【注意】今回 BL要素 があります。
その夜、誠は夢を見ていた。
恭子と直美が前を歩いている。
二人ともどこか都内を歩いていて、
心なしかいつもよりおしゃれをしているように見える。
二人を後ろから見ていると恭子が振り返って言った。
「マコトちゃん、早くおいでよ!」
マコトちゃんと呼ばれた誠は動揺した。
普段はそんな呼ばれ方はされたことがない。
ふと気になって自分の足元を見た。
そこには無駄毛の生えていない脚とレースの靴下に茶色いパンプスを履いた足があった。
驚いて横のビルに映った自分の姿を確認する。
白いふわふわとしたトップスに、焦げ茶色のタイトスカート、ビルの大きな窓に映った自分は完全に女性の格好をしていた。
化粧もしていないし、髪型もそのままな所が少し違和感はあるが、誠はなぜかその自分の姿に見入ってしまう。
(かわいい…)
誠はそう思った。
夢の中の自分を誠は否定しなかったのだ。
「何してるのマコトちゃん、もう行っちゃうよ?」
数歩前に立ち止まっている直美がしびれを切らしたように言う。
「ああ、ごめん、今行くよ」
誠はそう言うと軽く走って二人に追いつき、三人でまた歩き出した。
そこで誠は目を覚ました。
まだまどろみの中なのか、ふわふわとした頭で考える。
(どんな夢を見ていたっけ? 恭子さんと直美がいたような?)
誠は少し首を傾げたが、すぐにベッドから降りた。
誠が学校の準備を終える頃には、夢を見たことすら忘れていた。
※※※
次の週も誠は恭子の家を訪れていた。
恭子の家に来て、相談をする。
そして催眠でもやもやした気持ちを安定させてもらう。その流れが誠にとって当たり前となっていた。
今日も恭子は誠に催眠をかけ、服をすべて脱ぐように暗示をかけた。
「じゃあ、これを見て」
恭子はこの前と同じようにスタンドミラーを誠の前に置いた。
誠は自分の全裸姿を見ることになる。
「誠くんは、自分のおちんちんについて、どう思う?」
恭子が尋ねると、誠は鏡の中の自分の性器に目をやり、少し顔を歪めた。
「その様子だとあんまり良く思っていないようね。小さくて、男らしくなくて、恥かしい、そんなとこかしら?」
誠は自分のコンプレックスを突かれた気持ちになり、暗い顔をしつつもコクリと頷いた。
「それは間違い、そんなこと全然ないわ」
恭子は誠に向かって続けた。
「あなたのおちんちんは白くてとっても綺麗。
他の男の人と比べたら小さいかもしれないけど、そこが可愛いわ」
恭子にそう言われ、誠は戸惑った顔をしていた。
「今日からあなたは自分のおちんちんが嫌じゃなくなる。むしろ好きになるのよ」
恭子は誠の目を見て言う。
誠は自分の性器を眺め、何か考えているような表情をしていた。
「ほら、自分のおちんちんに触れてみて」
恭子は誠に自分の性器に触れるように指示を出した。さわさわと性器を触る誠。
「とてもスベスベするでしょ?
こんなに肌触りが良くてかわいいおちんちんを付けている人なんてなかなかいないわ。あなたしか持っていない貴重なものなんだから、もっと大事にしてね」
女性に見せたら馬鹿にされるとしか思っていなかった誠は、その肯定的な意見を素直に受け入れ静かに頷いた。
誠が自分の性器をじっと見ている間に、恭子はスマホで何かを探していた。
そしてしばらくタップとスクロールを繰り返した後、口を開いた。
「誠くん、これを見て」
恭子は自分のスマホを傾け、ある画像を見せた。
そこには女性にしか見えないニューハーフの全裸画像が映っていた。
「こんなに可愛い子にもおちんちんが付いてるんだよ。このおちんちんも誠くんのと同じように白くて可愛いわね。どう、興味が出てきたでしょ?」
誠は恭子の持つスマホを覗き込むと興味深そうに眺めた。
そして画面の中のニューハーフの性器と自分の性器を見比べコクリと頷いた。
※※※
次の週も誠は恭子に催眠をかけてもらっていた。
恭子はベッドに寄りかかり座る誠の前にパソコンを開いて置く。
そこには動画が流れていて、女同士が服を脱がせ合っているところだった。
以前から女同士のセックスに興奮するよう暗示をかけられていた誠は、動画に目を奪われ股間を硬くしていった。
「ほら、ここを見て」
恭子が指をさしたのは、一人の女性の股間部分だった。
「ほら、あそこにちんちんが付いていて、あんなに勃起してる…すごくエッチね?」
恭子が言い終わるのを待たないうちに、
動画の女性は完全に服を脱がされ、勃起した性器を露わにしていた。
体同様に白くて小さい性器だということがわかる。
初めにレズビアン動画だと思っていた誠は、戸惑っていた。
誠の股間も混乱して、萎えたら良いのか、勃ったら良いのか複雑な状態だ。
上半身を見ると、
女性同士がセックスをしているように見えるので勃ちかけるのだが、
画面の視点が股間に映ると、そこには自分と同じ白くて小さな男性器が勃起しているのだ。
ノーマルな男性だったら、それを見て勃起するはずがない。
気持ちを整えたのか、誠の勃ちかけていた性器も徐々に落ち着きを取り戻し、
元の柔らかい姿へと戻っていった。
恭子はそんな誠の様子を見て、すかさず暗示をかけた。
「まるで女の子におちんちんが生えたみたいね。
これはふたなり動画と言って、
女の子におちんちんが生えているように見せてるだけなの。
だからおちんちん大きくさせても大丈夫よ」
恭子は嘘をついた。
恭子の見せている動画はあくまでニューハーフ動画だった。
誠の男同士への抵抗感を予想していた恭子は、
あらかじめ誤魔化すセリフを考えていたのだ。
「こんなにかわいい子達が男の子なわけないでしょ?
ちょっと珍しい動画だけど、いつも通り安心して自慰しなさい」
恭子は笑顔でそう言うと、コンドームを誠に手渡した。
女同士の動画と言われ、
安心した誠はコンドームを付け、自らの性器を扱き始めた。
※※※
動画の中では先に勃起した方のニューハーフの性器が、もう一方の手によって扱かれていた。
ヌルヌルとしたローションを垂らされて、気持ちよさそうに喘いでいる。
「あんなに可愛いおちんちん、扱かれて気持ちよさそう……興奮するわね?」
恭子は誠に問いかけ、誠は動画を見ながら頷いた。
作り物とは言え、ちんちんが付いているのは正直微妙な気持ちであったが、
何度も恭子にちんちんに対して肯定的な暗示をかけられると、次第にそれも気にならなくなっていった。
相手の性器を扱いていたニューハーフは、もう一方を四つん這いにさせると、ローションをたっぷりつけた指でアナルをほぐし始めていた。
誠は初めてみたアナルセックスの準備に動揺したのか、画面から目を離せないでいた。
「これからあのおちんちんがお尻の穴に入れられちゃうんだよ」
恭子はこれから起こることを誠に説明する。
そして動画ではアナルをほぐし終えたニューハーフが自分の性器にローションを垂らし、相手のニューハーフに挿入しようとしていた。
『んぁぁぁあっ! 』
挿入された側が裏声で激しく喘ぐ。
「どう? お尻が、すごく気持ちよさそうね?
動画の女の子、まるで誠くんみたい。
もし誠くんもお尻に入れられたら、どうなっちゃうのかな……?
気持ち良くて喘いじゃうかもね?」
誠は動画を見て、自分のお尻を意識したのか、もぞもぞと体勢を変えた。
恭子は誠にアナルを意識させる暗示をかけ続けた。
「いいのよ? そのままお尻を意識してね。
意識すればするほど気持ちよくなっていくわよ……」
誠の顔は赤く、口を開けて呼吸をしていることで、傍目にも興奮が見て取れる。
誠の性器は依然として勃起したままだ。
初めは戸惑いながらも自分の性器を扱いていた誠だったが、女性同士の行為と思い込んでいることもあり、徐々にニューハーフ同士のセックスに対し、股間を熱くさせていった。
恭子はそんな誠を見て少し微笑みながら言った。
「ねえ…あんなに気持ちよさそうなのに、
本当の女の子にはおちんちん、付いてないんだよ?
それって、とってもつまらないことじゃない…?」
誠は『本当の女の子』と言われ、
意味がわからない様子だったが、気にせず射精寸前の性器を扱き続けていた。
「ほら、あの子もうすぐイキそうよ。誠くんも一緒にイキましょうね?
一緒にイクとすごく気持ち良い……
お尻がキュっとしまって、今まで見たどのレズビアン動画の中でも、一番気持ち良くなれるわよ」
動画では性器をアナルに入れられた方のニューハーフが、四つん這いのままでイキかけていた。
一緒にイクと気持ち良いと暗示をかけられ、誠はイクタイミングを合わせようとしていた。
しばらくは動画のニューハーフの喘ぎ声と、誠の荒い息遣いが続いた。
その様子を恭子は小悪魔的な眼差しで見つめている。
(ふふふ……誠くん、気持ちよさそう。
いっぱいイって早く女の子に目覚めてね……)
誠の腰の動きが激しくなる。
前は挿れる側のニューハーフ、
後ろは挿れられる側のニューハーフになった気持ちで自慰をしているようだ。
『あぁっ、だめぇ、いくぅ……いくっいくぅぅぅぅぅぅ!! 』
そしてニューハーフが射精すると同時に……
「あぁっ!! はぁっ……! はぁっっ……! あぁぁぁぁぁっっ!!」
誠も自分の精をコンドームの中に放った。
射精した瞬間、誠は驚いていた。
作り物だと思っていた女性の男性器から本当に精が放たれたからだ。
それでも暗示をかけられている誠は、
射精した後もなお息を荒くし身体をビクビクさせていた。
「ごめんね。誠くん。この子達、本当は男の子なの。
でもすごく気持ちよかったでしょ?
誠くんは女の子同士のエッチよりも男の子同士のエッチを見た方が、何倍も気持ちよくなれちゃう男の子なのよ?
でもあんなに可愛くてエッチな子達のセックスを見たら、気持ちよくなるのも仕方ないわよね?
それに、おちんちんが付いてなきゃあんな風に気持ちよくなれない……
誠くんはおちんちんが付いてるから、あんな風に気持ち良くなれるのよ?」
ハァハァと荒い息を吐き、
快感で頭に軽い痺れを感じつつ、誠はしっかりと頷いた。