恭子と直美が裸で触れ合うようになってから、数週間が経過していた。
以前と比べ、直美の恭子へ対する接し方は大きく変わり、
今までは手をつないだり、軽くタッチするくらいだったのが、
最近では、直美の方から抱きついてきたり、腕を組んできたりするようになっていたのだ。
「ちょっと、直美。少しくっつき過ぎよ……」
「え~、いいじゃん!
女子校だと、このくらい当たり前だよ。
あたし達付き合ってますー! なんちゃって☆ミ」
周囲の人たちは好奇の目を向けてはいるものの、
直美の性格をよくわかっているのと、恭子が気まずそうな表情を見せているので、そこまで真剣に二人の関係を怪しむことはなかった。
いつもの直美のマイブームが変わったのだなくらいにしか思われていないようである。
それに付き合わされている恭子を、
お気の毒に…と,憐れむような目で見る者もいたとかいないとか。
しかし、この状態は恭子にとって好都合であった。
卒業まで後半年もない。
このまま二人の関係を周囲に悟られることなく卒業し、
大学合格後はルームシェアで二人で住む場所を見つけようと思っていた。
そこまでいけば、後は直美と恋人同士になれる。
大学に入ったら、
初めから周囲にはそういう関係だということで認知してもらうことにしよう。
恭子は直美との仲睦まじい生活に期待を寄せていた。
「ねぇ、直美」
「なぁに? ハニー?」
「ちょっと、何それ……」
「えへへ。ちょっとやり過ぎ?」
「もう、恥ずかしいからやめてよ」
「ごめんごめん。それで用件はなぁに?」
「もう入試も近いことだし、
一度私の家で泊まり込みでみっちり勉強してみない?」
「おおっ! それいいね!
キョウちゃん家に泊まりに行くの初めて! ワクワク♪ ワクワク♪」
恭子はこれまで何度か直美を泊まりに誘おうと考えていた。
しかし誠との関係があったのと、
恭子自身が直美を自宅に泊めて理性を保てる自信がなかったため、
そういう話題は避けるようにしていた。
だが、ここまで直美の催眠深度が進んだのなら、もう我慢する必要はない。
一気に直美との関係を次の段階へと進めることにしよう。
直美は既に、恭子の唇や乳房の味を覚えてしまっているのだ。
残すところは一つだけ……
直美の無邪気な期待とは裏腹に、
恭子は直美との愛欲に乱れた夜に期待を寄せていた。
※※※
土曜日、直美は一度帰宅し、
お泊りセットを片手に恭子の家を訪れていた。
二人はいつものように世間話をし、
今まで勉強した箇所を復習した後、催眠術を開始した。
普段よりも過激なことをすると決めていた恭子は、
先に直美を裸にさせてから、勉強を始めることにした。
いつものように密着しながら勉強を進める二人。
直美の背中に、恭子の柔らかくたわわな胸の膨らみが直に押し付けられる。
「ぁ……はぁ……」
早くも直美が声を上げる。
衣類を間に挟むのとは違った感触に、二人の官能は刺激されていった。
しかし、そんなことに構わず恭子は勉強を進めていく。
多少効率が悪くなるのはわかっていたが、
今日は土曜日、それもまだ午後になったばかりだ。
時間はたっぷりある。
今のうちから直美の情欲を駆り立てていき、
より強い刺激を直美の方から求めるように仕向けていこうと、恭子は考えていた。
大体は直美の問題を解いている時間が多いので、教えることに支障はなかった。
恭子はこれから起こることに期待せずにはいられなかった。
恭子は密着している直美を後ろからぎゅっと軽く抱きしめ、肩に顔を置いた。
直美の身体からは陽だまりのようないい匂いがする。
それは洗濯物の匂いではなく、直美自身の身体の匂いだと最近知った。
恭子は直美が愛しくなり強く抱きしめた。
※※※
勉強も一通り終わり、恭子は直美をベッドへと誘導した。
布団を被って抱き合いキスをする。
直美は恭子の胸を揉みながら舌を絡ませた。
恭子が直美の背中をさする。
唇を離し、しばらく見つめ合う。先に口を開いたのは恭子だった。
「私、どんな匂いがする?」
直美はそう聞かれたので恭子の首元をすん、と嗅いだ。
「…ベビーパウダーみたいな匂いかな?」
直美は素直に言った。
「そう……ここはもっといい匂いがするわよ?」
そう言って恭子は自分のお腹を触った。
直美はそれにつられるように恭子のお腹に顔を押し当てる。
「ほんとだ……赤ちゃんみたいな匂い」
直美はそう言うと、恭子のお腹に顔を埋めた。
ふわふわした感触が気に入ったのだろう。
恭子の脇腹を優しく触りながら、お腹の匂いを嗅いでいた。
「良い匂い……」
直美は恭子に言われずとも、白く柔らかいその肌にキスを始めた。
ちゅ……ちゅ……
優しく丁寧に、とても大切なものを扱うようにキスをした。
そのまま徐々に上に向かってキスを続け、
既に興奮でピンと上向いている桜色の頂きに舌を伸ばし、美しくなめらかな肌の膨らみを指先でなぞる様に揉みしだいた。
「ぁぁ……すごい……直美……」
たまらず、直美の背中に腕を回す恭子。
その淫泉からは、既にとろとろと愛液が溢れ始め、恭子は直美の責めに乱れつつも、そのなだらかな丘陵を相手の肌に触れさせる様に腰をくねらせた。
「ねぇ……直美……
もっといやらしい部分にキスしてみたくならない?」
恭子は直美の頭をくしゃりと撫でながら言った。
直美は自分の身体に時折触れるその部分を意識していた。
「ここ、あなたが大好きな女の子の蕾、
もっといやらしくていい匂いがするのよ」
恭子は己の膨らんだ女の部分を直美の身体に当て、直美の手を掴むとそこへと導いた。
「はぁ……ぁっ……あなたがここまでしたのよ?
こんなにビショビショにさせて……どうなっているか自分で確かめてみて…」
直美は恭子への責めですっかり発情しながら、ゆっくり顔を下ろし、恭子の股間に顔を近づけた。
薄い陰毛に鼻を近づけると、一回だけ息を吸う。
「どう? これが女の子の香り。良い匂いでしょ?」
暗示が効いたのか、直美は本当に気に入ったようにもう一度深く息を吸うと、うっとりしながらこくりと頷いた。
「あなたは、この匂いが大好き。
女の子のいやらしい匂いを嗅いだだけでアソコから液がどんどん溢れてきちゃうエッチな女の子なの」
恭子の股間に鼻を埋め、すーはーすーはーと何度も呼吸を繰り返す直美。
元から濡れていたのだが、恭子の暗示で、膣口からより多くの愛液が流れ出すようになり、股間をビショビショにしてしまった。
太ももを擦り合わせ疼きに必死に耐えているようで、その周辺からは、粘り気のある水の音がくちゅくちゅと聞こえてきた。
「舐めてみたく…なったでしょ?」
恭子はゆっくりと直美に問いかける。
股間から顔を上げた直美は、
なんとも艶めかしい目つきで恭子を見つめ、「…うん」と静かに答えた。
先程の乳房への愛撫で、股間の疼きを我慢していた恭子にとって、直美の今の表情は耐えきれないものだった。
「いいよ……あなたの好きにして……」
最愛の人に最も大事な部分を捧げるため、
恭子は腰を浮かし、濡れそぼったその場所を直美の顔の前へと持って来た。
直美は何も言わず口を開けると、舌を出して陰毛の上から少し舐めてみた。
そして、指で少し陰毛をかき分けると、恭子の性器を直接舐め始めた。
「…んっ」
恭子は性器を舐められ、そのまま快感の渦に身を委ねたくなったが、平静を装い上半身を起こし直美に暗示をかけた。
「どう、すごくおいしくて、どんどん興奮してきちゃうでしょ?
あなたは女の子の蕾を舐めるのが大好きなの。
舐めているだけですごく気持ちいい……あなたの大事な部分も喜んでいるわ」
直美は恭子の股間から顔を離して頷くと、もう一度顔を埋めた。
そして今度は性器の陰毛の生えていない筋をなぞるように舐めあげた。
愛液で口が滑るのか、直美は顔を上げて恭子を見ながら自分の唇を舐めた。
その顔は発情しきっていて赤く、いやらしい表情が、恭子をまた興奮させた。
「女の子を気持ちよくさせると、すごく気持ちいいでしょ……
あなたは女の子が気持ち良くなっている姿を見るのが大好きなのよ」
恭子は座ったまま自分の性器に両手を持っていくと、指先で閉じた部分を開いて見せた。
直美はそんな恭子の姿に興奮したのか、また股間に顔を埋めた。
そして恭子が開いていた部分を押さえると、皮の被ったままの淫豆を下から舐め上げた。
「んう、はぁあっ」
恭子は我慢できずに声をあげてしまった。
直美は恭子の喘ぎ声を聞いて気を良くしたのか、
いやらしい笑みを浮かべながら、恭子の突起を舐め続けた。
あの直美が、自分のクリトリスを舐めている。
それだけで恭子は絶頂しそうになったが、我慢して直美に暗示をかけた。
「あ、ぁあ…直美、今ね、私すごく気持ちいいの」
直美は舐めながら耳を傾ける。
「あなたは女の子のイった姿を見たくてたまらない……
自分の力でイカせたら、すごく気持ち良くて、幸せな気持ちでいっぱいになるわ」
直美はそれを聞くと、
スイッチが入ったように恭子のクリトリスを強く舐めあげた。
「ぁぁあっ!」
恭子が感じた声を出すと、直美は嬉しそうに顔を見上げ、今度は右手でクリトリスの皮を下に引き下げ、直接舌を這わした。
恭子は耐え切れなくなり、口に手を当て必死に声をこらえ始めた。
「んっ……くぅっ!
んっ! ぁっ……んっ! んっ! んんっ!」
直美は皮の剥けた突起に唇を当てると、優しく吸い上げた。
吸い上げながら、舌先でクリトリスを愛撫をする。
「ぁあ、ああ! それ、だめ、イっちゃう」
恭子は限界が近づいていることを宣言すると、シーツを掴んだ。
「あ、だ、ダメ、イく、イっちゃ、ぁあっ」
恭子は我慢ができず、直美の頭を掴んだ。
直美は突起に吸いつきながらも、恭子の両太ももを愛撫している。
「ぁあっイ、イく! ぁぁああっ!」
恭子は一段と大きな声を上げると、
体をびくびくと痙攣させ、目をぎゅっとつぶって絶頂した。
しばらく直美はゆっくりと恭子のクリトリスを舐めていたが、
恭子の上半身から力が抜けベッドに倒れると、その横に直美も倒れこんだ。
恭子ははぁはぁと荒い呼吸を整えていると、
直美も恭子を絶頂させたことで気持ちが良くなったのか、切なげな表情でこちらを見上げていた。
「ありがとう…気持ちよかった」
恭子が言うと、直美は小さく頷き、
「……あたしも」
と返した。二人は抱き合ってキスをした。
※※※
恭子は直美に絶頂させられたことにより、
だいぶ気を落ち着かせることができた。
しかし責める一方だった直美は、
恭子を絶頂させ、幸せな気持ちになってはいたものの、
自らの股間に籠る官能の炎を冷ますことができず、
依然として、恭子へ対する情欲を、その心の奥底に積み上げ続けていた。
時刻は午後5時、若干空の明るさに陰りを帯びてきてはいたが、
恭子と直美の一日はまだ始まったばかりだった。