萌は一度腰を上げ、横たわる真里を見つめた。
サラサラの白い肌に、
光った絹糸のように長く艶々とした黒髪。
凛とした顔立ちは、本当にどこかのお姫様のようであった。
しかし、その表情は依然として暗いまま。
誠から無情にも突き付けられた別れの言葉は、
真里の心に暗い影を落としていた。
誠なしでも、笑って過ごせるようにしたい。
そのためには、彼女の心を誠から解放しなくてはならない。
萌は決意を新たにすると、真里にキスをした。
「んんんっ……んっ……♡」
真里は身体をビクりとさせつつも、それを受け入れた。
回数が増えるたび、彼女はだんだんと素直になっていくようだった。
萌が舌先を唇に入れ、トントンと歯を叩くと、
真里は求めに応じて舌を差し出した。
「んっ……あむっ……あむっ……ちゅ……ぁ……♡」
次第に蕩け始める真里の目。
余程、萌とのキスが気持ちいいのだろう。
萌は真里のブラを優しく撫でると、
背中に手を伸ばし、ホックを外した。
真里の控えめな胸が姿を現す。
その中心にある2つの突起は、
萌を歓迎するように、すでに勃起していた。
「……ねぇ、真里。舐めても良いかな?」
人差し指で、乳首を優しくさすりながら言う。
「ぁ……はぁ……んんっ……あぁ……♡」
真里は、感じ過ぎて答えられない様子だ。
まだそこまで強い刺激を与えられているわけでもないのだが、真里は、小さな刺激でも、十分すぎるほどの快感を得られるようになっていた。
上手く答えられないので、真里は頷いて返事する。
いくら想い続けたところで、誠は戻ってこない。
それなら、今、自分を求めてくれる萌の想いに応えよう。
彼女は消極的ながらも、そう思うことにしていた。
(あぁ……萌にされていると、どんどん気持ち良くなってきちゃう……はぁ……気持ちいぃ……)
真里の中で、萌の存在が大きくなっていく。
触られれば触られるほど、萌への愛しさも膨らんでいくようだった。
萌は滑らせるように、真里の乳房に触れた。指を曲げて第二関節までが触れる、ふわふわとした触り方だった。
萌は胸の周辺を、触って慣れさせると、
突然ギュっと掴んで、その形を変えた。
「あぁんっ!♡」
急激な動きの変化に、真里はたまらず声をあげる。
そうして乳首が突き出ると、萌は舌の裏筋を使って舐め始めた。
「レロ……ちゅ♡ チュッチュ♡ レロレロ」
美味しそうなデザートを味わうように、舌を這わせる。
時折、口をすぼめて吸ってみると、
真里は「ぁ……」という小さな喘ぎ声を出した。
そして前歯で甘く噛んでみる。
ツーンとした快感が乳首から全身に突き抜け、真里は大きくのけぞった。
それらを繰り返すことで、
声は断続的なものへと変わっていく。
萌が真里の顔を確認すると、
始めの頃より、うっとりとした表情に変わっていた。
萌は、そんな彼女の変化が嬉しくてキスをした。
「どう、気持ちいい?」
「うん……」
「ふふ……もっと良くしてあげるね♡」
まだ哀愁は漂わせているものの、
萌の問いに真里は素直に答えるようになってきていた。
そうした真里の変化に、萌は攻勢を強める。
「真里、ちょっと身体を起こしてね」
萌は真里の背中に腕を回すと、彼女を抱えて、身体を起こさせた。そして、優しくお腹をさすりながら言う。
「下、脱がせても良い?」
「うん……」
恥ずかしそうに頷く真里。
ベルトを外してボトムを脱がせると、真里のショーツが目に入った。そこはすっかり淫らに濡れてしまっていた。
「ふふ……♡ すっかり潤ってるね♡」
「萌が触るからだよ……」
「女に触られて、こんなに濡れるなんて、
真里もすっかりレズの仲間入りって感じかな?」
これまで何度か同じような質問をしている。
真里はいずれも否定してきたのだが……。
「うん……そうかも……」
何かを諦めたような、達観したような、どちらともとれる表情で真里は言う。その返事に、萌は深く息をのんだ。
「だってこんなに良くしてくれるの、萌だけだし……」
「え、そう……?」
真里はコクリと頷く。
「うん……誠くんより、萌にされた方が気持ち良い。
あんまり認めたくなかったけど……私って、元々こっち寄りだったのかも……?」
レズを認めることに、戸惑いや恥ずかしさはあったものの、
彼氏を失った身で、もはや誤魔化す必要などなかった。
真里は、まるで脱皮をするかのごとく、
ある種、解放された気持ちで、新しい自分に向き合い始めていた。
「……じゃあ、確かめてみよっか?」
「……どうするの?」
萌は真里の肩に手をおくと、顔を寄せて言った。
「私がもう一度キスするから、今の自分がどっちにいるか、よく確かめてみて」
「……うん」
真里がそう答え、静かに目を閉じると、
萌の気配が近づいてきた。
彼女の身体の香りを感じ取り、柔らかく優しい感触が唇に伝わる。萌に抱き締められ、真里はその感覚にじっと向き合ってみることにした。
明確に同性とキスしていることを認識する。
これは萌に流されるまま行うキスとは違う。
本当の自分と向き合うためのキスだ。
異性愛者であれば、同性とのキスに違和感を感じるはず。
両性愛者であっても、男性と女性、完全に半々で好きとはならず、僅かでもどちらかに傾くはずだ。
真里が感じとった答えは……。
(…………やっぱりそうだった。私も誠くんと同じで……)
誠と初夜を過ごした時のことを思い出す。
誠は自分とのキスで、性の不一致を感じると言っていた。
望まぬ性別とのキス。
真里は、同性である萌とキスをして、
その言葉の意味を実感していた。
しかしここで彼女が感じていたのは、
性の不一致ではなく、性の一致であった。
彼女は、異性である誠とキスをするよりも、同性である萌とキスをした方がずっと自然に感じられてしまっていたのだ。
(きっと誠くんも、忍くんとキスして、これを感じてしまったんだ……)
一度、こんな自然なキスを感じてしまったら、
もう異性とのキスには戻れない。
真里は、誠が自分に別れを告げた理由がなんとなく分かったような気がした。
「……どう、してみて?」
「うん……やっぱり萌とした方が良い……女の子とキスして、こんな風になるなんて、やっぱりレズだよね……?」
真里の返事を聞き、萌はにっこりと微笑んで見せた。
「そう思うよ。嫌なこともあったけど、
本当の自分に気付けて良かったじゃない?」
「うん……」
真里は寂しそうな顔を見せる。
(私はレズで、誠くんはホモ……自然と好きになれる性別が違うんだったら、合わなくてもしょうがないよね……)
あれほど愛していた誠であったが、こうした性的指向一つを取っても、これほどの不一致があったのだ。
あんなにセックスできるように頑張ってきたのに……。
真里はなんだか遣る瀬ない気持ちになってしまっていた。
「元気出して。真里には私がいるじゃない!」
「うん……ありがと……萌……」
萌の励ましに、涙を堪えて答える。
誠のことは、諦めなければならない。
いつまで求めていても虚しいだけだ。
真里は努めて誠を意識の外に追い出すと、
萌に向き合うことにした。
「じゃあ足を開いて。真里が嫌なことを忘れられるように、気持ちよくしてあげるから♡」
真里が足を開くと、萌は彼女の下着に手を伸ばした。
指先に感じるシルクのような肌ざわり。
萌はそれに触れると、ピアノの鍵盤(けんばん)を弾くように愛撫した。
「あぁっ……気持ちいぃっ……」
押し寄せる快感に、真里は腰をくねらせた。
絞り出すように嬌声をあげる。
真里の心が、萌の指を、レズの快感を、素直に求め始めていた。
萌は真里のショーツに手をかけると
色白の太ももを滑らせ、脱がせてしまった。
愛おしい真里の脚にキスをして、ショーツを脇に置く。
彼女の開脚された太ももの中心には、無毛の丘があった。
萌の愛撫によって、すっかり蕩けきったそこは、
新しい恋人の口づけを待ち望んでいるようであった。
「あいかわらず、真里のここ、綺麗だね……」
一度も異性を受け入れたことのない神秘の丘。
幾多もの自慰行為にも関わらず、
色素沈着していない薄桃色の窪みは、
男の穢れを知らず、清潔感を保っていた。
大抵、真里くらいの歳になれば、
誰もが経験済みのはずである。
しかし真里のそこは、誠のペニスが未熟すぎたのと、
真里自身が初めての相手は誠と決めていたこともあって、未開通であった。
「萌……恥ずかしいから、あんまりまじまじと見ないで……」
身体を重ねた仲ではあるが、
改めて見つめられると恥ずかしい。
さらに言えば、真里は以前と違い、
萌をたった一人の恋人として見なそうとしている。
誠との両立を考えていた頃とは、思い入れが全然違った。
萌はあえてそこには触れず、
お腹や太ももの内側を愛撫し始めた。
真里は口をギュっと結び、薄目で萌の行為を見つめている。触られて気持ちいいのか、腰をくねらせるのは変わらなかった。
萌はしばらくそうして愛撫を繰り返したが、
肝心なところは、いつまで経っても触ってくれなかった。
もどかしさから真里は、
「早く触ってほしい」と目で訴えた。
しかし萌は要求に応じない。
続けられれば続けられるほど、快感は増していき、このままいけば、一切そこに触れられることなく、達してしまう気がした。
「萌……早く……触ってぇ。
このままじゃ……私、イッちゃう……」
どうせイクなら、萌に触れられてイキたい。
真里の切実な願いであった。
「いいよ。でも一つお願いがあるの」
「お願い……?」
「うん、大事なお願い」
「……何?」
「真里の処女を、私にちょうだい」
「え?」
萌の要望に、真里は一瞬、言葉を失う。
萌には処女であることを一度も話していない。
なぜそのことを知っているのか?
真里は不思議に思って尋ねた。
「なんで処女って知ってるの……?」
「ふふ……やっぱりね。ただの当てずっぽうだよ。
でもちゃんと根拠はあってね。
さっき見せてもらった誠くんの写真だけど、あんな粗末なちんちんじゃ、挿れられないだろうなって思ったの。
それプラス、真里って結構堅物でしょ?
初めての相手は誠くんにって決めて、
いつまでも処女のままでいるだろうなって思ったんだ」
「そうなんだ……すごい……」
なんというプロファイリング。
さすが昔からの親友なだけあり、真里のことをよくわかっていらっしゃる。名探偵、萌といったところだ。
「でも当たって良かった。
取られていたら、少しショックだったかも?」
「うん……」
真里が少しだけ暗い顔を見せる。
元々は誠のために取っておいた処女だ。
彼女としても複雑な心境なのだろう。
「あっ、ごめん。
真里としては、彼氏にあげたかったんだよね……?」
「ううん、いいよ……。
私も処女のままで良かったと思うから……」
「それじゃあ……良いの……?」
萌の問いかけに、
真里は一つ間を置き、コクリと頷いた。
「うん……萌なら良いよ。というか、萌が良い」
その言葉に、萌の表情が明るくなる。
真里が処女を捧げるということは、
誠を忘れ、自分だけのものになってくれるということだ。
萌は、真里がその決断をしてくれたことに歓喜した。
そしてギュっと真里を抱き締め、想いを伝えた。
「ありがとう、真里のこと、ずっと大切にするからね」
二人は目を合わせ、覚悟を決めると、
挿入を開始することにした。
先ほどと同じように脚を開く真里。
少し間を置いたこともあって、
萌は念のため、周辺の愛撫から始めることにした。
「ちゃんと濡らさないと痛いと思うから念入りにするね?」
「うん……♡ あ……萌……気持ちいい……♡」
真里は徐々に恋人を見つめる目に変わっていく。
処女をあげると決めたことで、
より一層、萌を恋人として意識するようになったようだ。
ピクピクと震え、官能の限界まで高められた真里の恥丘は、愛する人の挿入を今か今かと待ち受けていた。
「そろそろ良いかな」
萌は中指を立てて、真里の膣口の前に添えた。
真里はその様子をじっと見つめている。
(はぁ……私……萌に処女をあげちゃうんだ……)
一生に一度しか経験できない破瓜(はか)の瞬間。
同性に処女を捧げるという、
今までの人生では考えられなかったことを、
真里は自ら進んで受け入れようとしていた。
そのため、これは破瓜の儀式であると同時に、
レズビアンへの転向の儀式であるとも言えた。
「真里、よーく見ててね。
あなたはこれから、私の指で処女を失うの。
女の指で処女を失って、女の身体でイカされて、
女同士の虜になるんだよ♡
真里は、女の子同士でおまんこ舐めあったり、指を挿れあったり、おまんこ同士を擦り合わせるのが大好きな女の子になるの♡」
「……っ!」
萌の口から告げられる淫語の数々。
萌はここで真里を男から完全に決別させるつもりであった。
女同士のセックスにハマらせて、男に興味を持たないレズビアンにさせる。男性への不信感を積もらせていた萌は、真里にも男との決別を求めていた。
「わかった? 真里」
「うん……♡」
萌の考えを聞いて、真里は胸をドキドキさせていた。
女同士の気持ち良さを身体の芯まで教え込まれ、
男性への興味を失わされてしまう。
マゾ気質の強い真里は、萌によってレズマゾに変えられることに、強い興奮と性的倒錯を覚えていた。
(本当にレズになったら、どうなるんだろう……?
萌のことしか考えられなくなっちゃうのかな……?
オナニーする時も、萌のことしか考えられなくなっちゃったらどうしよう……はぁはぁ♡)
レズになった自分を想像して股間を熱くさせる。
真里の性の対象は、誠から萌へ急激な移行を始めていた。
真里がそのような妄想に耽っていると、萌が口を開いた。
「あ、その前にすることがあったんだっけ。
ちょっと待ってね」
萌は一旦脱衣場に向かうと、タオルを持ってきた。
それを真里の股間の前に広げる。
そしてその上にティッシュを乗せていった。
万が一、血が出た時のための予防手段だ。
こんな高級ホテルのベッドを血で汚してしまったら、
いくら請求されるか分からない。
萌はこういうところはきっちりしていた。
その間も真里のレズ妄想は続く。
(はぁはぁ♡ だめ……興奮して堪んない……♡
私、レズになりたがってるのかな……?
萌とエッチして、今でもこんなに気持ちいいのに……。
もし本当に堕ちちゃったら……
どれだけ気持ちよくなれるんだろう?♡)
ノンケという余計なしがらみを捨てた気持ちよさ。
元から性の欲求に素直な真里は、
ガチレズに変貌を遂げた自分の姿を想像していた。
「じゃあ……挿れるよ? 真里のおまんこを、
女に初めてを捧げたレズおまんこに変えてあげるね♡」
「……っ!♡」
ぴしゅ……♡
「あ」「あ……」
真里の秘部から少量の潮が噴き出る。
しばし静寂の時が流れた後、萌が言う。
「真里……今、何に興奮した?」
「えと……」
真里は目をそらしたまま気まずそうにしてる。
萌はそんな真里をしばらく眺めていたが、
すぐに大まかな予測を立てると確認した。
「もしかしてこの台詞? 真里のおまんこを、
女に初めてを捧げたレズおまんこに変えてあげる……」
「んぁっ……♡」
先ほどよりも厭らしい声で囁く。
真里はその声に身体をビクりとさせた。
その反応だけで、萌は真里が何に感じているか理解した。
真里は同性愛者に変えられてしまう自分自身に興奮しているのだ。彼女の潮吹きは、いわば早漏の男子が出す先走り液のようなもの。
あいかわらずのスケベっぷりに、萌は少し呆れたものの、
同時にそんな彼女に愛しさを感じた。
そういうことに興奮するのなら、好きなだけ興奮させてやろう。真里の中に残っているノンケの心を、彼女自身にも犯させてやるのだ。
萌は少しSっ気の入った表情で、真里を見下ろすと言った。
「真里、今からおまんこ広げて、〖私のおまんこ、萌の指でレズおまんこに変えて〗っておねだりしなさい。うんと可愛くね♡」
「……っ!♡」
驚きと羞恥が交じった表情で萌を見る。
卑猥な命令をされて、心臓の鼓動が激しくなっていった。
(そ、そんな……♡ そんなこと、おねだりしながら処女奪われちゃうの……?♡ そんなこと……♡
は、恥ずかしくて……い、言えない♡ あぁんっ♡)
真里の倒錯的興奮が高まっていく。
恥ずかしさで、どうにかなってしまいそうだった。
そうしてあたふたしている真里に、萌は改めて命令を下す。
「ほら、早く言って。私の目を見て、おねだりするの」
「はぁはぁっ♡ も……萌……♡」
萌が真里の手を取り、陰部へと誘(いざな)っていく。
ぴしゅ……♡ 「ふぁ……!?♡」
再び潮を噴く陰部。
真里の人生において、もっとも恥ずかしい瞬間だ。
しかしその恥ずかしさが、より彼女の興奮を高めていった。
「こうして自分で開いて、女の子の指を受け入れるの……。
真里のノンケおまんこに女の子の指を挿れて、
いっぱいクチュクチュしてもらって……女の子の指が大好きなレズおまんこに変えてもらうんだよ?♡」
「ふぁぁぁ……♡ はぁぁぁ……♡」
真里は真っ赤になりながらも、両手の指を膣の両側に添えて、ぱっくりと割れ目を開いた。
トロトロとした透明な液が、割れ目の中から次々と湧き出てくる。
「こんなに、はしたなくヨダレを垂らしちゃって……♡
そんなに女に処女を奪われるのが嬉しいの?♡
クリトリスもこーんなに勃起させてちゃって……♡
レズビアンになる準備完了って感じだね♡」
度重なる萌の言葉責めに、真里は陶酔した表情を浮かべている。ノンケからレズに変えられてしまうのが気持ちいい。
新しい自分に目覚めていく感覚に、
真里はうっとりしてしまっていた。
「はぁはぁはぁはぁ……♡ 私のノンケおまんこを……♡
萌の指で……ぁ……ぁ……ぁ…… ♡
レズおまんこに……変えて♡ ん……んんっ……んんっ!♡」
ぷしゅっ!♡ 「ふぁんっ!♡」
興奮して、再び潮を噴く。
萌は気丈に笑うと、真里の顔に近付きキスをした。
「ちゅ……良いよ。真里のおまんこをレズおまんこに変えて、一生男とセックスできなくしてあげる♡ 一日中、女の子の裸のことしか考えられない変態レズ女に仕込んであげるからね♡」
「あひぃっ!♡」
萌の声に真里の脳が犯される。萌の手でレズに染めあげられることに、真里の興奮は最高潮に達しようとしていた。
萌は真里の太ももの間に跪くと、右手の中指に唾液を付けて、愛液で濡れた無毛の丘に伸ばした。
「それじゃあいくよ……。
少し痛いかもしれないけど、我慢してね」
「うん……(ドキドキドキドキ♡)」
萌の指が、膣口に触れる。
「はぁ…♡はぁ…♡はぁ…♡はぁ…♡」
ズブ……ズブ……
一度も男を受け入れたことのない真里の膣が、
同性の指を、初めての相手として迎え入れ始めた。
「あぁっ♡」
萌の指を、中でしっかり感じとる。
そこに愛おしい人の身体の一部があることに、真里はたまらない幸福感を得ることができた。
「ふふふ……♡ まだちょっとしか挿れてないのに、吸い付いてくるみたいだよ♡」
まるで別の生き物のように、自身の指を呑み込もうとする真里の膣に、萌は愛おしさを感じていた。
「はぁはぁ♡ なんかすごい切ないの……♡
私のあそこが……もっと奥まで来て♡って言ってるみたい……♡」
悩ましげな表情して、甘えた声で真里は言う。
「もぉ……可愛いな。真里も真里のレズおまんこも♡」
キュッキュンッキュン♡
萌の言葉に、真里の子宮が喜びを示す。
「んんっ!!♡」
「こんなに私の指を美味しそうに頬張っちゃって♡」
ズブ……ズブブ……
動かしてもいないのに、膣の動きだけで中に進んでいく。
このまま放置するだけで、奥まで到達できそうな勢いであった。第二関節まで入ったところで、再び真里が声をあげる。
「くぅぅん…!♡」
真里は背中を弓なりに反らし、ピクピクと身体を震わせた。
「あれ……もしかしてイッちゃった?」
「ううん……イッてない。興奮して声が出ちゃっただけ」
「そか」
真里はイクのを必死に我慢していた。
すでに何度もイキかけているが、
そんなすぐにイッてしまったら、勿体ない。
イクのは、萌の指が最深部に到達してからだ。
真里は萌に初めてを捧げるという体験を、最高の形で終えたいと思っていた。
そうした真里の想いが、
萌の指をより深い場所へと誘(いざな)っていく。
(それにしても……真里の中、キツいな……)
オナニーで自分の中に挿れた時とは全く違う感覚。
実際、真里の膣は一般的な女性よりも狭くできていた。
なおかつ神経が細かく張り巡らされていたため、
異物の侵入をより敏感に感じられるようになっていたのだ。
誠のペニスにとっては、硬く難易度の高い女性器であると言えたが、萌の指にとっては、相性の良い女性器といえた。
そして、それはまた、
一般男性の性器にとっても相性の悪い性器と言えた。
挿れる側からすれば、きつく締まって気持ちの良い性器なのだが、挿れられる真里からすれば、痛くて仕方がないだけなのだ。
それだけ真里の膣壁は敏感に出来ていた。
真里の痛いという訴えを無視して突っ込み続けようものなら、その経験が仇となり、真里が男性との性交渉に忌避感を感じるようになってしまうのも十分あり得る話だった。
「そういえば、痛くないの?」
「え……あ、そういえば全然痛くない。なんでだろ……?」
覚悟していたというのに、全然痛くない。
ただただ、気持ちいいだけである。
あまりの順調っぷりに、
真里は少し拍子抜けしてしまっていた。
萌がまだ指を一本しか挿れてないというのもあったが、
入念過ぎる前戯により、陰部がヌルヌルに潤っていたのと、
真里自身がこの行為を望んでおり、陰部の力が抜けていたのが主な要因であった。
「うーん、興奮してるからかもね? こんなに濡れて、嬉しそうにしゃぶってる真里のまんこが、痛みを感じるわけないか」
今も本人の意志を無視して、萌の指を呑み込んでいく。
もちろん真里自身もそれに気付いていた。
(膣って、こんな風に動くんだ。
まるであそこが口になったみたい……♡)
喉でもないのに、ゴクリと呑み込んでいく感覚。
もっと奥まで呑み込みたい。
もっと萌の指を奥で感じたい。
このまま真里の膣の勢いに任せるつもりであったが、
そんな真里の膣の気持ちが通じたのか、
萌は一番奥まで挿れることを決めた。
「そろそろ一番奥まで挿れることにするね」
ズブ……ズブズブズブズブ……
「あ……あひぃ……♡」
進み行く萌の指に、再び喘ぐ真里。
奥の子宮膣部に指先が当たり、
真里はアへ顔にも似た、だらしない顔を見せていた。
ここがいわゆるボルチオと呼ばれている部分だ。
通常、時間をかけて開発しなければ、気持ち良くなれない部分なのだが、それでもなぜか真里は感じてしまっていた。
「ほら、奥まで入ったよ? 気分はどう?」
「ぁ……ぁ……いぃ……♡」
「ここ? ここがいいの?♡」
ツンツンと優しく内部を叩くと、
真里は弓なりに背中をしならせた。
「ひゃうっ!♡ そこ……しょこがいぃの……♡
あぁ……しゅごい、いぃ……♡」
慣れないところを責められて、呂律が回っていない。
萌はここで言葉責めに入ることにした。
一旦指の動きを止めて、耳元で色っぽく囁く。
「真里のおまんこ……すっかりレズおまんこだね♡
指だけでこんなに感じちゃって……もう男とできないね♡」
「はぁうぅ……もうできにゃいぃぃ……♡
もえだけでいぃぃ♡ もえだけでいぃのぉぉぉぉ♡♡
うぅぅぅぅぅぅぅぅぅん♡♡」
「それじゃあ、ここでイッちゃおうか?♡
いっーぱい♡ 女の子の気持ち良さを堪能して、
ノンケの自分にさよならするんだよ?♡」
「ひゃ、ひゃいっ♡ しゃ……しゃよーにゃらぁぁ♡
にょんけのわたし……。
しゃよーーにゃらぁぁーーーーはぁぅぅっ!!♡♡」
真里がそれまでの自分に別れを告げた瞬間。
萌がシュコシュコと、指をピストンし始めた。
ほんの小さな優しい動きだが、
それだけでも、十分真里は感じることができた。
「あぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
「あぁっ!♡ 真里、すごい良い顔♡ これで同類だね♡ 同じレズビアン同士、これからもいっぱい愛し合おうねっ♪♡」
「うんっ!♡ どうるいなにょっ♡ もえといっしょっ!♡
もえっ、しゅき!♡ だいしゅきぃぃ!♡」
「ほら、いっちゃえ!♡
ノンケをやめたおまんこシュコシュコされて、
おもいっきりレズイキしちゃえ!!♡♡♡」
シュコシュコ♡ シュコシュコ♡
クチュクチュクチュクチュクチュクチュ♡
「いくうっ!!♡ いくっ!いくっ!いくっ!♡♡
れじゅいきしちゃうぅ!!ふわぁぁんっ!♡
いくぅぅっ! ふぅぅんっ!♡♡ いっくぅぅぅ!!!♡♡
いっ…………ちゃふぅぅぅぅぅぅぅぅ!!♡♡♡」
ガクガクガクガクガクガク!!
ビクンッ!ビクビクンッ!!ビグビクビクビク!!♡
「あぁぁぁぁぁぁぁ!!♡♡」
激しく全身を震わせて、真里はイッてしまった。
こと切れてぐったりと横たわり、処女喪失後の余韻に浸る。
「はぁ……♡ はぁ……♡ はぁ……♡ はぁ……♡」
真里がイッたのを見て、萌が指を引き抜こうとすると、
密着していた指と膣壁の間に血が見えた。
萌は指を抜くと、
用意しておいたティッシュを陰部に当てた。
そして残りのティッシュを陰部の下に差し込んだ。
その様子を真里は、じっと見つめている。
(はぁはぁ……私の処女、萌にあげちゃったんだ……♡)
息が整ってきたところで、改めてそれを実感する。
同時に自分が萌の女になったという実感が強く湧いてきて、愛しさもこれまで以上に込み上げてくるようだった。
萌は処理を終えると、ごみ箱にティッシュを捨てた。
出血がそこまで多くなかったため、
手間はそこまでかからなかったようだ。
「どう? 処女を失った気分は?」
「うん……なんだか、萌の彼女になったって気持ちが強くなった感じがする……」
「ふふ……♡ じゃあキスしてみよっか?♡
どれだけその気持ちが強くなったか実感させてあげる♡」
真里と萌は、抱き合いキスをした。愛する人の身体の匂いはとても甘く、心地よい気持ちにさせてくれた。
(はぁ……萌のこと、誰よりも一番好きな人だって思える♡)
真里はそれが嬉しくて仕方がなかった。
今はもう、振られたことをつらいとは感じない。
ただ目の前にいる恋人と、いつまでも愛し合いたいと思った。
「ありがとう、萌……もう全然つらくないよ。
なんか私って、いつも助けてもらってばかりだね……」
「そんなことないよ。真里だって、私のこと助けてくれるじゃん。これからも一緒に助け合っていこうね♡」
「うん……愛してるよ、萌。大好き♡」
真里は自ら進んで萌にキスをした。
ノンケからバイセクシャルへ。
バイセクシャルからレズビアンへ。
細かな変化を繰り返してきた真里の性的指向は、
レズビアンとして完結を迎えようとしていた。