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霧の寝台

ガチ×ノンケ専門の官能小説 主なジャンル:GL BL NTR 催眠 調教 監禁 男の娘 女装

Part.132 【 明晰夢◇ 】

急激な快感の波が押し寄せてきて、覚醒する恭子。

目を開けると、裸の直美が泣きながら抱き付いていた。

火照る身体。まるでたった今、絶頂を迎えたように、セックスの余韻が身体を廻(めぐ)っていた。

室内は暗く、水晶玉のようなもので照らされており、
静止したまま動かない謎の女性の姿も見られた。

もはや訳が分からないという言葉では、
片づけられないほど意味不明な状況である。


(これは何……私は夢を見てるの?)


直美が抱きしめてくれるのは嬉しかったが、
それよりも困惑の方が大きかった。

今の状況はそう……どちらかというと、夢に近い状況だ。
とても現実のものと思えなかった。

暗くて分かりにくかったが、おそらくここは病室の中。

点滴の袋がスタンドに吊り下げられており、バイタルモニターのような機械があることからそう思った。

そして窓の外の深淵具合……全く何も見えない。
光を吸収するベンタブラックと呼ばれる素材があるが、それで作った暗黒シートを貼り付けたくらい真っ暗であった。


「直美……どうなってるのこれ……」


ひとまず直美に説明を求める。

直美はわんわん泣くだけだったが、
しばらくするとグショグショになった顔で説明を始めた。


「……うんとね。小夜さんが結界を張って、キョウちゃんの傷を魔法で治してくれたの。それで夜伽の儀式をして、キョウちゃんの目を覚まさせてくれたんだよ」

「……」


余計分からなくなってしまった。
恭子はひとまず目を閉じて、冷静に考えることにした。


(やっぱりこれ夢だ……)


直美が言ってることはメチャクチャだ。
いくら影響を受けやすいからといって、
ここまでぶっ飛んだことを言う性格ではなかったはずだ。

それに直美に言われて気付いたことだが、
たしかに身体の傷がなくなっている。

あれほどの暴行を受けてできた傷が、
こんなに簡単になくなるはずがない。
痛みや後遺症すらないのだ。どう考えてもおかしかった。


(夢なら納得いくわ……それにしてもずいぶんと意識がハッキリしている夢ね……。明晰夢(めいせきむ)ってやつかしら?)


それならそれで良い。
たとえ夢でも、こうして直美に出会えたのだから。


(もしかしたらこれは、死ぬ前に神様が見せてくれた夢なのかもしれない。そうでなければ、あんな状態からここまで回復するはずがないわ……)


夢であれば細かいことを気にする必要はない。
恭子はひとまずこの状況を楽しむことにした。


「キョウちゃん、どうしたの?」


恭子が返事をしてくれないので、直美が心配そうに見つめている。自分がどれほど説明不足なのか、全く理解していない様子だ。恭子はそんな直美に微笑むと返事をした。


「なんでもないわ。ただいま、直美」


夢であっても、直美は直美だ。
恭子はこの夢が覚めるまでの間、
この仮想の恋人を愛することを決めた。


「キョウちゃん、
あたし、もう催眠のこと怒ってないからね……」


直美は恭子が目覚めたことで、伝えたかったことを口にした。
その言葉に恭子は思わず涙する。


「すごく悪いことをしたと思ってる。
あの男にキスされたのだって、ボコボコにされたのだって、
すべて報いだったんだと思うわ。
これから死ぬのだって、私にはふさわしい罰だと思ってる……」


恭子は溢れ出る涙を指で拭った。
こう言っているが、本当は直美に会えなくなるのが辛いのだ。そんな恭子に直美は首を傾げる。


「え? キョウちゃんは死なないよ?
助かったのに、なんでそんなこと言うの??」

「ふふ……そうね、おかしいわよね」


こんな呑気なところも実に直美らしい。
恭子は再現率の高い直美に少し笑ってみせた。


「てかあの男、キスまでしてたんだっ! 許せないっ!」

「もうあの男のことは良いわ。
それより、あなたは自分の幸せを掴んで。
私はあなたが幸せでいてくれたら良いから」


本人に届かないのは分かってる。
それでも恭子は、夢の中の直美に想いを告げた。


「あたしの幸せは、キョウちゃんと一緒になることだよ。
だから今が一番、幸せ♡」

「ありがとう直美。私も直美と一緒にいれて幸せよ」

「えへへー♡ あ、そうだ。
キョウちゃんの唇、あたしのキスで清めてあげるね♡」


そう言い、直美は恭子にキスをした。
互いに目を閉じて、舌を絡ませ合う。
久しぶりに直美とするキスは、実に甘くて優しい感じがした。


「ちゅ……どう、キョウちゃん?」

「えぇ、嫌な記憶もすっかり忘れられたわ」

「やった!」


無邪気に喜ぶ直美を見て、恭子は再度、神様に感謝した。


(ありがとうございます。
最後にこんなに素敵な夢を見させてくれて……)


もはや完全に夢の出来事だと思い込んでいる。

彼女はテーブルにビニールの袋を見つけると、中身に興味を持った。コンビニのおにぎりが見える。


「何か入っているみたいだけど、あれは?」

「さっき病院の売店で買った夜御飯だよ。キョウちゃんも食べる?」

「えぇ、落ち着いたらなんだかお腹がすいたわ」


夢なのにお腹がすいている。なんとも現実的な夢だ。
直美はベッドから降りて袋を取ろうとした。

ガンッ!!

直後、頭を結界にぶつける。


「いったぁーい!」

「え? 大丈夫?」

「そういえば、結界張ってたんだっけ」


直美がまたわからないことを言っている。
試しに恭子も降りてみようとしたが、同じく見えない壁に触れた。


「コンコン、なにこれ? 透明な板が張ってるみたい」

「うんとね。そこにいる小夜さんが、このベッドに結界を張って、周りの時を止めてくれたんだよ」

「ふーん」


夢の設定などどうでもよい。
直美の話に恭子は空返事だ。

食べて空腹が満たされたかは不明だが、
見せておきながら食べさせてくれないとは、なんとも意地悪な夢だなと、恭子は思った。

そこで直美はあることに気が付いた。


(そういえば、なんで結界切れてないんだろう?
終わったら解除するって言ってたよね……?)


恭子はすでに目覚めている。
夜伽の儀が成功してるなら、結界が解除されてるはずだ。
未だに解除されていないということは……。


(まだキョウちゃんは助かっていないってことっ!?)


直美は焦りだした。事態は解決していなかった。
小夜に言われた通りにしたのになぜ?


「どうしたの、直美?」


恭子が心配そうに見つめてくる。
直美は真剣な表情で恭子と向き合った。


「キョウちゃん、もう一回エッチしよう」

「えっ?」


唐突な誘いに驚く恭子。
もう一回ということは、すでにしていたということか。
彼女は身体が火照っていた理由を理解した。


「良いけど、どうしてそんなに焦ってるの?」

「しないとキョウちゃんが死んじゃうのっ!」

「……?」


よく分からなかったが、断る理由などなかった。
恭子にとって、これが直美とできる最後のエッチになるかもしれないのだ。直美と違う理由であるが、恭子もやる気を出しつつあった。



※※※



「直美……今回は私にさせてもらってもいい?」

「え? キョウちゃんが?」


恭子からの要望に直美は戸惑った。

夜伽の儀は心を通い合わせる儀式。
必ず直美が攻めなければならないという訳ではないが、
寿命を伸ばす対象の恭子が攻めるのも、なんだかおかしい気がした。


「う~ん……どうなんだろう?」

「何か問題があるの?」


ここで断ったら、恭子をガッカリさせそうな気がする。
心を通い合わせるには、やはり本人の希望に添ったセックスをすべきでは?

そう思った直美は、恭子の望みを受け入れることにした。


「わかった。いいよ」


返事を聞き、恭子は喜ぶ。

いつもされてばかりだったが、
最後は直美の身体をじっくりと堪能したかった。
直美の顔に唇を寄せながら、胸に手を伸ばす。

ちゅ……♡ ちゅぷ……ちゅぱっ♡

恭子の口淫に、直美は愉悦の表情を浮かべる。
普段攻めてばかりだったため、受ける側は新鮮のようだ。


「……おっぱい触るよ?」

「うん……♡」


白くすべすべな恭子の指が、張りのある直美の胸に触れる。
引き締まった直美の身体に、恭子は見惚れていた。


「んっ……ぁっ♡」


指先でさわさわと、胸の表層の神経を刺激する。
ぞくぞくとした快感が胸から背筋に突き抜け、直美は喘ぎ声をあげた。


「あ、あぁっんっ!!♡」


そこで舌を差し込んだディープキスをする。
胸の愛撫と同時にされることによって、
直美はより深い快感の渦に飲み込まれていく。


れろれろ……ちゅぱっ……
れろれろれろ……んちゅぅぅぅっ……♡


温かい恭子の舌。
先ほどまで意識がなかった時とは大違いだ。
たしかに生命の躍動を感じるそれは、
直美の舌と密接につながり、愛の演舞を興じていた。


(キョウちゃん……いつもと違う……♡
あたし、何も考えられなくなっちゃう……♡♡)


恭子の攻めに溶かされてしまう。

直美は蕩けた顔で、
次から次へと繰り出される恭子の性技に身を委ねていた。


「……どう、直美? 気分は?」

「んんっ……キスも……胸も……どっちも気持ちいい♡」

「そうでしょう? 私だってやればできるのよ」


得意気な顔で恭子は言う。


(あっ……そうだ、キョウちゃんに言っておかないといけないことがあったんだ)


再びキスをしようとする恭子を直美は静止する。


「ちょっと待って……」

「どうしたの?」

「キョウちゃんにお願いがあるの」

「ふふ……良いわよ。
直美の願いならなんでも聞いてあげるわ」

「よく聞いて、今のあたしは催眠に掛かっていないの。
ここにいるのは本当のあたし。
だからキョウちゃんもそのつもりでして」

「……どういう意味?」

「キョウちゃんはいつも催眠のことを気にしてたよね?
こうしてエッチできるのは催眠があるからだって……。
でも今は違うの。
あたしは今、自分の意志でキョウちゃんとエッチしてるの」

「…………」


直美の言葉は恭子の心に響いた。
目頭が熱くなり、鼻頭もジーンと痺れてきた。


(すごい夢……まるで私の望みを投影してるみたい……)


たしかに直美とする時は、
心のどこかで催眠のことが気にかかっていた。

目の前にいるのは偽りの直美。
いつもそのことから必死に目を背けようとしていた。

だけど、夢の直美がそう言ってくれるなら、
最後くらいは全てを忘れて抱き合いたい。

恭子は直美を抱きしめると言った。


「わかった……信じるわ」


一旦、夢だと思うのは止めることにしよう。
そうでなければ、本気で直美と向き合えない。
恭子は自己暗示を掛けるがごとく、意識を切り替えることにした。


「直美、続けるわよ?」

「うんっ!♡」


恭子は改めてキスをすると、
熱く濡れている直美の蜜壺に指を伸ばした。


「んんっ! ふぅうんっ!!♡」


口の間から喘ぎ声が漏れ出る。
しなやかな指が、割れ目とクリトリスに交互に触れる。


「直美のクリトリス、いつもより大きくなってるわよ♡」

「んんんっ……!♡ だってぇ……♡
キョウちゃんの指……気持ちいぃんだもんっ♡」


平均サイズの約2倍の大きさだった直美のクリトリスは、
いまや2.5倍くらいまで膨らみを増していた。

愛おしい人のそれを触っていくうちに我慢できなくなった恭子は、キスを中断し、しゃがんで彼女の股間に顔を近づけた。


「はぁ……すごい大きくなって……厭らしい……♡」


剥けたクリトリスが尖って上を向いている。

大きいが白くピンク色の綺麗なクリトリスだった。
見ているだけでドキドキする。

恭子はさっそくそれを口に含んだ。


「んあっ! はぁぁっんっ!♡」


直美が嬌声をあげる。ヌルヌルな舌が触れて、指で触れられるのとは違う快感が駆け巡ってくる。
恭子にクリフェラされているという事実が、直美の背筋をゾクゾクとさせた。


んちゅっれろっれろっちゅぷ……♡

「直美のクリ、すごく美味しいよ……♡」

「あぁんっ! 気持ちいぃぃぃっ♡♡ ふぅぅんっ!♡♡」


直美は恭子の頭に両手を置き、
腰を突き出して舐めやすいようにしている。

もっと舐めて欲しい。もっと食べて欲しい。
恭子に捕食されることに全身で喜びを示した。


「あぁんっ!あぁんっ!!キョウちゃんっ!
あたしもっ!あたしもっ!!」

「んっ?」

「あたしもキョウちゃんの舐めたくなっちゃった♡」

「あぁ……そういうことね。良いわよ、おいで♡」


恭子は横になると、股間を広げて直美を誘った。

控えめに生い茂る恭子の園。
直美に見せるためだけに、綺麗に手入れがされていた。

直美はそのVラインに魅入られ、顔を近付けていく。

そして甘い女の匂いがするそこに鼻を埋めると、
すぅっと息を吸って口を付けた。


ぢゅうぅっ、れろれろれろっ、ちゅっちゅっ♡

「んんっ!♡はぁはぁ、直美……気持ちいい……♡ 私も……んんっ」

ちゅぱっんちゅんちゅっちゅぱっ♡


シックスナインの姿勢で、お互いの陰部に顔を埋める。
腰を振って、自らも相手の舌に陰部を擦り付け、快感を高めていった。

夜伽の儀や催眠のことなどすでに二人の頭にはなく、熱心に相手の蜜壺に舌を差し込み、互いの劣情を高めていった。


「あぁっ!!もう限界……♡イキそうっ!イクっ……♡
イクっ……いっちゃいそうっ!♡」

「あ……あたしもっ!♡うぅんっ!いっちゃうっ!♡
ああっ!気持ちいぃっ!気持ちいぃよっ!♡♡」


そして身体の中で熱い飛沫が弾け、二人は……。


「イクうううううううううううっっ!!!♡♡」


ほぼ同時に女体を引き攣らせ達してしまった。
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