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霧の寝台

ガチ×ノンケ専門の官能小説 主なジャンル:GL BL NTR 催眠 調教 監禁 男の娘 女装

Part.99 【 脱出計画◆ 】


夜が明け、目を覚ました一行は、

ラブホでラーメンを注文していた。


従業員が玄関先の受取口で、ラーメンを手渡す。

受け取り役は忍が行っていた。



「お待ちどうさまです。

ラーメンと取り皿二つをお持ちいたしました」


「ありがとうございます」


「食べ終わった容器は、外に出して置いてください。

後で取りに参ります」



トレーには、醤油ラーメンの大盛と、

味噌ラーメンの大盛が1つずつ乗せられていた。


ラーメンの個数が合わないようだが、これは宿側に実際の人数を知られないようにするためであった。


彼らは注文する際に、醤油と味噌どちらも食べたいという理由で、取り皿2つを頼み、4人で食べるつもりだったのだ。



「うわーおいしそー!」


「ふーむ、大盛りでもこれくらいか、

4人で食べるには少し足りないかもね」



素直に喜ぶ真里に対し、

萌は量が少ないことを少し残念に思った。



「足りない分は後から俺が買ってくるよ。

とりあえず食べよう」



忍が箸を割り、取り皿にラーメンを取り分けていく。



「これくらいで良いかな?」


「ありがとうございます。忍さん」



取り分けた醤油らーめんを誠に手渡す。


前日に、誠が男であることを思い出した忍であったが、一夜明けた今でも、

その容姿と性別のギャップに慣れることはなかった。


おまけに今の誠は、女物のパジャマを着ている。


真里が用意したものだが、それもあって、誠から男の面影を感じ取ることはできなかった。



(これで男だなんて、信じられないよ……)



真里の取り皿に味噌ラーメンを取り分けながら、

調教時の誠を思い出す。


丸みを帯びた狭い肩幅。

男性にはないはずの小さく盛り上がった乳房。

すらっとしたクビレ。

白くてプリプリっとしたお尻。

そして成人男性にしては、小さすぎるペニス……。


誠の温かくもまろやかなアナルの感触を思い出し、

忍の巨根は、つい勃起を始めてしまった。



(あっ……ま、まずいっ!)



前屈みになり、太ももで一物を挟み込む。

忍は、周りに一物の状態がバレないようにした。



「どうかしましたか?」



不自然な動きに、真里はキョトンとする。



「ごめん、なんでもないよ。

ちょっとお腹が痛くなっただけ」


「大丈夫ですか?」


「大丈夫、気にしないで……」



忍は真里に味噌ラーメンを手渡すと、

ソファーに座り、自分のラーメンを股間の上に置いた。



「忍、お腹痛いの? フロントに薬頼もうか?」


「あー座ったら収まったよ。大丈夫」


「ふーん」



萌は麺を口に含みながら、懐疑的な目で見ている。

忍の態度が何やらよそよそしいことに気が付いたようだ。



「ねぇ、なんでそんな食べ方してるの?

そんなとこに置いたら不安定でしょ。テーブルに置いたら?」



忍は股間にラーメンを置いたまま、

前屈みになって食べている。あまりに不自然な姿勢だ。


もちろん忍以外は、全員テーブルで食べている。


忍も同じくテーブルで食べたかったのだが、

不幸なことに、このテーブルは透明なガラスでできていた。


テーブルにラーメンを置いてしまっては、

このギンギンに勃起したペニスを見られてしまう。


そのため、忍は股間に置いて食べるしかなかったのだ。



「ちょっと、忍……真里と誠さんが見ているのに

恥ずかしい食べ方しないでよ」


「あぁ……」



返事はしているものの、

忍はなかなか姿勢を直そうとしない。



「もーいい加減にしな!」



忍の奇行に耐え兼ねた萌が、器を取り上げる。


そこで彼女は気が付いた。

忍の息子が元気になっていることに。



「へっ……ちょっとっ! えっ⁉ なんでっ⁉」


「「えっ⁉」」



萌の声が引き金となって、

みんなの視線が忍の股間に集まる。


忍の股間部分の布は、

巨根に突き上げられ、見事に隆起していた。



「ちょっと、バカっ! なに興奮してんの⁉」


「はわわ……はわわわわわ……♡」



怒る萌。平手で忍の頭をぶっ叩く。


真里は誠のお尻を犯していた忍の剛直を見て

顔を赤らめていた。



「違うんだ、これは考え事をしてたらつい……」


「なに考えてたのー! 真里にラーメン渡して、

変なこと考えてたんじゃないでしょうね⁉」



忍の様子がおかしくなったのは、

真里にラーメンを手渡してからだ。


萌は忍が真里にいかがわしい妄想をしたと思い込み、

腹を立てた。


ポコポコと叩かれ、慌てた忍が弁明する。



「ち、ちがうっ!  真里ちゃんにじゃないよっ!」


「じゃあ、誰なのよっ!

あとはタイミング的に誠さんしかいないじゃないっ!

 ……あっ!!!!」



言って自分で気が付く。

まさか誠に興奮してしまったのでは?

冷静になり確認する。



「まさか誠さんに勃起しちゃったの?」


「そ、それは違う……」



肯定しにくい質問に、ついウソを言ってしまう。


誠に勃起するということは、

男色の気があると認めるということだ。



「じゃあやっぱり真里に勃起したんだね」



改めて萌は、キっと忍を睨みつけた。



「それも……ちがう」


「じゃあ、なんなのさ?」



萌が顔を近づけて言う。

鼻と鼻がくっ付くほどの距離だ。

萌は真里に勃起したのか、誠に勃起したのか、

白黒つけるつもりだった。



「決まってるだろ? 萌にだよ」


「ウソつけ」



今まで勃起できなかった奴が何を言うのか。

萌は誤魔化す忍を軽蔑した。



「いい加減答えなさい。真里に勃起したの?

 誠さんに勃起したの? どっち?」



このまま誤魔化しても、萌との関係を悪化させるだけだ。忍は正直に答えることにした。



「誠くん……です」



それを聞き、萌は気を静めた。



「ふぅ……それならしょうがないか。

忍も催眠を受けてるし、男の誠さん相手におちんちんおっきくさせてもしょうがないよね」


「うぅ……」



真里に勃起したのでないなら問題はない。

食事中だったので、からかうのは止めることにした。



(うひひひひ……誠くんに勃起しちゃったんだ~♡

はぁはぁ♡ なんというホモ勃起♡

ああやって恥ずかしがってるのも、ポイント高いな~)



腐女子の真里は、忍の反応に喜んだ。

ふと誠の様子が気になり、彼の方を向いた。


誠は顔を赤らめ、チビチビとラーメンを口にしていた。忍に性の対象とされ、恥ずかしいようだ。


そんな彼を見て、真里はさらに興奮する。



(いやぁあああああああん!!!♡♡

かわいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!♡♡

なんでそんな赤くなってるのぉぉおおお!!!♡♡

はぁはぁ♡♡ ちょっとこのBLやばいって!!!♡♡)



そこで真里はハッとした。



(す、すごいことに気が付いちゃった……

もしかして……今なら私の願いを叶えることが

できるかもしれない!)



未だに恥ずかしそうに麺を啜(すす)る誠を見て、真里は思った。


もしかしたら誠も勃起しているかもしれない……と。


彼女はこれからのことに期待を寄せていた。




※※※




「ただいま」



午後になり、忍がコンビニから帰ってくる。



「ひととおり買ってきたよ。

やっぱりコンビニ以外は何もないね。

どの店も閉まっていて、ゴーストタウンって感じだったよ」


「へ~中心地はあんなに栄えてるのにね」



ここからコンビニまで3kmはある。


忍は徒歩で街へ繰り出していたのだが、

この付近にはまだ黒服達の手は回っていないようだった。


忍は買い物袋から購入したものを取り出し、

テーブルに並べていく。


食料品、地図、懐中電灯など、脱出に必要なものばかりだ。



「外に出る時に良いと思ってマスクも買ってきたよ。

これを付ければ、顔の六割は隠せるからね」


「良いアイデアですね! マスクしてたらきっとバレません!」


「みんなでマスクしてたら逆に目立つから、

私と忍はサングラスするよ」



そうして4人は、テーブルに地図を広げ、

今後の展開について話し始めた。



「僕としては、まずネカフェでキヨちゃんに連絡したいな。

キヨちゃんだったら、おそらくこの事を信じてくれると思う。


それで場所だけど、このマンガ道場だったら、

ホテルからも近いし、比較的安全に行けると思うんだけど、

どうかな?」


「連絡を取るのは良いのですが、

そのキヨちゃんって方は大丈夫なんですか?

これだけの事件……それなりに対応できる人じゃないと、

危険な目に遭わせるだけだと思うのですが……」



萌が誠の提案に意見する。

ここで人選を間違えば、犠牲者を増やすだけだ。


自分達が捕まらないためにも、

助っ人は慎重に選ぶ必要があった。


そんな萌に真里から一言。



「キヨちゃんっていうのは、高校時代の甘髪先輩のことだよ。ほら、私が勘違いして、誠くんと付き合ってるって思ってた人」


「甘髪ってたしか……えぇっ⁉ 甘髪恭子?」


「そそ、恭子先輩。

今、同じサークルに所属してるんだ」


「ほほ~すごい味方がいるもんだね。

あの人だったら大丈夫かな」



高校では誠に次ぐ学力を誇り、

大物政治家の父と世界的な服飾デザイナーの母を持つ、

まさにサラブレッドのような女性。


それが萌の甘髪恭子への評価であった。


萌が知っている人の中では、まさにトップレベルの人物。

今回、連携を取るには申し分ない相手だった。



「でもマンガ道場のカード持ってるの?

会員手続きすると、小早川に連絡されるかもしれないよ」


「それは大丈夫。私も誠くんも持ってるよ」


「じゃあ決まりだね。

たぶん会員データから足取り掴まれるだろうから、

ここにはもう戻ってこれないかもしれないけど……」



少し残念そうにつぶやく。

そんな萌に忍は言った。



「それは仕方ないよ。

どちらにしても、何泊もしたら怪しまれるし、

ここには泊まれても今日が最後と思う。

それで移動だけど、レンタカーの番号も控えられてるだろうから、次からはタクシーを使うのはどうかな?」


「タクシーに賛成です! ネカフェに行くのは良いんですが、その後どうするんですか?」


「ふふ~ん♪ よくぞ聞いてくれました。

実はね、忍はこういう時にすっごく役立つ資格を持ってるんだよ♪」


「おおん?」



自信あり気に彼氏自慢を始める萌に、

なんだなんだと真里は聞き入った。



「なんと、忍は!

小型船舶操縦士の資格を持ってるの!」


「えぇっ⁉ なにそれ、すごそう!」


「小型船舶、すなわちモーターボートやフェリーを運転しても良い資格のこと」


「ということは?」


「旅客機や旅船を使わなくても、

私たちだけでこの島を脱出することが可能ってことなんだよ!!」


「すごーい!!」



なんともハイテンションな真里と萌の掛け合い。

誠も、あまりにご都合主義な資格を、忍が持っていたことを喜んでいた。


そうして囃(はや)し立てる三人に対し、

忍は照れくさそうに言う。



「俺、マリンリゾートで働いていたことがあってさ、

その時バイトの先輩に誘われて取ったんだ」


「それってすごく大変だったんじゃないですか?」


「学科講習を24時間と実技教習を4時間受ければ、

取れる資格だったよ。

難しいこともあったけど、先輩が全部教えてくれて、

船の操縦とかも、バイト期間中にこっそり教えてもらってたんだ」



続いて萌が言う。



「元々、忍が運転するフェリーに乗って、

南の島を遊び回ろうって話だったんだけど、

あのオカマが余計なことしてくれたせいで、

結局行けずじまいだったんだ。

でもまさかこんな形で乗ることになるとはね~」


「うんうん♪」


「なんだか希望が見えてきた感じだね」



真里も誠も実に嬉しそうだ。



「だから早ければ、明日にはこの島を出れるかもしれないよ?

何かあった時のために、甘髪先輩には連絡をとっておいて、その後タクシーでボート乗り場まで行こう。

あとはそのまま本島に逃げればウチラの勝ちだね」


「でも海を闇雲に走ったら危なくない? 大丈夫なの?」



忍が資格を持っているといっても、

島と島を越えるには、やはりプロの協力が必要なのでは?


ふと浮かんだ真里の疑問に、萌は地図を指差して答えた。



「ここが本島に一番近いところにあるボート乗り場なんだけど、ここからなら2時間半もあれば行けるはず。

船にはコンパスも付いてるし、迷うことはないんじゃないかな?」


「なるほど~コンパスがあるなら大丈夫かもね」


「とりあえず今日はゆっくり休んで、明日から動くことにしよ?」


「うん、そうだね♪」



昨夜の不安はどこへやら。

真里と誠は、この脱出計画に大きな期待を寄せるようになっていた。




※※※




それから一時間後……


追加の食料を口にし、リラックスムードの中。

真里は萌と忍の前で土下座していた。


二人はポテトチップをかじりながら、

表情を変えずにいる。


この人、何してんだ?と、

二人で目を合わせて首を傾げた。



「パリポリパリポリ、

なにしてんの……真里? パリポリパリポリ」



グビグビっとコーラを口にする萌。

何かやらかしたのか?

といった感じで真里を見ている。



「あのですね。

実は御二方に協力していただきたいことがあります」


「ふむ……なんだい、それは?」



真里が畏まって話を始めたため、萌も畏まる。

忍は、とりあえず萌に任せることにした。



「率直に言います。

忍くんのちんちんを貸してはいただけないでしょうか?」



バタンッ!と忍がズッこける。

いきなりチンチンを貸せと言われたら、

ズッこけても仕方がないだろう。


一方の萌は眉間にシワを寄せて真里を見ていた。



「ちょっと真里……意味わかんないよ。

もっときちんと説明して。

忍が私の彼氏なの知ってるでしょ?

いくら真里の頼みでも、忍のチンチンは貸せないよ」


「はい知っています……。

だからこうしてお願いしてるのです……。

萌様、お願いします……忍くんのチンチンを誠くんのお尻に入れさせてはくれないでしょうか……お願いします……」



涙目になってお願いしている。

真里は本気だ……。


誠も忍も、一体どうして彼女がこんなことになってしまったのか分からないでいる。


まさか小早川の後催眠が発動してしまったのではないだろうか? みんなが真里を心配し始めていた。


とりあえず萌は冷静に対応することにした。


彼女は椅子から下りて、真里と視線の高さを同じにすると、ポンポンと肩を叩いて諭すことにした。



「真里、わかるよ。その気持ち、すっごくわかる。

私も二人のBL、生で見たいもん。


でもね。私たちがそうであるように、

誠さんと忍だって、催眠の後遺症と戦っていかなきゃいけないの。


計画を立てたからといって、

この島から出れると決まったわけじゃないんだよ?


もしシラフの状態でエッチしちゃったら、

次催眠掛けられた時、真里と別れて忍と付き合いますって、

誠さん言い出しちゃうかもしれないよ?


真里はそれでもいいの?」


「だって……今しかないんだもん……。

捕まる可能性があるならなおさら……。

実はね……私と誠くんって、まだ一度も挿れたことないの……」


「えっ⁉ そうなの⁉」


「誠くんは童貞で、私は処女のまま……。

私は誠くんに処女を捧げたいんだけど、

誠くん、勃起できなくて……。


それで、さっきラーメン食べてる時に思ったの。


忍くんが誠くんにチンチンを挿れたら、

誠くんもフル勃起できるんじゃないかって。


その状態だったら、誠くんと繋がることができるかもしれない。


だからお願い、萌。

忍くんのチンチンを貸して……」


「そういうことだったんだね……」



真里の沈痛な思いに、萌は涙を浮かべている。

彼女は床に座り泣いている真里に寄り添うと、

しっかりと抱きしめた。



「辛かったね……苦しかったね……。

わかった……忍のチンチン貸してあげる


私も挿れてもらえなかったから、

真里の気持ちよくわかるよ。


それに一度も経験がないだなんて悲しすぎるよ。


今作った計画だって、100%成功するわけじゃないんだし。

後悔しないように、今のうちにやっちゃお?」


「ありがとう、萌……私、萌が親友で良かった……」



どんどん話が進んでいき、唖然とする忍と誠。


あっけに取られる誠を尻目に忍が言う。



「えっと……俺と誠くんの気持ちはどうなるの?」

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