りにしないで……」


二度と会わないと言われ、大きなショックを受けていた恭子は、
気持ちを抑えきれずに泣いていた。

二人はそうしてしばらくの間、抱きしめ合っていた。



※※※



ベッドで横になる二人。

しばらくの間、無言の時間が続いている。
お互いに天井を向き、仰向けに寝ている状態だ。


「ねぇ、直美……?」

「なぁに…? キョウちゃん」


先ほどまでの直美と違って、今はだいぶ穏やかな口調に変わっている。


「直美の秘密教えてもらったから、
私も直美に隠していたことを話そうと思うの」

「隠していたこと……?」

「うん……」


恭子が何を隠していたのか、全く思いもよらない直美。
恭子は少し間を置き、敢えて言いにくいことを言うかのように話を始めた。


「私ね、実は……バイなの……」

「……バイ?」


直美は恭子の方を向くと、言葉の意味がわからず聞き直した。
その動きに合わせて、恭子も直美の方を向いた。


「バイセクシャルのこと。
男の人も女の人もどちらも愛せる人のことを言うのよ」

「……えっ?」


本当は男にはこれっぽっちも興味はないのだが、
一度誠を好きと言ってしまっている手前、
矛盾が生じないようにバイと伝えることにした。


「あっ、勘違いしないで、
直美をなだめようと思って言ってるわけじゃないのよ……
催眠をかけた時、私は誠くんを好きって答えてたのよね?」

「……うん。そう言ってたよ…」

「きっとそれは直美の質問の仕方が悪かったんだと思うわ。
普通、誰かに好きな人はいるって質問されたら、
答えやすい方を答えるものよ。
女性で女性を好きって言いにくいでしょ?
もし同性で恋愛対象として好きな人はいる?って限定された質問をされてたら……」


直美の両手を握り目を見つめる。


「『直美』って答えてたと思うわ……」


それを聞き、顔を赤くさせる直美。
目が潤み、嬉しさで微かに肩が震えているようだ。


「キョウちゃん……あたし、催眠の時、
キョウちゃんに女の人のことを好きになるようにかけちゃって……、
すぐに取り消しって言ったんだけど、
もしかしたらまだ効いてるのかも……?」


嬉しさと不安が入り混じった声で答える。若干涙声だ。


「私が直美のことを好きなのは、中学の時から、
そして男の人よりも女の人が好きなのも昔からよ。
レズビアン寄りのバイってところね。
そんな私に女の人を好きになる催眠をかけたところで効果あるかしら?」


直美の顔は涙でくしゃくしゃになっていた。
異性愛者だと思っていた恭子が、実はこんなにも自分に近いところにいた。
信じられない展開に、直美は嬉しくてたまらなかった。


「ううん……ないっ……」


恭子は握っている手を、直美の背中に回す。
その感触になぜか懐かしさを覚える。
触れられている箇所から、甘い痺れも感じる気がした。


「直美は私のこと愛してて、私も直美のことを愛してて……
二人の間を阻むものは何かあるかしら?」


恭子が徐々に直美に顔を近づけていく。


「ないわよね? 直美……」


恭子の顔が近づくにつれ、直美は徐々に顔を上気させていく。


「……うん。……ない」


今まで何度も崩壊しかけた直美との関係。
挫けそうになりながらも、ひたすら直美を手に入れるため努力してきた。
恭子はこれまで直美に抱いてきた気持ちを、精一杯言葉に込めて伝えた。


「付き合って、直美。
恋人として……ずっと傍にいて……」


断る理由は何もなかった。

ほんの数秒の間を置き、
直美ははっきりとした声で……「うん」と答えた。

目を閉じる二人、ゆっくりとその距離は縮んでいき。


そして……





――――――――――――ちゅっ。




二人の唇が優しく触れ合った。
[ 2018/02/01 00:00 ] 一章【黒百合】 | TB(0) | CM(0)
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