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霧の寝台

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聖十字騎士エルフィーナ ~百合と背徳に溺れていく女騎士~ Part.5

文章:白金犬




 エルフィーナとリリーナとの関係が続いて1年が経過しようとしていた。

 この時、とある日を境にリリーナからの呼び出しが途絶えていた。それまでは毎日のように行為に及んでいたにも関わらず、急にそれを止められて、開発されていたエルフィーナの身体は疼いていた。

(でも、今なら……)

 エルフィーナは、あの初めて結ばれた日以来、再度アルフレッドを自室に招いた。

 今なら身体が火照っていて仕方ない。これであればアルフレッドとの行為でも快楽を得られるはずだ。そうすれば、リリーナに刻まれた歪まれた性癖も、正しいアルフレッドの愛で上書き出来るだろう。

 正直、ウルシマスやカイエンに立て続けに強姦されたことで、男性との行為への抵抗感はすさまじかった。それでもアルフレッドへの想いを取り戻したい、リリーナとの関係を解消したいとの思いから、その嫌悪感を必死に抑え込んでアルフレッドと身体を重ね合わせた。
 
 しかし--

(う、く……やっぱり、痛いっ……! それに、すごく気持ち悪い!)

 今度はエルフィーナがアルフレッドに跨る格好で行為に及んだが、唇の触れ合いは物足りないどころか気持ち悪い。男性器を挿入しても、苦痛と嫌悪感しかない。いくら身体が火照って、秘部が濡れそぼっていても、男性そのものに対する嫌悪感はどうしてもぬぐえ切れなかった。

 だから、当然快楽も興奮も無い。

「それじゃ、動くね……」

 それでも、何とか必死になって腰を動かし始めるエルフィーナ。

 そうやってエルフィーナがアルフレッドの肉棒を悦ばせていると

「……っう!」

 あっという間に、アルフレッドは限界を迎えて射精してしまう。

「はぁ、はぁ……ご、ごめんエル。気持ち良すぎて……」

「--ううん」

 アルフレッドだけが先に満足すると、エルフィーナは彼の横に寝そべる。

(ずるい……アルフだけ勝手に気持ちよくなって……)

 アルフレッドの満たされた顔を見ていると、なんとも言えない気持ちになっていく。自分の身体は全く満足していない。そっと秘部に指を這わせると、クチュという淫音が聞こえる。しかし、男性器を受け入れたいとは全く思わない。

 思い出すのは、リリーナの指や舌の感触だ。

 あの指で狂わされたい。あの柔らかい舌と、唾液を絡めながら濃厚にキスをしたい。

「じゅる……」

 もう何日もご無沙汰となっているリリーナの体温を思うと、エルフィーナは物欲しそうに舌なめずりをしてしまう。

「そういえばさ、もうすぐエルの誕生日だったよな」

 そんなエルフィーナの胸中など、やはり察することもなく、アルフレッドが能天気に聞いてくる。

「えっ? あ……そ、そうだね……」

「俺達も付き合って1年以上経つし、俺もエルもお互いの騎士団の中でそれなりにやってきたから……それに、こういうこともしちゃってるしさ。そろそろ、良いかなと思うんだ」

「……そう、だね」

 何か意を決したような口ぶりに、エルフィーナはアルフレッドの意図を察する。

 おそらく、アルフレッドはエルフィーナの誕生日に、正式に婚約を結ぼうとしている。

 --リリーナを知らない頃のエルフィーナであれば、それだけで胸がときめいてしまい、幸せで頭がおかしくなってしまいそうだっただろう。

 しかし、今のエルフィーナはリリーナを知ってしまっている。

「ありがとう。嬉しいわ、アルフレッド」

 そんな彼女は、もう恋人を愛称で呼ぶことなく、公の場の騎士口調で空虚な返答をするだけだった。

    ▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼

「どうされましたか、エルフィーナ様?」

 エルフィーナの部屋は、聖十字騎士団の女子寮の中でも、限られた上級騎士用の高級な部屋だった。その部屋へ、エルフィーナは公務としてリリーナを呼び出していた。

「お仕事であれば執務室の方に呼んで下さればよかったのですが……」

 リリーナを部屋に招きいれたエルフィーナは、彼女に背を向ける格好で、窓から外を見ている格好だ。聖十字騎士団上級騎士の制服を見事に着こなし、慄然と立つその後ろ姿は、いつもながら精悍で高潔で、異性同性問わず見惚れてしまいそうだ。

「大事なお仕事です、リリーナ先輩……」

 いつも通りの、透き通った凛とした声でそういうエルフィーナが、ゆっくりと振り向くと--

 その顔は、媚びたように笑いながら、頬を赤く染めており、恋人アルフレッドの前でしかーーいや、それ以上の雌の顔をしていた。

「お姉様ったらぁ。分かってるくせにぃ……ずっと寂しかったんですよ」

 いきなり甘えたような声色になり、リリーナへと歩み寄るエルフィーナ。すると制服のポケットから、何か黒く細いものを取り出す。

 それは、以前にエルフィーナが強固な意志でもって外した、リリーナから付けられた魔術具ーーリリーナへの劣情を促進させるチョーカーだった。

 エルフィーナは恥ずかしそうに笑いながら、自らチョーカーを付けた。

「アルフレッドと……気持ち悪くて汚らしい男と初めて関係を持ったこの場所で、私を抱いて下さい。嫌な思いをお姉様とのあま~いセックスの想い出の場所に塗り替えて欲しいの。お願いします♡」

 トロンと目尻を下げた表情で、エルフィーナは歪んだ悦楽に蕩けた笑みを浮かべるのだった。

□■□■

「あ~っ……幸せ幸せ幸せっ……気持ちいいっ♡」

 その日、エルフィーナは人生で至福の時を過ごしていた。

 想い人と身体を交わらせることで得られる快楽に、完全に溺れていた。

「どう? これが女同士のセックスなのよ。おちんちんなんていらないの……オマンコとオマンコを擦り合わせて……っんあああ!」

 ベッドの中で、リリーナはエルフィーナの片脚を持ち上げなら、お互いの女性部分を擦り合わせていた。

「んあああああ~っ! すごいっ! 女同士のセックス気持ちいいっ! 男なんて、いらないっ……レズセックス、気持ちいいよぅ!」

 リリーナの腰が振れる度に、エルフィーナはビクンと身体を反らせて快楽の声を漏らす。

 女神の教えだとか、女同士だとか、何をつまらないことにこだわっていたのだろうか。

 この快感がこそが全ての答えだ。快楽こそが、幸せなのだ。

 その前には、騎士としての誇りも、家名の威厳も関係ない。気持ち良さの前に、それらは全て何も意味も無い。

 それを教えてくれたリリーナは

「ああぁ~……お姉様ぁ♪ エルは、エルはぁ……んはぁぁぁぁっ!」

「ふふふ、可愛い娘。それじゃ、お望み通りトドメをさしてあげる。エルを変態レズビアンに堕としてあげるわ」

 自分の舌でビクビクを悶えるエルフィーナ--リリーナはその首に巻かれているチョーカーを指でなぞると、光を帯び始める。

「もっと……もっと下品になりなさい。女同士の快楽の前に、礼儀も常識も理性も不要よ。恋人には聞かせられない、汚い言葉をたくさん吐きなさい。ほら、ほらぁ♪」

 緩急をつけた腰の動きで、エルフィーナを翻弄するリリーナ。

 敏感な部分のこすれ合いの、程よい刺激だが、絶対にそれ以上は昇りつめられない絶妙な腰遣いに、エルフィーナはだらしなく舌を伸ばして、唾液を零してしまう。

「はううっ……あっ、あっ……♡ こ、この焦らされる感覚……好きぃ♡ お姉様のセックス、上手過ぎるぅ♡ 男のおちんちんセックスと全然違うのぉ♡ ま……ま……マン汁が溢れちゃうよぉ♡」

 リリーナに刷り込まれた下品な淫語を口に出すと、エルフィーナの心臓の鼓動がドクンと高鳴る。それだけで、エルフィーナは一人で表情を蕩かせてしまう。

「あ、う……い、今私……すごいこと言っちゃったぁ……♡」

「ふふふ、いいのよ。すごく変態っぽい♪ 普段は鋼の意志を持っているエルも、女の子前ではすぐにオマンコユルユルになってマン汁をダラダラ垂れ流す雌になっちゃうんだものね。ほらっ、ほらっ……オマンコセックスどう? こうしてクリトリスを……女の子のおちんちん同士を擦り合わせると、すごくいいのよ♡」

 リリーナがそう言いながら腰の角度を変えると、今度はお互いに肥大した陰核同士を押し付けて、擦り合わせる。

「っああああぁぁ♡ こ、これ……すごっ……お姉様のクリトリスが、エルのクリトリスを潰してりゅっ♡」

「違うわよ。女の子のおちんちん、よ♪ 男とは違う女のおちんちん、擦り合うと気持ちいいわね~」

「き、気持ちいいぃっ♡ 女の子同士のおちんちん、擦り合わせると気持ちいいのっ! エルも腰動いちゃうっ♪ エルのおちんちん、お姉様のおちんちんと擦っちゃうよぅ♡」

 リリーナの動きに合わせてエルフィーナも腰を動かし始める。お互いが快感を得るために腰を動かし始めると、エルフィーナだけではなく、リリーナにも強烈な快感が伝わってきて、すぐにお互い限界が近づいてくる。

「はぁっ……はぁっ……素敵よ、エル。このまま変態レズビアンになっちゃう? 私のオマンコに負けて、おちんちん嫌いの変態レズビアンになっちゃおっか♪」

「な、なるっ……なりますぅっ! トドメ、さしてっ……!」

 もはや理性の色が消え失せた瞳で見上げるエルフィーナを見て、リリーナは嗜虐的な笑みを浮かべながら

「いいわっ……もう戻れないくらいに、脳みそぐちゃぐちゃにしてあげる。だから、認めなさい。私のオマンコに完全敗北したって。一生女の子しか愛せない変態レズビアンになって、これからの一生を生きるって、誓いなさい!」

「ふあああっ……うああっ♡ あっ♡ は、激しいっ……!」

 グチュグチュと音を立てながら、リリーナがエルフィーナを絶頂に追い詰めるべく、腰遣いを本気のそれへと変えていく。

 リリーナの言う通り、もはやエルフィーナはまともな人間の思考などできないほどに頭の中を蕩けさせられて

「エ、エルはぁ……リリーナお姉様のオマンコに、完全に負けちゃいましたぁぁ♡ もう女の子しか愛せないっ♡ エルのオマンコは、もう女の子とセックスするためのものですっ♡ 残る一生、ずっと女の子とセックスしますからぁぁぁ♡

 んあああああぁ~~♡ なるっ、なるぅぅぅ♡ 変態レズビアンになっちゃう♡ エルは、変態レズビアンになるのぉ♡ あああああ~、脳みそがぐちゃぐちゃになりゅうう♡ 気持ちいい、気持ちいい、気持ちいいっ♡ オマンコセックスで、いきゅううううううう~♡」

「はぁ、はぁ……いいわ、エルっ♡ これで、貴女も立派なレズビアン……っああああああ~♡」

 呂律が回らないくらいに快楽に溺れたエルフィーナの片脚にギュッと抱き着くようにしながら、リリーナが最後に腰を深くグラインドさせる。すると、エルフィーナとリリーナは、激しく身体を痙攣させながら、同時に絶頂に達した。

「はぁ……はぁ……うふ、うふふふ……可愛い、エル♡ 生まれ変わった気分はどう? ほらぁ……」

 激しい絶頂の余韻に酔いながら、リリーナはふらふらになりながらエルフィーナの上に覆いかぶさすようにすると、激しく明滅しているチョーカーを指でなぞる。

 未だ絶頂の余波で意識がもうろうとしているエルフィーナは、更にチョーカーから流れてくる魔力にビクンビクンと身体を震わせると。

「あ、あはは……お姉様。エルは……エルは女の子大好きになりましたぁ♡ これから一杯、レズセックスの良さを広めていきたいですぅ♡」

 そうして完全に同性の快楽に堕ちたエルフィーナの至福の表情を見て、口づけをするリリーナ。

(さて……あとは最後の仕上げだけね)

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